表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺たち双子は世界を救わない。~自由気ままな異世界グルメスローライフ~  作者: 京野きょう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
50/50

第50話・SOY!異世界でも故郷の味は強かった

「兄さん、早く早く!」

「ちょ、待てって!」


華蓮に急かされながら、俺はまな板の上に置かれた魔獣肉を見つめる。


イメージって頭ん中ですればいいんだよな……?


「うし、とりあえずやってみるか……」


んーと、2mmくらいの豚ロースみたいな薄切り……俺の中の生姜焼き用の肉を、頭の中でイメージして──


俺は包丁を握りしめ、魔獣肉に意識を集中させる。


「えーと……《自動調理(オートクッキング)》!」


そうスキルを唱えた瞬間、魔獣肉が淡く光り──


「おお……っ?」


光が消えると、魔獣肉の塊は綺麗な薄切り肉となっていた。


「わっ、凄い……!」

「ホントに切れてるよー!」

「……すげーな」


横で見ていた三人が感嘆の声を上げる。


いやマジで凄い!

包丁握る必要なかったんかい、とは思ったけど。

マジでこれこれ!っていう薄切りになってる。


……にしても。


「……結構疲れるわ、これ……」


俺的には、100mダッシュをしたくらいの疲労感。

でも自力でこの薄さにカットする手間と時間考えたら、これくらいの代償なら全然良い。

むしろ自力のが疲れる。絶対。


「はー……。工程とか難易度にもよるみたいだし、連発はしにくいかもなぁ……」

「レベルも関係あるかもしれねぇな」

「あはは、ソータはまだレベル6だもんねー!」

「でも美味しいものを食べれば疲れなんて吹き飛んじゃうし……兄さんこれからも頑張って!」

「お前、他人事だと思って……」


確かに華蓮がスキル使った時もこんな感じだったけどさ!

俺の《素材解析(マテリアルスキャン)》は、そんなに体力消耗するスキルじゃなかったから知らなかった。

地味にキツかったんだな、これ。


……まぁ華蓮に関しては、食欲のが上回ってただけな気がするけど。


俺は少し肩で息をしながら呼吸を落ち着かせる。


「……ふぅ。よし、ちゃちゃっと作って食いますか!」

「おー!」


熱したフライパンに玉ねぎを入れて炒める。

ちなみに俺と華蓮は、少しくたっとした玉ねぎたっぷりの生姜焼きが好きだ。

玉ねぎが少ししんなりしてきたところで、薄切りにした魔獣肉を投入。

うは、うまそー!


「いい匂い……!」

「これだけでも美味しそー!」


肉の色が変わってきたら、あらかじめ合わせておいた調味料を回しかける。

中身は今回ゲットした醤油に酒と生姜、みりんがないから代わりに蜂蜜で代用。


ジュワワッ!


醤油の香ばしい匂いと生姜の香りが、一気に立ち上る。


「いい匂い……!!」

「お、美味しい匂いがするぅ……?」


華蓮は変わらず良い表情をしている。

が、フィンさんとレインさんは匂いが広がった途端に黙ってしまった。

表情を見るに困惑してるっぽい?

あのクロミの実がこんないい匂いに変わってたら、そりゃそうなるか……。


俺は三人をチラ見しつつも、フライパンを揺すりながら肉と玉ねぎにタレを絡めていく。

少し煮詰めたら完成!


「でーきたー! 華蓮、米!」

「もうよそってるわ!」


皿にキャベツの千切りをたっぷり盛って、その上に生姜焼きをたっぷりと乗せる。

タレが絡んだキャベツもまた美味いんだよなー!


「さ、お待たせしました! 魔獣肉の生姜焼きっす!」

「いただきます……!」


まずはがぶっと肉から。


「う、う、う、うまー!!!」

「久しぶりの生姜焼き……美味ひい……!」

「マジで生姜焼きだな!」

「また食べられる日がくるなんて……」

「それな!!」


俺と華蓮が盛り上がっていると、無言で食べるフィンさんとレインさん。

二人とも眉間に皺を寄せながら、しかし口いっぱいに頬張っている。


俺達は故郷の味だからっていうのもあるし、生姜焼きは変わらず美味いと思っている。

だけど二人にとって醤油は初めてだし、美味いのか微妙なのか判断しづらい。


うーん、でもテリヤキはめっちゃ気に入ってたよなぁ……。


そしてごくんと飲み込むと、二人は一気に話し始めた。


「これが本当にあのクロミの実か……!?」

「美味しいー! あのねあのね! えっと、すっごく美味しいー!!」

「魔獣肉とはいえ美味すぎる……!」

「もっと食べるー!」


どうやら語彙力がなくなっていただけらしい二人に、俺はホッと胸を撫で下ろす。


「へへ、良かったっす!」

「生姜焼き、美味しいですよね!」

「また食べたいー!」

「簡単だし材料あればいつでも作るっすよ」

「ルーグとセラも来れば良かったのにねー!」

「あいつらの自業自得だろ」

「もー、レインはー! レインだってボクが誘わなきゃ来なかったじゃんー!」

「うるせーな……」

「二人には明日作ってあげるから大丈夫っすよ!」

「えー! ボクも食べるよー!」

「俺も」


生姜焼きを食べながら、なぜか明日の生姜焼きの話をしている俺達。


「気に入ってもらえて良かったね」

「……だな!」



いつもお読みいただきありがとうございます。

今回で作者的には大台の50話を迎えることが出来ました。

わー!めっちゃ嬉しいー!

ブクマや評価、リアクションをして下さっている皆様のおかげで、モチベーションも下がることなく細々とですが続けられています。

本当にありがとうございます……!


まだまだ終わりは見えませんが、完結までこれまで通り細々と続けていく所存ですので変わらずお付き合いいただけると幸いです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