第29話 「トイレの個室」
ソライト
「……調理場もあんな感じだからさ、
トイレはもっと酷いのかと思ったらよ…」
トイレは何故か新品の様に綺麗なのである。
本当に誰も使っていないかのような雰囲気で
羽虫はおろか臭いすらたっていない。
レオファング
「これ…メモが置いてある…」
「すみません、紙を持って3番目の個室に
持って来てください…だって。」
だが側にあったトイレットペーパーは
赤色と青色をしている。どちらを持って行こうか。
ソライト
「なんでも良いんじゃねえの?」
レオファング
「触った感じ何も無さそうだし、いいか。」
青い紙を持って個室のドアを開けた。
???
「おい、ノックぐらいしろや。」
ソライト
「え?」
ボカン!!!ボカン!!!
…数分後
ソライト
「………ハッ!?今何が。」
レオファング
「いったったった…
頭の後ろがまだズキズキいっているよ…」
目の前には一個持っていたはずの紙が戻っている状態で
備わっていた。
ソライト
「そういやノックぐらいしなくちゃな…」
そういうと今度は赤い紙を持って個室のドアをノックした。
???
「紙を持って来てくれたのですか?」
ソライト
「そうだけどー?」
???
「今…開けマスネ…」
レオファング
「…ソライト!危ない!」
ドアが開いたと思うと、数百の手が一斉に赤い紙を求めて鷲掴みに襲いかかって来た。
紙を掴んだ後は扉を勢いよく閉めてまた静まり返った。
ソライト
「………おっかな…」
レオファング
「なんなんだよ…もう…」
他の個室もこんな感じのドッキリが続いた。
紳士用トイレの個室は8つあったが、一つは掃除用具置き場で
返事どころかトラップすら無い。
紳士用トイレの側にある婦人用トイレにも向かう。
何か無いか探したが結局同じ赤い紙と青い紙の備え付けがあっただけだった。
しかし側にはなぜか現代でのみ見覚えのある物が雑に置かれている。
ソライト
「何これ?蓋が開く…なんなんだ?」
ソライトが拾ったのは携帯電話だ。
着信音が鳴る。ソライトは開いて電話に出た。
???
「助けて…助けて…」
ソライト
「え…?」
助けて…という音と雨音だけがする。
すると電話は途切れてメールが届いた。
有耶無耶にボタンを押してメールを開くと
そこにはびっしり
「タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ
タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ
タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ」
の文字が。
ソライト
「だから!何処にいるんだっての!」
すると停電した。
レオファング
「動かないで!お互いの秘宝に触れておくよ!」
ソライト
「おうよ!…つーかこの剣、ほのかに暖かい…?」
???
「赤ーい紙が欲しいのかい…?
青ーい紙が欲しいのかい…?」
レオファング
「白い紙が欲しいです。
赤い紙には血が、青い紙には涙がついてる」
ソライト
「え…!?今なんて…」
???
「白い紙なんてありゃしない
贅沢言うな、どちらか選べ」
レオファング
「白い紙をください」
???
「おのれ…融通の効かない子だね…
もう一度聞くぞ。赤い紙か青い紙か。」
レオファング
「何度でも言いましょう
白い紙をください。」
???
「この…聞かず坊があああ!!!」
電気が付くと天井を這いずり回る音が響きだし、
勢いよく落ちて来るアンデット。
脚が8本の大百足で体は猛獣、
右腕には赤い包帯と左腕に青い包帯。
そしてその顔は歪にも老婆の姿だった。
閲覧いただきありがとうございます♪
あっつ!天ぷらはサクサクの時に食いたいのに…
設定集のコーナー
「トイレについて」
さて、この物語の時代背景のモデルはおよそ4世紀で
年代的には10世紀辺り…つまり「アーサー王の家系による
統治がまだ続いているイギリスの大地」がモチーフの
説明といったところでしょうか。
そしてなにより史実ではそんな時代に現代のような
トイレ事情があるのか?となりますがこの物語では
もう存在しています。ちゃんとペーパーもありますよ。
いやー、流石に昔のトイレ事情はちょっと…書けない!
ではこの辺で。




