↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺たち双子は世界を救わない。~自由気ままな異世界グルメスローライフ~  作者: 京野きょう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
6/51

第6話・CHEERS!異世界での再会

ブクマしてくださった方、ありがとうございます...!

引き続き、のんびりお付き合い頂けたら嬉しいです。

 6話目


 ギルドを出た頃には、空はすっかり夕焼けに染まっていた。

 石畳の通りに、橙色の光が長く伸びている。



 あの後──

 ショボくれたギルドマスターの代わりに、副マスターのセリーナから色々説明を受けた。


 その中でもステータスのこと。

 この世界にもあったんだなぁ、ステータス画面。

 ……憧れてたステータス画面ッ!


 興奮しすぎてマスター、副マスター、華蓮にはドン引きされたけどさ……へへ。

 早く試したいなー!


「とりあえず、紹介された宿に行きましょ」

「だな。さすがに今日は疲れたし」


 疲れた声で華蓮が言う。

 初日から色々ありすぎたもんな……。


 ギルドで教えられた宿屋は、街の中心から少し外れた場所にあった。

 ギルド提携だからなのか、想像してた宿屋より少し豪華な気がする。

 木と石で造られた外観は落ち着いていて、冒険者向けとは思えないほどだ。


「思ったより豪華そうだな……」

「中身も豪華だといいんだけど」


 そんな事を話しながら中に入る。

 想像通り、ちょっと良いホテルみたいだった。

 良いホテルなんて、TVでしか見たことないけど。


 フロントへ行こうとすると、スタッフから声を掛けられる。


「ソータ・ミヤシロ様、カレン・ミヤシロ様でございますか?」

「あ、はい。……って、なんで分かったんすか?」

「ギルドから要請が来ておりました。男女2名の異世界人の方と」


 そーいや、服装も制服のままだ。


「二人一部屋で承っておりますが、よろしいですか? 個室のご用意もございますが……」

「華蓮、どうする?」

「いえ、一部屋で大丈夫です。お気遣いありがとうございます」

「かしこまりました。ではご案内します」


 スタッフの後を着いていき、二階奥の部屋へと案内される。


「こちらのお部屋となります。何かありましたらお気軽にお声掛け下さいませ」

「ありがとうございます!」


 部屋に入ると、思ったより豪華さはないシンプルな作りだった。

 でもふかふかそうなベッドが2つある。

 マジで疲れてたから、それだけでも嬉しい。


「うおああああ……!」


 叫びながらベッドに倒れ込む俺。

 叫びはしないけど、それに倣う華蓮。


「今日はもう、何もしたくねぇ……」

「……同感」


 ようやく一息つけた感じ。

 身体がベッドに沈み込み、このまま寝たいくらいの気持ち良さだ。


「メシ、どーしようか……」

「食べたのも焼き串1本だけだものね……」


 ベッドのうつ伏せになったまま会話をする。


「さすがに腹減ったよなぁ……」

「減ったわね……」

「……減ったけど、ちょっと仮眠取るってのはどーだ?」

「……賛成」


 ──言うまでもなく、俺達が起きたのは夜が明けて街に活気が出るころだった



「くぁ~ぁ……」

「ほらもう、しっかりして」


 起きて少し身なりを整え、朝飯でも食うかと街を歩き始める。

 顔は洗ったものの、どうにも眠気が取れない。

 華蓮は疲れてるそぶりも見せずに、シャキッとしてる。


「お前、疲れてねーの……?」

「そりゃ疲れてるわよ。でも動かないと始まらないでしょ」


 さすが毎朝五時起床の猛者だ。


「午後に一度ギルドに顔出すんだっけ?」

「ええ。支度金を受け取れるみたいね」

「でも何からすればいいんだろうなー」


 あれこれ話していると声を掛けられる。


「よう、お二人さん! また会ったな」

「ルーグさん!」


 俺達がこの世界に召喚されて、初めて会った冒険者のルーグさん。

 色々と世話になった恩人だ。


「昨日はありがとうございました」

「なに、良いってことよ。これからどこ行くんだ?」

「私達これからギルドへ行くんですけど、その前にご飯を食べようかと」

「ほう」

「昨日食った串焼きから何も食べてないんすよ……」

「そりゃ腹も減るわな」


 腹を抱えて項垂れる俺を見て、くくっと笑うルーグさん。


「ルーグさん、どっかいいとこ知りません?」

「そうだなぁ……そうだ、良ければ一緒に来るか?」

「いいんすか?」

「これからメンバーと飯屋で合流予定なんだ。せっかくなら紹介しときたいしな」

「……でも、いきなり私達が行ってお邪魔になりませんか?」

「いいや、あいつらも会ってみたいってさ。それに、顔見知りは多い方がいいだろう?」

「ありがとうございます。ぜひ」

「決まりだな! よし行くぞ」



 そして宿屋兼飯屋の『虎ノ子亭』へ向かった。


