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魂が能力になるVRMMO『アスターソウル』で死んだ幼馴染と再会したらAIだった件  作者:
第四章 雷雨をこえて架かる虹 ~あまねく愛のまぼろし~
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第46話 再会

 佳果たちはうたげのあと、一度ログアウトして睡眠をとった。今日はたまたま全員が休日だったため、改めて昼すぎにラムスで落ち合うことにしたのだ。約束どおりの時刻にログインした彼らは、旅を再開するべく村の出入り口までやって来た。それを住民が、総出で見送る。


「シムル、本当にいいのかよ?」


「ああ。父ちゃんと母ちゃんにも話、つけといたから」


「そうだぜ。佳果くんたちは大切な人を救うために旅をしているんだろ? ならその目的に、うちの息子を役立ててやってくれないか!」


「わたしどもがそうしていただいたように、どうかその方も助けてあげてください。きっと――暗闇のなかで、今も光を待ち続けているはずですから」


「……わかったっす。シムルは俺らが責任をもって守りますんで」


「ありがとう佳果くん! それではよろしくお願いしますね、みなさん」


「ぬはは、しっかりヴェリスちゃんの力になってやれよシムル! こんなぺっぴんさん、油断してっとすぐにとられちまうから気ィつけろよ!」


(……とられる?)


「だぁ父ちゃん! 適当なこと言うんじゃねえよ!」


「ふふっ。何かあればすぐに駆けつけますから! 困ったときは、またわたくし達にご連絡ください」


「お世話になりました。近いうちに、この村で育ちそうな野菜の種とか持ってきますんで、楽しみにしていてください!」


「そん時ゃ俺も、力仕事を手伝いにくるぜ!」


「わたしも、わたしもいろいろがんばる!」


「……ってなわけで、そろそろ出発するから! いってきまーす!」


 そう言ってシムルはそそくさと歩き始める。彼は少しさみしそうな表情をしたが、景気のよい両親の「いってらっしゃい!」を聞いて、不安よりも期待に胸を高鳴らせながら故郷をあとにした。



「ここがアスター城下町……!」


 アラギの次に行けるようになるこの城下町は、アスター城を中心に栄えている非常に大きな拠点だ。ぜひ観光したいところではあるものの、今回はサブリナが出迎えてくれて、このまま城まで行く手はずになっている。


「それにしても、王様に謁見えっけんすることになるなんてね」


「まったくだ。俺、礼儀作法とかてんでわからねぇぞ……」


「はは、佳果どのは自然体で振る舞われたほうが魅力的だと思いますよ」


「そ、そうか?」


「まあ心配すんなよ兄ちゃん。ガキのおれらも招待されてる時点で、そのへんは寛大かんだいに受け入れてくれるはずじゃん? なあヴェリス」


「……わたし、大人だけど?」


「お、おう」


「うふふ。……サブリナさん、今回は勲章くんしょうを頂けるとおっしゃっていましたけれど、本当によろしいのでしょうか」


「もちろんです。ラムスの件が解決できたのは、シムルくんの頑張りがあってこそ。そしてそのシムルくんをお支えになったのは、紛れもなく皆様ですから。陛下へいかも、皆様とお会いできるのをたいへん楽しみにされていましたよ! 特に、佳果どのは丁重にお迎えするようにとの勅令ちょくれいをたまわっています」


「お、俺ぇ? なんかやったっけか……」


 いぶかしがっているうちに、王城の門をくぐる。中は豪華絢爛ごうかけんらんというよりも、おごそかで品格のある内装が目立つ。サブリナはかなり上の立場にいるのだろうか、整列している兵士たちの敬礼に気合が入っていた。

 やがて謁見の間へと続く扉があらわれ、一同は緊張しながらその先へと進む。


「女王陛下。お連れいたしました」


「まあまあ、ありがとうねサブリナ。……今日は遠路はるばる、アスター城へようこそいらっしゃいました。あなた方にお会いできる日を心待ちにしておりましたよ」


「あ……」


「どうしたの阿岸君?」


「あんた、あの時の……!」


「ええ。お久しぶりですねぇ、佳果さん。その節は本当にありがとうございました」


 驚く佳果の見つめる先。

 玉座に座っていたのはフルーカであった。

お読みいただきありがとうございます!

「アイの話の続きは!?」

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