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ドラゴンと不思議な図鑑  作者: 龍果実
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第95話 トンネルと空腹

アルバドレイクの忠告を聞きトンネル前までたどり着いた

ソライト一向、あとはトンネルを抜けるだけ…

起きたらミニバンの車内だった。

顔を合わせると一人一人が不思議そうに睨めっこをする。

夢であったよな?とお互いに確認を取ると中身まで一緒で

流石にもう疑いようがない。


「朝ごはん…といいたいところだけど

実はもう食料が切れちゃっただよう」

「どうしよう…食べられそうな虫もいそうにないし…

こうなったら水辺まで寄り道しちゃう?」

「…流石にやめておこう

これ以上危険な目に遭うのはアルバドレイクからしても

想定外だろうし、何より今度こそ助からない」


空腹を紛らわせるものは付近にないが

森の出口こそもうほぼ目の前にあった。

途中、木々はどんよりしたものから若さ感じる明るい物に

代わっていった。中にはリンゴやナツミツが実っている木があり、採取して丸齧りにして栄養補給を行なった。


「まさかこんな都合よく実ってるなんてね!」

「助かっただ〜、けどここから先のトンネルの中では…」

「わかってるって!

 車出してやるから一気に駆け抜けようぜ!」


土の道がアスファルトに変わるとやがてどこかの道路が出てきた。目の前にはトンネル、付近には地蔵堂と速度制限の看板が立っている。


「このトンネルね…なんか不気味だわ」

「行くしかないだよ」

ソライトが図鑑からバイクを2台と全員分のヘルメットを出す。


「あら?さっきは剣を一本出すだけで限界だったのに…」

「魔力切れなんじゃないかな、疲れてたでしょ?」

「まー…うん。よし!とりあえず走り出すか!」


ヘレスはビギニメールをバイクに変形させて全機発進させた。


トンネルの中は妙に寒く、灯りが少ない。

タイヤがスリップすることは無いが、

そこいら中水たまりだらけだ。

およそ60キロで走行しているが1時間経っても出口は見えない。一体どこまで続いているのだろう。


走っている最中、誰かのお腹が鳴る。

魔力で人が2人乗れるバイクを出したソライトだった。

やはり出すものが便利で強力無比な物になると

エネルギーの消費も激しくなるようだ。


「あ〜…食べるなって言われると食べたくなるよな〜」

「気持ちはわかるけど絶対やめてよね。

 というか持ってないでしょ…」

ポケットの中には実は緊急時の食料として実はナツミツを

ひっそりと仕込んでいた。


「(ダメだ…わかっている、

 こんなところで食えねえ…けど…!)」

ソライトのお腹はどんどん空腹感を増していく。

ナツミツがそのぷるんっとした綺麗な蒼い輝きを煌めかせているように見えてしまう。


「(トンネルの中で洗脳でもされているのか…?

食べたくて食べたくて仕方がない…!)」

苦しみもがくような感覚にふらつきが生じる。

しかしこんなところで食べるわけにはいかない…!

何が起こるか知れた物じゃない。


レオファングは横目で気づいた、

気合いや根性では解決できない

重要な問題であり、どうやっても乗り切れそうにない。

こんな時どうすれば。


「…そうだ!ソライト、お腹空いてない?」

「え!?…まあ、うん(というか限界なんだよ)」

「このトンネルでは物を食べてはいけない

 ルールだったよね…でもさ、一つだけ食べて良いものが あるんじゃないかなーって」

「なに!?」

「妄想だよ」


流石にきょとん、と目を丸くするソライト。

「は?」

「だから、

 妄想で何か料理を思い出してそれを食べるんだよ

 僕たち今まで沢山色んなモンスターなんかを

 料理してきたじゃん」

「…言われてみれば」


妄想は物ではない、ルールに反する事はないだろう。


恐竜の肉で作った肉煮込みや原材料調達で作った

即席ケーキ。今まで色々な物を食べてきた。

それを思い浮かべていくとそれすら本物に見えてくる。


「よし、本物だと思って食ってみるか…!」

側から見ればかなり異常な光景だが、

効果があったみたいだ。

空腹感は次第に擬似的に満腹感に変わっていった。


やがてトンネルの出口が見えると

そのまま一気に駆け抜けた。

閲覧いただきありがとうございます!

妄想を食べる、実はこれ私の経験談です。


ホントですよ?信じてくださいな!

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