 そのやたら広い飯屋は漫画でよく見る、ありきたりな酒場だった。

 冒険者御用達しって感じだ。

 キョロキョロしながら着いていくと、1つのテーブルの前でルーグさんの足が止まる。


「遅いよ、ルーグ!……って、その子達はもしかして……?」

「あぁ、例の異世界から来た子らだ」

「ども、創太って言います。ルーグさんには世話になって……」

「初めまして、華蓮と申します。突然お邪魔してすみません」


 俺達の挨拶が終わるや否や。


「初めましてだよー! ボクはフィン! これでもシーフなんだよー!」


 そう言って、軽装の少年が顔前ピースをする。

 腰に下げた短剣、指先無しの革手袋がいかにもって感じ。


「セラと申します。このパーティの神官を務めさせて頂いております」


 聖職者の法衣に身を包んだ女性が、柔らかく笑みを浮かべて一礼する。

 綺麗なお姉さん。


「……魔法使いのレイン」


 とんがり帽子に、地面に届きそうなマント、手には簡素な杖を持った無口な青年。

 チラッとこちらを見るも、すぐに視線は外された。


「そして俺が《白い狼(ホワイトウルフ)》のリーダー、ルーグだ。まずは乾杯といこうか」


 それぞれが木で出来たジョッキに注がれた飲み物を持つと、フィンさんが立ち上がる。


「それじゃあ! 出会いの記念に……かんぱーい!!」


 そうして次々に料理が運ばれ、それをた食べながら今日までの経緯を話す。


「大変だったんだねぇ……」

「いやでも、そーでもないっすよ。こうして何とかなってるし!」

「何かお力になれればいいんですけど……」


 そんな話をしていると。


「そういえば、結局お前さんらは職業決めたのか?」


 恥ずかしいからぼかして話したのにツッコまれた。


「えーと、その.……」

「兄が料理人、私が錬金術師になりました」


 隠すこともせず、華蓮がキッパリと言い放つ。

 お前のその度胸羨ましいよ……。


「そりゃまた……」

「まぁ……」

「…………」


 皆の正直な反応が胸に刺さる。


「ま、まぁ、色んな職業あるしな。意外と大物になっちまったりしてな?」

「そうだよぉ! ポーションなんていくらあっても足りないしさっ!」


 フォローが痛い。けど、ありがとう。


「……ステータスは?」


 これまでずっと黙っていたレインさんが口を開く。


「あ。そーいや見てなかった」

「おいおい」

「色々あったんだから仕方ないよー! ね、今見てみれば?」

「ギルドタグを握って《ステータスオープン》と言えば開けますよ」

「や、やってみようぜ華蓮!」


 ギルドタグを握り──


 《ステータスオープン!》

 

【名前】ソータ・ミヤシロ

【職業】異世界の料理人

【Lv.】1

【固有スキル】《言語理解》《アイテムボックス・小》

【職業スキル】《調理(クッキング)Lv.10》《素材解析(マテリアルスキャン)


【名前】カレン・ミヤシロ

【職業】異世界の錬金術師

【Lv.】1

【固有スキル】《言語理解》《アイテムボックス・小》

【職業スキル】《調合(ファーマシー)Lv.1》《異材精製(アナザーブレンド)


「うおおすげえ!!」

「あははっ! 初めてだと興奮するよね!」

「先に注意しとくと、スキル内容は基本的に言わない方がいいぞ」

「え、そうなんすか?」

「あぁ。パーティならいざ知らず、他人に言うことで不利益にもなるからな」


 ふーん、そんなものなのか。


「ただまぁ料理人と錬金術師は、余程の大物でない限りスキルは1つって相場が決まってるから、そこまで気にしなくていいけどな」

「え? 固有スキル含めて4つあるんすけど……」

「……兄さん、今言われたばかりでしょう」

「あ。」


 華蓮がやれやれといった表情でため息をつく。


「4つ……?」

「昨日登録したばかりですよね……?」

「並の冒険者すらそんなにないよ……?」


 やべぇ、やっちまった。

 そしてちょっぴり重たい空気のまま、解散の流れになった。



 店の外に出ると、相変わらず賑やかで、昼下がりの街は活気に満ちていた。


「じゃあまたね!」

「またどこかでお会いしましょう」

「スキルに関しては聞かなかったことにするから、安心しろ」

「ありがとうございます。毎度兄がすみません」

「ははっ!相変わらずだな」


 ルーグ達が人通りの中に紛れていくのを、俺達は手を振りながら見送った。



「……兄さん」

「はい」

「言いたいこと、分かってるわよね?」

「さっきのは軽率でした、すんません……」

「分かってるならよろしい」


 くすりと笑う華蓮。


 そんな他愛ないやり取りをしながら、俺達はギルドへの道を歩き出した。

読んで頂きありがとうございます!

応援して頂けると励みになります。


次回より週2更新に切り替えます。

公開予定:1月30日

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。