第4話 異世界でお風呂を作ろう
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*ときに主よ、風呂はどうしてるんだ?
*顔きたねえ
*ちんp洗ってるのか?
「近くの川で時々水浴び程度だなあ」
今、リスナーと雑談枠で話してる。
風呂に入ってないことを指摘されて、ちょっと恥ずかしい気持ちだな。
しかし、この世界には風呂ってもんがない。
もっとも、現実世界にいたころも1週間に一回くらいしか風呂に入ってなかったしなあ・・・
*異世界といえば内政系はテンプレ
*お、いいね ないなら作ってしまえ
*エルフたんとの混浴きぼんぬ
「そうだな、自分で作ってみるか!」
*そうだな、やってみる価値はあるなw
*ちょっと待ってろ 露天風呂の作り方ぐぐってみる
*お前最近行動力でてきたなww
とまあ、そんなこんなで風呂づくりをすることを決めたわけでして。
まずは、風呂桶を作る。
鍛冶屋に頼んで、人間一人くらいが余裕で入れる銅製の桶を作ってもらいに行く。
次に木材職人に、銅製の桶と同サイズの床板を作ってもらう。
まあ、この二つがそろえば、風呂はほぼ完成だな。風呂を沸かすのはルチアかメルちゃんに魔法で頼めばいいしね。
あとは風呂場を囲えば完成って感じだね。
「へー お風呂っていうのね。確かに暖かいお湯に浸かるのは気持ちいいかもしれないわね」
「そちは本当にわらわの知らないことをよく知っておるのう。見上げたものじゃ」
ルチアさんとメルちゃんも乗り気だったようで、手伝ってくれるようだ。
ちょうど今、荷車に材料を乗せて、町のはずれの川沿いに向かっている。
二人ともご機嫌な模様。
「これで、香水なんてつけなくても清潔な匂いになるからね。女の子は、石鹸がほのかに匂ってるくらいがいいもんなんだぜ」
「確かに、あんたにしてはまともなことを言うじゃない」
「この町の香水はろくなものがないからのう。ならいっそ石鹸の匂いのほうがましかもしれんのう」
そうこうしているうちに目的地にたどり着いた。
俺たちは、さっそく風呂づくりを開始した。
「あたしは、戦闘担当なんのよ。あんたがんばりなさい」
「高貴なわらわが土民くずれの仕事ができるか。そちに任すぞ」
結局、俺一人で作るのかよ!
くっそー!
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
なんとか完成した。
見事な露天風呂の完成だ。
「あとはルチアさん、魔法で薪に炎をかけてください」
「あいよ、任せなさい!」
ボッ
薪に火がともった。
あとは風呂桶の水が沸くのを待つだけだ。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「それではお風呂が沸きました!」
「お、いいわねえ」
「早う、入らせてもらいたいものじゃ」
ルチアさんもメルちゃんもご機嫌な様子。
まずは、俺が手本を示さなきゃね。
「入り方としては、まずこの床底を風呂桶の底に敷く。初めは熱いから、水を足していって、ちょうどよい温度になったら入る!」
「説明はもう十分じゃ。わらわに一番乗りさせてくれたまえ」
「じゃあメルちゃん、私たちで一緒に入らないかしら?」
「うむ、苦しゅうないぞ」
というわけで、女二人が先に入ることとなった。
ふふふ、これこそ天祐!
この時を待っていた!
囲いの中に入っていく二人を確認して、俺はネコ生を起動させた。
「えー無事、異世界初のお風呂が完成しました!今、ルチアさんとメルちゃんがお風呂に入ってる最中かと思われます!」
*うおおおおおおおおおお!
*エルフたんのおぱいwww
*メルたそのお尻 はぁはぁ
*児ポで通報しま
*メルちゃんは合法ロリだぞw
この上なく、ネコ生のリスナーのボルテージも上がってる。
やってやる。
絶対に成し遂げてみる!
囲いの裏のほうから、そーっと覗いてみる。
湯煙でよく見えないな。
もうちょろっと、アングルを変えて接近。
キターーーーーーーーーーーーーーーーー!
・・・
あれ。
ルチアさんとメルちゃん、服着てるし。
なんで???
なんか二人とも顔怖いんですけど・・・
*作戦失敗か?
*メーデーメーデー!
*亡骸は拾ってやる
*エルフたんの怖い顔もいいね
*メルたそ はぁはぁ
「あんたのやりそうなことくらい、わからないわけないじゃない!」
「そちの性根も見下げたもんじゃ。悔い改めよ」
「もう二度としませんから、許してください!」
とりあえず、ボコボコにされた。
容赦なく魔法攻撃もあったよ・・・
こうして、俺たちのお風呂初日は終わった。