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全力疾走!!村のピンチを救え

更新が遅くなり申し訳ありません。

本日より、復帰させていただきます。

今後ともよろしくお願いいたします。

俺は、アイギスと共に村を救うため城の中を走っていた。

しかし、向かっている先は城の入り口ではなく、魔王部屋の地下通路でもなかった。


「これは、どこへ向かってるんだ?魔王部屋の通路でもなさそうだし…」


走りながら問いかけると、足を止めることなくアイギスは問いに答える。


「あそこは特殊な方法でないと通れないのです。あなたが通れた理由はわかりません。それより…、馬に乗ったことはありますか?」


「まさか、馬に乗っていくのか!?」


問いに問いを返すことになったが、どうやら予想は正しいようだ。

アイギスは静かに頷き進行方向へ向きなおした。

いや、現代人で馬乗るなんてまずないだろう…。


「安心してください。大人しい子たちですから」


そう言って着いた場所は入り口とは正反対の裏口のような小さな扉だった。

扉を開けた先は馬小屋だろうか…


「…これ、馬??」


扉の先には公園ぐらいの広さの空間を柵で覆っただけの簡易な作りの庭

そこに3頭。確かにシルエットは馬だが…。


真っ黒の体に炎のように揺らぐたてがみ。

レーザーのように真赤に光る瞳。

燃え盛る炎を纏った4本の脚。


まさしく、地獄の馬と言わんばかりだ。

その炎は、自分の魔法と同じ色で蒼く燃えている。

少し親近感がわく。


「さぁ乗ってください。」


そう言ってアイギスはもう馬に乗っている。

たてがみは炎のように見えたが、燃えたり熱くはならないようだ。


俺も目の前にいる馬に目を向ける。

その眼は、俺に標準を合わせたように真っすぐに向けられる。

しかし、不思議と怖いとは思わなかった。


すると、頭を下げて顔を近づけてきた。

俺は、特に意味もなくたてがみを撫でる。

やはり、熱さは感じず体温の温もりが感じられた。


「急いでください!間に合わなくなります。」


俺はアイギスの声で我に返り、馬の横へ移動する。

馬の背中には鞍が付いていてそれっぽい動きで足をかけ力を入れてまたがる。

馬の上に乗ることは出来たが思ったよりバランスを取るのが難しい。


しかし、アイギスは慣れるまでは待ってくれない。


「行きますよ!はっ!」


アイギスは力強く手綱を取り柵の外へと出て行った。

俺も真似をして手綱を引く

その直後、馬は前足を上げて高鳴りを上げる。


「!!うぉおと!」


俺はギリギリでバランスを取り態勢を立て直す。

そして、足を下す勢いと共に駆け出した。


「よし!頼んだぞ!」


そして、アイギスの背中を追う形で村へと向かった。

前回は地下通路からだったから方向が全く分からない。

アイギスの馬を見失ったら終わりだな。


「…なっなんだ!?」


アイギスを追いかけて森を駆け抜けていると、少し先に大きな魔法陣を確認する。

前を走るアイギスの馬は一直線に魔法陣へ走り続け止まる気配はない。


「このままじゃ、魔法陣にぶつかるぞ!」


俺は、大声でアイギスに注意を呼び掛けるが反応はない。

聞こえていないのだろう。

無理もない。こんなスピードで馬に乗りながら俺の声は聞こえないだろう。


「・・・ッ!?」


すると、アイギスは吸い込まれるように馬と共に魔法陣の中へと消えていった。

俺も仕方なく目を閉じ覚悟を決めて魔法陣へ突っ込む。

包み込まれるような感覚は魔王部屋の地下通路に似ていた。


「…あれ?ここは?」


目を開けると、太陽の光が差し込む見渡す限りの草原だった。

そして、少し先に村のようなものが見える。


アイギスの馬はは何事もなかったように前を走っていて俺の馬も問題なく後を付いて行っていた。

そして、村に近づくにつれ形がハッキリしてくる。

…ラコー村だ!


そうか!あの魔法陣も転送魔法のようなものか

村はもうすぐだ!


俺は手綱を握る手をさらに強くして馬を走らせる。

それに応えるように速度を上げた気がした。


村に到着するといつもとは違い裏の方だった。

しかし、裏とは言え村が静かすぎる…。襲われているんじゃなかったのか?


