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努力畢生~人生に満足するため努力し、2人で『無敵』に至る~  作者: たちねこ
第一部 乳幼児期 『6歳編』
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コルザ 2

 死の直前が書かれていた。

 気分が悪くなって、元の場所に戻す。

 あたりを見渡す。

 もう、早く出たい。

 しかし、あるものが目に入った。


 黄緑色の『魔素』。


 見えたのは、明かりの漏れる奥にあるもう一つの部屋。

 

 「生存者!?」


 僕は慌てて駆け抜ける。

 死体につまずきそうになる。

 こんな、絶望的な状態で生存者がいるなんて!!

 部屋に入る。


 中は、天井に空いた穴から差し込む日に照らされていた。


 中心。

 日に照らされるように大きな体の『魔族』が、こちらに背を向けて息絶えていた。


 背中しか見えないが、深々と突き刺さった2本の剣が背中から突き出ていた。

 周囲には異常な数の『魔族』と『魔獣』。


 ゆっくりと近づく。

 やがて、大きな体の『魔族』の横までたどり着く。

 膝をついて息絶える『魔族』。

 そんな『魔族』を支えるように剣を突き立てる2人の少年。

 目元まで落ちる前髪。

 色は抜けてしまっている。

 おそらく、体から『魔素』をすべて抜き取られている。

 つまり、この似た顔の2人はすでに息絶えているという事。

 ・・・まさか、この数をたった2人で?

 その事実に驚愕する。

 そんな、2人のすぐ後ろで少女が眠っていた。

 黄緑色の『魔素』は彼女のものだった。

 生存者だ。

 僕は彼女を抱きあげて離れる。


 「・・・大切な妹を」

 「よろしく・・・」


 「「頼むよ」」


 声が聞こえた。

 まさか!?

 振り返る。

 すでに死んでいるはずの少年2人。

 2人がその場から離れた僕を見て微笑んだ。

 そして、崩れ落ち、体の大きな『魔族』の下敷きとなって潰れた。


 「・・・死んでも守り続けたのか」


 僕は2人に敬意を表する。

 人を潰せるほどの重さを持つ『魔族』。

 それをたった2人で支えて、守り続けていたのだ。

 体から、『魔素』を失って死んでいる状態とほぼ同義でもやりきった。

 僕は頷く。

 「お疲れさま。君たちの大切な妹は僕が責任をもって安全な場所に連れて行くよ」

 それだけ言い残してその場を後にし、この子を安全なところまで連れて行く事を決めた。


 外に出ると、大分日が落ち始めていた。

 空は夕暮れの朱色。


 黄緑の髪をした、人形みたいな少女を抱えながら道を進む。

 周囲の警戒は怠らないが・・・おそらくもう『魔族』はいない。

 小高い丘が目に入った。

 大きな木が、この村を見下ろすように立っている。

 まだ、あそこを見ていなかったな・・・。

 少女を抱えながら丘を目指す。

 体力が尽きてしまう前に『魔術』は一度発動をやめてある。

 ふと、青い屋根の家が目に入った。

 たしか、フェリスの家だ。

 恐る恐るぐちゃぐちゃになった玄関から中に入っていく。

 家の中。

 屋根はないが、恐らく居間だった場所だろう。

 首の無い巨体が一つと、同じく首の無い漆黒の死体が4つあった。

 どれも『魔族』のものだろう。

 そこで、腕の中の少女が目を開けた。

 「こ・・・こは?」

 「あぁ、気が付いたかい?僕はセロコルザ・アロサール。フェリスは知っているかな?」

 「ふぇりす・・・さま・・・?」

 様?

 呼び方に違和感を覚えるが今は良い。

 「あぁ。その様子、知っているようだね。僕は彼の従姉だ。助けに来た」

 一瞬だけ彼女の黄緑の瞳が光る。

 「ほんとうですね・・・フェリス様と同じ・・・青いオーラ・・・いえ、その奥にもう一色・・・これは」

 ぶつぶつと何かを言い始める少女。

 オーラ・・・?

 僕は首を傾げる。

 フェリスの知り合いには不思議な子もいるんだな。

 まぁ、多分『魔術』だと思うけど。

 「あ、あの、お兄ちゃんたちは?」

 僕は2人の最後を思い出す。

 返答に困る。

 「・・・そうですのね。やはりあの数では」

 僕の反応で察したのだろう。

 目を潤ませる少女。

 なにか、言葉をかけなければ。


 「僕は、君のお兄さんたちに君を頼まれた。名前を教えてくれ」


 「・・・ラーファガ。『ラーファガ・リーマ・メリソス』です」


 「じゃあ、ラーファガ。僕が君を守ってあげる。だから、安心してくれ」


 努めて優しく言う。

 母も、年下には優しくしろと言っていた。

 去年のサティスとの一件以来、言葉にも気を使っている。

 これで、少しは落ち着いてくれるといいんだけど。

 「・・・」

 呆然と僕を見つめるラーファガ。

 ・・・なにかまずかったかな。

 「どうしたんだい?」

 「い、いえ。ありがとうございます。もう、大丈夫です」

 なんだ?

 やはり、なにかまずかったのだろうか?

 僕は、ラーファガを降ろす。

 「・・・大丈夫かい?」

 僕の確認に頷きで返してくるラーファガ。

 ・・・大丈夫ならいいけど。

 「それじゃあ、ここで待っていてくれ、もう『魔族』はいないと思うから、大丈夫だと思う。ちょっと丘の上を見てくるから、終わったら一緒に『ディナステーア』に行こう」

 「はい」

 僕は見てなかった丘の上を確認するために『転移』で飛んだ。

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