サティス 2
湯が気持ちいいわ。
「あ、ブリッサ背中流してあげる」
星が綺麗ね。
「ありがとう!カリマ!」
もう黙ってられないわ!
泳ぐわ!
「ほっ」
バシャバシャ。
楽しいわねこれ。
「あ!サティス!泳いでないで一緒に洗いましょう!」
ブリッサに呼ばれる。
立ち上がって返事をして2人の元に寄る。
カリマの隣に並んで座る。
わたし、カリマ、ブリッサの順番。
「一列で流し合いましょう!」
ブリッサが白い石を手にとって、両手でこすって、ブクブクと白い何かを発生させる。
「それはなにかしら!?」
良い匂いがする。
なにかしらこの匂い。
あ、そうだわ!
ぶどうの匂い!
「これは『石鹸』よ!このぶくぶくは『泡』!私のお母さんとおばあちゃんが作ったの!最初は羊を食べるのに、木で焼いてたら、偶然使っていた木が『石鹸』になっててたの!」
よく分からないけど、ブリッサのお母様とお婆様が作ったのね?
「その時の石鹸はとっても臭かったんだ・・・だから、『ディナステーア』でのお仕事のお得意さんを当たってみたら、動物の油が原因かもってなって、代わりになるものを探し歩いたんだ!」
ふふっ。
良い顔してるわ!
お母様とお婆様が大好きなのね!
「へぇ、それは私も初めて聞くわ」
カリマも泡を発生させてる。
「良い機会だから、話したくて!」
嬉しそうね!
「それで、続きなんだけど、隣村で『葡萄』から油を作ったりもしてるって情報があったのよ!」
「ぶどうから油?」
不思議ねぇ。
油って、あの、お肉から出てる、美味しい汁よね?
それが、どうしてぶどうから?
「サティスも不思議に思うよね?でも、確かに葡萄から油を作ってる!だから、隣村と協力していい匂いのする『石鹸』を作ったんだ!」
ブリッサは、自慢しているみたいだ。
お母様たちのやったことが、自分のことみたいに嬉しいんだろうな。
「あぁ、だからここに『石鹸』があるのね」
カリマが隣で頷く。
「うん、まぁ、そう言う事なのよ!この『石鹸』は、お母さんたちと、隣村の『油職人』の合作!私も将来手伝うんだ!葡萄の匂いは出来たから、また違った匂いを作ると思う。だから、これからしばらくその手伝いね!あとは、値段を下げられるようにも考えていかなきゃ・・・」
最後の方はちょっと真剣な顔だった。
「ふふっ、値段が下がるのはいいわね。普段から使いたいもの。はぁ、良いわねブリッサは、『剣舞術』以外にもやりたいことがあって・・・私はまだしばらく、お母さんと一緒にお父さんの『麦畑』の手伝いだわ」
カリマがため息をついて言う。
そっか、『剣舞術』を修めたら次は何をするのか考えなきゃならないんだ。
・・・わたし、何も考えてなかったわ。
フェリスはどうするのかしら?
今度聞いてみようかしら?
「やりたいことならあるでしょ?」
「え?」
「デスペハードのお嫁さん」
「なっ!」
あ、カリマ顔真っ赤だわ。
「そ、それは・・・そうだけど、でも、まだ、そんな!」
慌ててる。
「さ、あっち向いて!背中洗ってあげるわ!」
ブリッサはカリマを無理やり私の方を向ける。
「くぅ・・・してやられた気分だわ。はぁ、まったく・・・それじゃあ私はサティスの背中を洗ってあげる、あっち向いて」
私はカリマに言われるがまま、カリマに背中を向ける。
背中にぬるぬるした『泡』を塗られる。
ぬるぬるしていて・・・ふふっ。
「くすぐったいわ!」
「でも、気持ちいいでしょ」
「うん!」
『泡』をごしごしと塗られて心地よさに眠くなってくる。
そう言えば今日は楽しかったわね・・・。
お母様に一撃入れる事が出来て嬉しかったわ。
「あ、さっきの続きなんだけど、そもそもデスペハードとは上手くいってるの?」
次は私が一撃入れてやるわ!
「え?うーん・・・悪くは無いんだけど。よくもない感じ。関係は悪くないんだけど、先に進んでくれないのよ」
フェリスが言ってたわ。
大きな目標を達成するには何個か小さい目標を立てるべきだって。
「あ、わかる~!ベンタロンも、結婚するまでは手出しはしないとかかっこつけちゃってさぁ。私って魅力ないのかしらって不安になるよねぇ」
今回は全員だったから、次は私とフェリスの2人で入れてみせる!
「サティスはどう思っているの?」
「んー?なにがー?」
ブリッサに突然言われて私は困る。
最近、皆好きだのなんだのと言う話ばかりだ。
よくわからない。
「フェリスの事よ!」
言われてフェリスの顔を思い浮かべる。
「え?好きよ?」
思った事をそのまま言うしかない。
「アルコメンバーのみんなと、お話を聞いてくれるお姉ちゃんみたいなソシエゴも好き。コルザやボカとコラソン、もう居ないけれどお父様も好きだし。もちろんお母様達2人も好き。みんなみんな大好きよ!!」
「そういう事じゃないんだけど」
「でも、そう言う所が可愛いのよねぇ」
ブリッサとカリマが後ろから抱き着いてきた。
ぬるぬるとやわやわで気持ちいい。
それに良い匂い。
「な~に~?」
沢山3人で笑いあった。
とっても楽しかった。
好きの違いなんてわからない。
私がみんなを好きな気持ちと、最近2人が話している好きに違いなんてあるの?
フェリスなら知っているのかしら?
セドロとブリランテは、みんなの事を待ちながら酒を飲んでます。
『誰か』と昔話に花を咲かせながら。