「…ありがとな!」


俺は、馬に一声かけて降りる。

アイギスは中に入っていくので後を付いていく。


「・・・なっ!!」


村の中は酷い有様で家のほとんどは全壊だった。

煙もチリも上がらず襲われてから時間がたっていたのだろう。

しかし、怪物らしい影はなくシフェルたちの姿もない。


「にっ兄ちゃん!!」


声に反応して辺りを見回すと良く遊んでいた男の子が走ってきた。

服はボロボロ。元気な顔を忘れたような悲しそうな表情。

それを見るだけでも惨劇が想像できた。


「無事だったのか!」


俺は走ってきた少年を抱きしめようと手を広げたが反応は別だった。

男の子の小さな拳が俺の腹を殴る。そして呟く


「…どうして」


「…え?」


俺が聞き返すと俺の顔をキッと睨み、訴えかけるように続けた。


「どうして、もっと早く来てくれなかったんだよ!」


「・・・ッ!」


睨む顔は涙をこらえていて勢いに負けそうになった、

俺は、ここで良い言葉を言えるほど大人ではなかった。

しばらくの沈黙。不甲斐ない…。


「君は強いのですね」


俺が言葉を失っているとアイギスが覗き込むように少年に話しかけた。


「え?」


「君は村のみんなのために戦っているのですね。かっこいいですよ」


そう言って少年に微笑みかける表情は女神の如く。裏表のない言葉は心に響く。

睨んでいた少年も頬を赤らめ照れながら強がっている。


「そっそうさ!俺は兄ちゃんよりも強いんだ!」


そう言って少年は、睨むとは違う強い決意の眼差しを俺に向けた

そこでアイギスがさらに続ける。


「では、あちらの女性を守ってあげてください。村人を守るのは強い人の仕事でしょう?」


そう言って指をさした先には木の影で辛そうに座り込む村の女性がいた。

少年は、大きくうなずくと女性の方へ向かい声をかけていた。


「すごいな…。あの子の表情がアイギスの一言で一気に変わったな」


「大したことはしていませんよ?あの子が強いのです。それに…あなたもすごいと思いますよ?あんなに頼られていたなんて」


そう言って少年に向けた笑顔と同じものを俺へも向ける。

正面で見た女神の微笑みは直視できず顔を背けた。

そして、こういう場合の行動は…。


「そっそれより!村の様子はどうなんだ?」


「…私の治癒魔法で手の届く方たちは治せます。しかし、村の奥ではどうなっているのか…。」


「わかった。村の奥は俺が見てくる。この村は良く知ってる。」


「では、頼みます。…気を付けて」


俺は小さく頷くと村の奥へと走っていった。

この村はコの字型で入り口以外は囲むように家が隣接している。

そして、家の裏が畑になっている。


俺たちが入ってきた裏口は言わば路地裏。

それほど村人はいなかった。

俺の記憶では、大きな村ではないにしろ、まだ数十人はいるはずだ。


「なっ…!?」


路地を抜けた先では悲惨な光景が広がっていた。

入り口から順に家屋は崩壊し、瓦礫の山が立ち並ぶ

しかし、不思議なほどに人の気配はなく死体もなかった。


「誰かいないのか?」


俺は、周りを見渡しながら声を上げる。

しかし、返答はない。本当に誰もいないのだろうか…。

試しに家の瓦礫を動かしてみるが人の影もない。


「ん?これは、足跡…?」


瓦礫の周りには足跡というには大きすぎる、くぼみが多くみられた。

目でたどると巨人が歩いたように入り口までくぼみが続いていた。

俺は、一歩ずつ追っていく。くぼみはさらに外へと続く…


「嘘…だろ?」


外を出て、まず目に飛び込んだのは豊かな風景の見る影もない樹木のなぎ倒された森だった。樹木は大きな何かが通ったように一直線になぎ倒されていた。


「どんな怪物がこんなことできるんだよ…。」


俺はひとまず元の場所に戻りアイギスに現状を報告することにした。

路地裏に戻ると、さっきの少年は食料を持って走り回り、アイギスは村人の傷口に魔法の光を当てていた。


「…アイギス。村のみんなは?」


俺は声をかけながら周りを見渡し少し村人の人数が増えていることに気が付いた。

散らばっていたのを連れてきたのだろう。それでも全体の半分もいない…。


