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俺たち双子は、世界を救わない。 ~料理人と錬金術師の異世界スローライフ~  作者: 京野きょう


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第14話・CONVERT!異世界のごはん革命

家の中はまだガランとしている。

昨日家具を買って、ベッド以外はアイテムボックスに入れたままだ。


「さて、まずは掃除からかしらね」

華蓮は手にほうきを持ち、天井から埃を落としていく。


「俺はどこからやればいい?」

「私はこの作業スペースの掃除を終えたら、2階の掃除するわ。兄さんはキッチンお願い」

「任せとけ!」

「そのまま兄さんの使いやすいように、調理器具とか閉まってもらって……」

「任せとけ!」

「それでそのままご飯の支度をお願い」

「任せとけ……って、おい。まだ掃除も終わってねーのに!」


まぁ掃除は華蓮の方が得意だし、しゃーねーか。


華蓮は手馴れた手つきで、さくさく掃除を進める。

俺はというと、キッチンの天井の埃を落としたあとは拭き掃除。

水周り自体、そんな汚れてないのはラッキーだ。


思ったより早く終わり、放置していた調理器具や皿を片付けた。

……終わっちまった。

調味料も、食材っていう食材もないしなぁ。


「なー!メシ、何が食いたいー?」


既に1階の掃除を終え、2階にいる華蓮に声をかける。

ガタゴトとした音がピタっと止む。


「生姜焼き!」

「おまっ、醤油もみりんもねーよ!」

「あ、そっか……。それじゃ何か適当に……」


日本食恋しいよな、分かるわ……。

まぁ今はスタミナつくもんがいいよな。


「とりあえず買い物行ってくるわ!」

「気を付けてね」


俺は早速買い出しに向かった。




屋台を見回り、見覚えのある野菜をいくつか買う。


肉は、鶏肉とベーコンぽいのも。

生肉はあんまり置いてないんだなー。

保存が効かないから加工しちまうのかもしれない。


店のおっちゃんに聞いてみる。


「おっちゃん、米とか麦とかって売ってる?」

「コメ……?は分からんが、麦と雑穀ならあっちの屋台で売っとるぞ」

「そっか、ありがと!」


──確かに米っぽい。

けど、麦と雑穀どっちが米っぽいんだ?

粉もあるけど小麦粉……でいいんだよな。


「おばちゃん!この雑穀と麦ってどういう風に料理すんの?」

「雑穀は鍋で炊いて粥が一般的だよ。麦も炊くことはあるけど、粉にしてパンとかパン粥が多いやねぇ」

「うーん、なるほど……」


俺はしばし考え込む。

粥ばっかりも嫌だし、パンも硬いのばっかりなんだよなぁ。物は試しで買ってみるか。


「おばちゃん!雑穀と麦、あと小麦粉もちょうだい!」

「あいよ、どのくらい?」

「んーと、この大きい袋のやつ」

「まいどあり!」




「ただいまー」

大荷物を抱えて、家に帰るとさっきよりも綺麗になってる。

さすが華蓮。


んじゃ俺は俺で頑張りますかね!


フライパンに火を入れて、煙が立ったら少し油を引いて、ベーコン投入!

ジュッと音がして、香ばしい匂いが広がった。


うはー、たまらん!


その間に、硬めのパンを適度な厚さに切る。

玉ねぎとトマトは少し厚めに輪切り。

ベーコンの横に玉ねぎを並べて、少しの塩をパラパラ。

レタスも洗って水気を切っておく。


いい焼き色がついてきたら、ベーコンと玉ねぎをひっくり返し、両面しっかりと焼き目を付ける。


もう食いたい……けど我慢。


焼けたら皿に取り出し、少し焦げ目がつく程度にパンを焼く。

これでベーコンの旨みも移せるし、少しは柔らかくなるはず!


軽くパンを焼いたら、仕上げに目玉焼きを焼く。

もちろん半熟で!

材料全部パンの上に乗せて、さらにパンで閉じれば──


厚切りベーコンのBLTサンド、完成!



「いい匂い……」


匂いに釣られて華蓮が2階から降りてくる。


「おまたせ!食おーぜ!」

「美味しそう~……いただきます」


せーので、サンドにかぶりつく。


「うまっ!」

「野菜が甘い……」

「でもベーコンはもうちょい味濃くても良いよなー」

「でも厚切りは正義だから……」


もぐもぐしながら、感想を言い合う。

パンもまだ少し硬いし、改良の余地ありだな。



腹拵えが終わって後片付けをしながら、この後の予定を話し合う。


「そういえばさ、華蓮のスキル試したことなかったよな?」

「そういえばそうね」

「俺のは便利系だったけど、華蓮もそうなんかな」

「役に立つものだといいけど……」


華蓮はタグを握り、ステータス画面を開く。


「《ステータスオープン》」

「これこれ!《異材精製(アナザーブレンド)》ってやつ」


俺がスキルを指差すと、華蓮がそれをタッチする。

俺の時と同じように、スキル説明が書かれたウィンドウが新たに表示される。

─────────────────

異材精製(アナザーブレンド)

異世界食材を現代食材に変換できる。

但し解析済みの食材のみ使用可能。

─────────────────


「おいおいおいおい、これやばくねーか?」

「解析済みの食材……?」

「あれだ、俺のスキルの《素材解析(マテリアルスキャン)》」

「……でもこれって錬金術関係あるのかしら?」

「うーん……でも錬金術って等価交換っていうしな」

「そうなの?」

「とにかくやってみよーぜ!何がいいかなー」


俺は、ハッと気付く。

買い出しの時に買ったアレ。


「《素材解析(マテリアルスキャン)》!」

────────────────

雑穀/米

日常的な主食として使われる。

────────────────


「やっぱり雑穀は米だ!」

「お米!?」


華蓮の目の色が変わる。


「この雑穀に華蓮のスキルを使えばさ」

「お米になるのよね!早速やりましょ!」

「お、おう」


珍しくテンション高めの華蓮に気圧される。

こいつ、メシ関連だけは行動早いよな……。


「えっと……《異材精製(アナザーブレンド)》!」


スキルを唱えると華蓮の両手が淡い光に包まれ、手のひらサイズの光球がふわりと浮かび上がった。


「おおっ、光の玉が出た!」

「こ、これ、どうすればいいの……!?」

「雑穀に触ってみるとかじゃね?」

「や、やってみる……」


雑穀に触れた瞬間、光球が雑穀に移りそのまま包み込んだ。

そして、光が消える。


「お、終わったのかしら……」

「開けてみるか」


雑穀の袋を開けると──


「米だ!生米だ!!」

「成功したのね……!」

「……なんか疲れてる?」

「ええ……ちょっと体力がなくなった感じがする」


華蓮を見ると、少し息が上がっている。

やっぱりMP問題なんかな。

現状だと、連続して使えるスキルじゃなさそうだなぁ。


「でもおかげで米ゲットだぜー!」

「久しぶりに和食食べたい……!」

「醤油も味噌もまだ手に入れてないんだって!」

「うぅ……」

「でも夕飯は米食おーぜ!肉とか焼いてさ!」

「異議なし……!」



ちなみに夕飯は米料理の予定だったけど、俺たちは結局食べられなかった。


何故かって?


……腹を壊したから。


半熟卵がダメだったんだな、多分。

これも異世界生活の洗礼の一つなのかもしれない。

と思うことにする。

やっぱり日本てすげーんだなぁ……。



次は完全に火を通すぞ、絶対……!

読んで頂きありがとうございます!

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次回更新・2月27日

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