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見習いとルック

主人公キース



執務室を出て、僕はマリア様と話していた。


「よかったわね。お母様に認められて。」


「はい。緊張しました。」


「私もよ。お母様はね、この屋敷で働く人に妥協しないの。内心気が気でなかったわ。」


まじかよ。

結構危ない橋を渡ってたのか。


コンコン

扉がノックされ、執事長が入ってきた。


「ご挨拶が遅れてしまい申し訳ございません。私はこの屋敷の執事長を任せられております。」


「キースです。よろしくお願いします。」


「では、キースさん。早速ですが見習いのお目付け役を紹介します。ついてきてください。」




—————————

お目付け役ルック



俺の名前はルック、屋敷で働いている。

表向きは従者だが裏では他の従者の素行を調査している。

今日も奥様に報告をしていると、


「ルック、新しく入るキースのお目付け役をして頂戴。「監視」も使っていいわ。」


やったぜ。久々の依頼だ。

しかも「監視」もありとは、相当な人物だ。


「監視」はルックの持つユニークスキルであり、同性の触った相手を第三者視点で監視できると言うスキルである。レベルが高ければ高いほど監視できる時間が長くなる。


そしてルックは執事長に連れられ始めて顔を合わせた。


(3歳の農奴だった割には礼儀をしっかりしすぎだろ。敬語に至っては俺より上か?)


「俺はルックだ。一応お目付役だか分からないことがあれば気軽に聞いてくれ。

敬語もいらない。」


「そう、僕はキースだ。よろしく」




あれから1ヶ月が経つ。もうそろそろでキースの見習い期間が終わる。

俺は「監視」を使ったり、話したりしてこいつの事がなんとなく分かった。


まずこいつは頭が良い。

同じミスはしないし、質問も的確。はっきり言って有能だ。

しかも、話し相手として充分満足できる。この屋敷で働いている人は皆有能だが、無口なやつや変わっている奴が一定数存在している。その中で気軽に接して、冗談まで言い合えるのはかなり楽しい。


しかも手を抜かない。

普通の子供は少し怠けたり、他のことに意識が向くかもしれないが、キースは違う。


そして、「監視」を使っていたが別段おかしいこともなかった。奥様に言われたから、何かあると思っていたがそんなことは無い。自分の部屋の中でもただ寝て起きてを繰り返したり、筋トレをするだけ。

ただ気になるのは3時間半で必ず起きることだ。目覚ましのスキルかと思ったがよく分からない。




「という感じです。」


一応、自分は細かいことも全て奥様に報告した。


「分かったわ。キースには見習いから正式な従者とするわ。」


奥様の顔には安堵の表情が浮かんでいた。




—————————

辺境伯夫人テレシア



「良かったわ」


思わず呟いてしまった。

ルックのスキルである「監視」は非常に有用だ。そのため、キースが自分の個室で変なことを企む可能性があるため、ルックをつけた。

マリアのことを思ってしたことだけど、3歳の子供を疑うのは少し罪悪感があった。


「3時間半で必ず起きるって何かしら?」


おそらくルックも一応報告だけをした感じだが、テレシアの頭から離れない。


(目覚ましのスキルかしら?

いや魔力枯渇による気絶?確かあれは5時間だったはず、それに精神が安定していない子供がしたら壊れてしまうわ。でもあの大人びた雰囲気に「精神耐性Lv.7」、魔力の量を考えたら可能性として充分考えられる…)


「まぁ、今のところ問題ないわね。」


思考の渦を断ち切り、テレシアは仕事に没頭し始めた。

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