魔大陸!?
主人公 キース
急に笑い出した二人を不気味に思いながら、もう一度質問する。
「……あのー、ここってどこですか?」
僕が恐る恐る聞くと、彼らは「すまない」と謝りつつ、こう答えた。
「ようこそ。魔大陸、人類生息圏最前線地域へ。歓迎するよ。」
彼らの芝居がかった口調に、僕の脳は理解を拒んだ。
魔大陸……
僕は天を仰ぐ。
――薄々気づいていた。
1年以上進んでも終わらない森。
異常な強さの魔物。
極めつけは、あのダンジョン。
僕は無意識のうちに考えないようにしていた。
でも、こうもハッキリと言われたら――認めるしかない。
――僕たちは魔大陸に飛ばされたんだ、と。
その後、僕たちは自分たちの境遇について話した。
戦闘中に転移させられたこと。
途中でオークさんと出会ったこと――
少しぼかしながら説明する。
オークさんはハルカさんがここに来ていないかと尋ねた。
「なるほど。すごい冒険をしてきたんだなぁ。それに比べて俺たちときたら……」
彼らはため息を吐き、少し気を取り直したように続ける。
「まあ、俺たちのことはどうでもいい。君たちのおかげで、これで3日間は話の種に困らない。」
彼らは笑いながら、真剣な表情でこう言った。
「そのハルカさんって人はわからないな。ここに来たという報告はない。
……で、君たちはこれからどうするつもりなんだ?」
「えーと、一応、中央大陸に戻る予定なんですけど……」
オークさんと決めていたことを話す。
領都メイヘンに行って、あの後のことを確かめるつもりだ。
僕の言葉に、彼らは急に真面目な顔になった。
「いくら持ってる?」
「金銭が10枚ですね。」
彼らは、ばつの悪そうな顔をする。
「……100万エーンか。全然足りんな。」
「え?」
「まず、魔大陸から直接中央大陸へ行くことはできない。行くとしても、多種族大陸経由になる。その場合、多種族大陸への移動費が1億エーン。さらに多種族大陸から中央大陸への移動費が1億エーン。
つまり、合計2億エーンってわけだ。」
――二人合わせて4億エーン……
僕たちは、開いた口が塞がらなかった。
魔大陸 人類生息圏最前線地域 とある守衛
変な二人組が遠ざかっていく。
俺らの会話についてくる子どもと……普通に喋るオーク。奇妙な組み合わせだ。
だから俺は念のために聞く。
「一応、上には報告する?」
「いや、別にいいだろ。
そんなことより……あのオーク、長靴履いてたぜ。
子どもの方は履いてないのに。」
うわ……よく見てなかった。めっちゃ気になる。
「他には? なんかないの?」
俺たちは報告などすっかり忘れて、
あの二人組の話で盛り上がるのだった。
とある守衛たち
年収:1000万エーン
勤務形態:2ヶ月勤務 → 2ヶ月休み の繰り返し
労働中の待遇:
衣食住完備(守衛専用の寮あり)
日用品も支給(石鹸や着替え、嗜好品まで)
休暇中の生活費は自腹(ただし十分な蓄えが可能)
外せない魔道具を常時装着
体調の異常や危険が迫ったときに自動で信号を発信
外そうとすると激痛が走る
応募資格
魔大陸出身者であること
徹底した身辺調査をクリアすること(犯罪歴など)
離職率:80%
40%:あまりの暇さに耐えきれず辞職
40%:殉職(原因不明の失踪・魔物の襲撃・謎の自殺など)
世間の評価
冒険者にはなぜか不人気




