ショック(2段階 技能教習4)
2017年12月1日。技能教習4回目はコース2を走る。この日も指名した訳ではないのだが、担当教官はAさん。
今日は絶対に逆行はしないぞ。
珍しくやる気に満ちた状態で教習開始。
何度もやらかしていた逆行の防止策は予めネットで調べておいた。答えを探す過程で僕が見た中では『とにかく停止時にハンドブレーキ引いとけ』という意見が多かった。あとは『てめえみたいな下手くそは運転すんなks』といった煽りくらいか。
停止時にハンドブレーキを引くというお手軽スタイルを取れば確実に逆行を防げる。そんなことは一応2段階まで進んでいるので言われなくても理解している。僕が知りたかったのは『ハンドブレーキを引かないと逆行する場所』の見分け方。こちらは僕の調べが足りなかったのか『そんなの感覚以外に知る方法ねーよ』という意見しか見つけられなかった。
感覚に頼れってのはこっちも十分理解している。しかし、その感覚に頼って失敗している時はどうすりゃいいんだという答が見つけられない。仕方なく僕は『まだ慣れていない感覚でも確実に逆行場所が分かる手段』を実践することにした(大層な名前を付けたが、自分なんかよりも先に星の数ほどの人が実践してきた筈)。
交通量の少なかったコース1と違い、コース2はそれなりに歩行者も車も多いので、停止する機会も1と比べたら多い。走行する道も平坦っぽい道ばかりなので件の手段を試すにはもってこいのコースだ。
準備は整っている。逆行ポイントや、いつでも来なされ。
教習所を出発してすぐ、平坦に見える道で停止することになったので、早速試してみることにする。
手順は簡単だ。まず停止した後にブレーキを緩める。少しでも後ろに動いたと思ったらブレーキペダルを踏んでハンドブレーキをかける。それだけ。逆行しなかったらまたブレーキを踏めば良い。
実行してみてわかったが、これだけで簡単に逆行を防ぐことができる。とにかくハンドブレーキを引けば確実に逆行を防ぐことができるが、それでは何も考えずに運転しているように思われそうで僕にはできなかった。
斯くして逆行問題を解決し、発進してすぐの加速も慣れてくる。勢い付いた僕は少しばかり運転が楽しく感じ始めていた。そんな時だった。ショックな出来事があったのは。
矢印信号で右折した後、真っ直ぐな道が続いていたので、一気に加速しようとしたところ、反対車線で信号待ちしている長い車の列の間から若い女性が急に飛び出して来て、Aさんに補助ブレーキを踏まれる。
幸い事故にはならなかったが、Aさんに補助ブレーキをかけてもらえなかったらと思うとぞっとした。Aさんは『急な飛び出しだったから仕方ない』と言ってくれたが、その後は人の人生を壊しかけたという恐怖心を拭えないまま教習終了。
こういう時『なにもかも飛び出してきた奴が悪いだけじゃん』と思えないのが僕は損していると思う。帰宅途中もずっと自分が悪いと自分だけを責め続けた。
結局この日のことがショックで、僕は数日教習を休むことになる。