「中の様子はどうでしたか?申し訳ありませんが、私は手を離せそうにはありません。」


「村の中には人はいなかった。それより…」


俺は見た光景を簡潔に説明した。

もちろんアイギスは手が離せず魔法を使いながら聞いていた。


「…やはり、そうでしたか。私も村人から話を聞きました。詳しくはそちらの方が」


そう言って視線を向けた先には気にもたれかかるように座り込む男性だった。

片手で肩を押さえて辛そうだ。


「あの…」


俺が話しかけるとゆっくりと顔を上げ俺の目をジッと見る。

しかし、力がなくなったようにすぐに下を向いてしまった。

俺は、話を聞こうと目線を合わせて座る。


「君は、畑のじいさんのところにいた子だな」


「はい。おじいさんたちの姿も見えなくて…。何があったんですか?」


質問に答えたくないのか、男性は黙ってしまった。

しかし、少しの沈黙の後で口を開いた。


「…この村を襲ったのは見たこともない怪物だった。いきなり森の中から現れてこの村をめちゃくちゃに荒らした。そして、壊すだけ壊して、気が済んだように帰っていったんだ。」


「…じゃあ、他のみんなは怪物に!?」


「いや、それは少し違う。怪物はなぜか家や畑を荒らすだけで人は誰も襲ってなかった。ここにいる俺たちは、その流れ弾で負傷したようなものだ」


「じゃあ何で、人がこんなに少ないんだ?」


「それは…」


男性はうつむき答えにくそうに口を閉じた。

何か事情がありそうだが無理に聞くのも…


「領主がみんなを連れて行ったんじゃ」


後ろから聞き覚えのある老婆の声が聞こえた。

振り返ると杖を突いてゆっくりと近づく村長だった。


「今なんて?」


「…あなたたちの仲間が来るより前、怪物が去ってすぐに来たのが、領主の騎士たち」


「まさか!またあいつらが?」


俺の頭にすぐ浮かんだのが、軍服の嫌味な男。あいつが絡んでいる?

村長は、問いに答えるように小さく頷き話を続けた。


「そして、元気な村人たちは保護をすると言って城下へ連れていかれた。そして、私たちの治療をすると言って数人の兵士を残して連れていってしまった…」


俺は、残った兵士に見覚えがなく辺りを見渡す。

しかし、どこを見ても苦しむ村人。騎士の姿などどこにもない。

それを見て男性がもう一度、口を開いた。


「探しても無駄だ。やつらは俺たちを置いて帰っちまった。俺たちは…、騙されたんだ!」


男性は悔しそうに唇を噛み、地面をたたく。

そこに、治療中だったアイギスが男性の方へ駆け寄る。

押さえていた肩に魔法の光を当て、治療を行う。そして、口を開いた。


「…その話が本当であれば連れていかれた村人たちも心配です。すぐに確認に行きましょう」


アイギスは振り返って俺を見る。その目は決意の眼差しで俺を奮い立たせる。

もちろん、俺も村人たちが心配だ。


俺も、決意の眼差しを返して頷く。

すると、男性が重い腰を持ち上げて立ち上がる。


「どうか、村人たちを連れ戻してくれ!俺は、何もできずに見ているだけだった。俺は…」


おれは、倒れそうになる身体を支えて肩を貸す。

ゆっくりと木陰に下し座らせる。不甲斐ない自分が悔しいと言わんばかりに涙を流す。


「…その悔しさ、俺が預かります。騙したやつらをぶっ飛ばして元の元気な村に戻しますよ!」


「あぁ…。頼んだぞ!村の事は…」


「村の事は僕に任せてよ!」


後ろから元気な声で叫んだのは村の子供だった。

全力の笑顔は無邪気で、しかし決意を感じる。

おれは、子供の方へ振り返り笑顔を返す。


「よし!村は頼んだぞ?」


「うん!兄ちゃんも皆を連れて帰ってきてね!」


「おう!任せとけ!」


そして、アイギスと共に城を目指して馬を走らせる。

この速さなら時間はかからないだろう。何を企んでいるか知らないが、あいつは必ず、ぶっ飛ばす!

最後まで、読んでいただきありがとうございます。

今日から再開し、更新のペースも速めていきますのでよろしくお願いいたします。

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