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異世界召喚された双子、田舎と同じくスローライフ始めます!~料理人と錬金術師になっちゃいました~  作者: 京野きょう


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第5話・SIGN!異世界で手にした小さな証

「はいっ!それではこちらがギルドタグになります!」


手渡されたのは、指二本くらいの小さな金属片。

紐が通せるようにか小さな穴も開いている。

角は丸く削られていて、表面にはギルド紋章らしきものが刻まれている。


その真ん中には、ビー玉みたいなものが埋まっていた。

内部で炎のような何かが、淡く揺れているのが見える。


「かっけぇー!」

「綺麗……!」

漫画で見るのとは違って、実際に手に取ってみるとその重みが分かる。

まぁ第一声は「かっけぇー」だったけど。


そして受付嬢が続けていう。


「こちらのギルドタグは、あなたが冒険者である証で、同時に身分を証明する物です!

必要な際には提示をして頂くこともあります。

紛失にはご注意を!」


「これはネックレスにしても?」

「もちろんです!というかネックレスにしてる方がほとんどだと思います」


そういえば、屋台で見かけた街の人たちも同じような金属片を下げてたっけ。

冒険者だけのものじゃなくて、この世界の共通身分証ってことなのか?


「ランクはGからSまで。クリスタルの色で分かれています。

お二人は職業登録済みなので、Fランクからとなります!」


確かに街の人達のタグにはビー玉付いてなかった気がするし……。

なるほど、職業登録した冒険者だけが付けるんだな。


「これにて冒険者登録はおしまいです!お疲れ様でしたぁ!」

そう言って、ペコリと頭を下げる受付嬢。


「こちらこそお世話になりました」

同じく華蓮も頭を下げ、俺もそれにならう。


「それで保護の件ですが、ここからは別室にてお話させて頂くことになります!

お時間の方は大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です」

「そっか、そいやまだだったな保護の話」

「それではご案内しますね!」


いよいよこの先のことが決まるのか。

わくわくするけど、どうなるか不安でもある。


2階へ連れられ、奥まったその部屋は、他の部屋との様子が違っていた。

上手く言えないけど、偉い人が使ってそうな雰囲気。


ドアの前に立ち、受付嬢が"コンコン”とノックする。


「ギルドマスター、異世界人のお二人をお連れしました!」

やっぱり偉い人の部屋だった!


「それでは私は業務に戻りますね」

ささと1階へ戻ろうとする受付嬢。

慌ててお礼を言う俺達。


「ありがとうございました!」


それに気付いた受付嬢は、軽く会釈をして戻っていく。


「そこのソファに座ってくれ」

顎でソファを指しながらぶっきらぼうに言われる。


感じ悪ぃ……この人がギルドマスターか。

見るからに強面のおじさんだ。

高そうなスーツ着てるけど、正直似合ってない気がする。


ソファに座ると、思わず背筋が伸びる。

それは華蓮も同じようだ。

いや、華蓮は元々姿勢いいけど。


「私はこのギルドのマスター、グレゴールだ」

「俺は宮代創太、こっちは妹の華蓮です」

「まずは、どうしてこの世界に来ることになったのか、このギルドに来るまでのことを聞かせてもらおうか」


軽く自己紹介して本題に入る。

俺達は、異世界に来る前のこと、転移されてからここに来るまでのことを詳しく話した。



「……なるほどな」

ギルドマスターがポツリと呟く。


「で、お前らは冒険者登録はしたのか?」

「しましたけど……」

「ふぅん。何になったんだ?」

「職業のことっすか?俺が料理人で……」

「私は錬金術師です」

「華蓮は剣士や神官の適正もあったんですけどね」


さすがに驚いたのか、目を丸くしてこちらをみる。


「わっはっはっはっ!」


突然、豪快に笑い始める。

俺達も「???」状態だった。


「いや、笑ったりしてすまない。剣士や神官を蹴って錬金術師になるやるがいるとはな!」

「まぁ俺もそう思いましたけど……」

ちらりと華蓮を見るが、無表情のままだった。


「それにしても……。異世界からやって来る人間のほとんどが特殊な何かを備えてることが多いんだが……」


そう言いながら、俺をじっと見る。

わ、悪かったな……。


「あの。保護の件でお伺いしたのですが」

華蓮が口を挟む。

あ、珍しく少し怒ってる。


「おっと、そうだな。すまんすまん!」


ニカッと笑うギルドマスター。

……なんか最初とキャラ違くね?


「最後まで真面目にやろうと思ってたんだが、堅苦しいのは苦手でな」


そう言いながら立ち上がり、ジャケットを脱ぎネクタイを取る。

そしてまたドカっとソファに腰掛ける。


「もうそろそろ日も落ちる。さっさとやっちまうか!まずは住居だな。しばらくは提携宿に泊まってくれ。二人一緒でいいか?」

「は、はい」

「よし次。大事なのは金だな」


気になってた家と金に関してどんどん進められていく。

正直、金に関してはめちゃくちゃ助かる。

なんせ無一文な俺らだし。


「異世界人には支度金が用意される。一人辺り金貨100枚、お前らは二人だから200枚だな!」

「すげっ!!」

「大金だろ?まぁこれで当面の衣食住をなんとかしてもらうことになるんだ。無計画に使うなよ?」

「わ、わかってますよ!」


ニヤニヤと意地悪く笑うギルドマスター。


「てゆーか、なんかキャラ違くありません?」

軽口も叩けそうな雰囲気になったからツッコんでみる。


「わっはっは!まぁ最初は威厳あるとこ見せようと思ってな!」

「威厳つーか、感じ悪いし怖かったっすよ」

「おっ、ハッキリ言うじゃねーか。」


砕けたギルドマスター、実は接しやすい人だったんだな……。

近所の村田のおっさんみたいな人だ。


「格好もちゃんとしろって副マスターがうるせーからよ」

「それなのに脱いでいいんすか?」

「なーに、あいつは今使いに出てるし、要はバレなきゃいいんだよ!お前らもチクるなよ?」

「は、はぁ……」


そして俺達の視線が、ギルドマスターの背後へ移る。


「バレた場合はどうするんですか?」


冷ややかな声で発言したこの人が副マスターなんだろう。

お、怒ってらっしゃる……。


「さ、続きを進めようか」

途端にキリッとした表情で進めようとするマスター。


「…………」


「……………………」


沈黙が流れる。


「…………ゴメンナサイ」


マスターよわっ!


「まったく。目を離すとこれだから……騒々しくて申し訳ありません。

私、当ギルドの副マスターをしております、セリーナと申します。お見知り置きを。」


腰まで伸びた金髪、キリッとした顔立ちにメガネ。

いわゆる、敏腕マネージャーの雰囲気がビシバシ伝わってくる。

てか目を合わせると少し怖いくらいだ。


「セリーナの仕事は早いし丁寧、優しい性格に加えてこの美貌にファンが多い!」

「…………。」


事実だとしても、あからさまなヨイショすぎるだろ。

副マスターの表情変わってないし、誤魔化せてる雰囲気1ミリも出てねーけど……。


「マスター」

「はい」

「後でお話があります」

「……はい」


ショボくれるマスター。

威厳どこ行ったんだよ……。



まぁ、こんな感じの人たちが俺たちを見守ってくれるのかと思うと、少し安心する。

華蓮もきっとそう感じてるはず。


ギルド登録も済んだし、準備万端……とまではいかないけど……。

少しずつ慣れていくしかないもんな。


二人のやり取りを見て、ぼんやりと、そんな事を思った。


……てか早く終わらせてくれよぉ……。


読んで頂きありがとうございます!

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