プロローグ~オレの仲間を紹介するぜ!~
オレの名前はダレン・アラー、勇者である。
今は、世界の宿敵である魔王モハメドと対峙している。
ここまで、長い、長い道程だった…
遠く離れた故郷を旅立ってから、沢山の敵を倒し、幾度となく死線を乗り越え、オレは物凄く強くなった。
毎秒100連激を繰り出す神速の連撃は音を置き去りにしたし、剣を天にかざせば光を纏い、そこから放たれし一撃は敵を一刀両断したあとも止まらずに大地を裂き、ダレン・バレーという伝説の観光スポットになった。
もはやオレの前には、敵は居ないと言えた。
そして、旅を続ける中で導かれるように集まった素敵な仲間たちも、ここで紹介させてほしい。
魔法使いのもがみんは、攻撃魔法のスペシャリストだ。
敵に囲まれた時の範囲魔法はとても便りになるが、魔法を放つ際にスカートが捲れてパンツがみえてしまうのが残念なドジっ子でもある。
その際に毎回決まって、こっちをキッと睨むのが最高に可愛いからたまらない。
雷の魔法を習得してからは、器用に操作しては自分の体をビリビリさせて悦に入ってしまう、ちょっぴりドMえっちでツンツンな危ない少女だ。
姫騎士のカレンは、こと剣技においてオレと双璧をなす使い手だ。
だが、その激しすぎる斬激は、敵を容赦なく切り刻むだけにとどまらず、毎度毎度己の服をいい感じにぼろぼろにしてしまうのだ。
そんな訳あって、戦いのあとはいつも敗北した様な状態になっているのだが、見た目に反してオークなどにも負け知らずな猛者である。
いくらオレが装備を厚手の物に替えろと説得しても、剣戟でビリビリにやぶけてしまう姫ドレスをやめようとはしない。
もはや露出狂が服を着て歩いているといっても過言では無いといった感じだ。
僧侶のシロッカは、オレがドジって死んでも拾い食い3秒ルールぐらいの感覚でホイホイ生き返らせてくれる、回復の要だ。
彼女は幼い頃より神聖魔法を行使できることで注目されていた神童で、本来ならば賢者にもなれる逸材だった。
賢者候補として国から期待されていたシロッカは、同世代と離され、高い志を持って国一番の魔法使い(36歳独身)の門戸を叩いた。
だが、時期が致命的に悪かった。
魔法使い(36)は魔女であると同時に、喪女であった。
女は青春を捨て魔道を極めることに没頭した結果、今の実力と地位を手に入れた。
だが、気がついたときには周囲の皆は結婚、出産としあわせな家庭を築きあげており、このままではダメだわと色々追い詰められていた。
そして魔法使い(36)は、遅れを取り戻すために必死に女性週刊誌ao.aoを読み漁り、いけない特集ページを漏れなくスクラップにし、多角的に研究していた。それはもう必死に。
そんな最中でシロッカは門戸を叩いてしまったのだ。
入門するなりシロッカは、魔法そっちのけでいけない特集ページ研究を命ぜられ、本来の目的とは別の能力である女子力と痴女力を身に付け、俗に染まりきってしまった。
師匠である魔法使いはシロッカが入門してから10年のある日、研究の甲斐あって出会い系パーティーで男を捕まえることに成功。
授かり婚によりあたし絶対に幸せになります宣言をし、魔法使いを引退して専業主婦となった。
その時シロッカは18歳。
魔法が一番成長する時期は12~16歳までと言われており、その期間をいっさい師匠から魔法について教わる事ができず、また本人の情熱もおかしな方向へ進んでしまった結果、賢者への道は閉ざされてしまったのであった。
魔法から世の中の流行りまで、世間の幅広い知識に精通した常識人だが、精通にも精通してしまった少女シロッカ。
戦闘後の回復では真っ先に股間に向かってヒールを飛ばしてくるのは困り者だが、回復の腕は確かだ。
そんな愉快な仲間たちと共に、オレは、数えきれないほどの修羅場を潜り抜けてきたんだ…
そしていよいよ、最後の決戦が近づいていた-
小説初投稿です。ゆるく書いていきますので、よろしかったらお付き合いください。