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【4000view感謝】恋愛ゲームの世界なのに私は攻略対象キャラじゃないので情報屋になろうと思います  作者: フユめん


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3年生の始まり

 春休みも終わり、新学年を迎えて、今日から3年生。後藤ケンジロウは高校を卒業してプロ格闘家になり、妹のマヤちゃんは2年生になった。

 さて、本題の桜子ちゃん。主人公が春休みを捧げて好感度を稼いだ成果は、悲しい事に33%。友達よりは上だけど、親友と言えるほど高くもない。当然、恋人には届かない。

 春休みだけで10%くらい上げたんだから、残り一年間でイケるでしょ、と思うのは楽観的な観測だ。

 ここまでは、ある種のサービス。

『ずっと塩対応だと、プレイヤーがしんどいよなぁ』と思った開発者の気遣いによって上がった分で、ヒロイン攻略はようやくここから。みたいな状況だと思う。

 私の経験則と、当時のプロデューサー、現TONAMie社長の宮田茂太郎氏の制作理念からすると、そうなってるはず。

 宮田P(当時)は、入り口は広く、出口は狭くが信条。クリアだけなら簡単、やり込むと手強い。その手強い部分が桜子ちゃん。

 というわけで、何かしらの策を講じなきゃならない、私が。

 朝倉くん、チョロイン2人と仲良くなった成功体験があるから、桜子ちゃんも同じ方法でイケると思ってそうなんだよなぁり

 だから、私がなんとかしなきゃならないんだけど、具体的にどうすればいいかと言うと………なんにも出てこない。

 私は今まで、桜子ちゃんのステータスを見て、朝倉くんにアレコレアドバイスしてきて、その上でこの現状がある訳で。

 私に出来る事は、これ以上あるのかどうか、そのレベルだと思う。

「佐伯さん、ちょっといいかな」

 おや、朝倉くんから話しかけてくるとは珍しい。

 意外と、攻略に危機感を持ってたりするのかな。でも、相談されても出せる情報はほとんど無いぞ。

「あいあい、なんの御用でございましょう」

 聞かなくても分かるけど、一応聞く。出せる情報は無くても、一応聞く。

「いやぁ……、なんていうかその……」

 なんか、朝倉くんの様子がおかしい。いつもの、ギャルゲー主人公然とした朗らかな雰囲気じゃなくて、妙に歯切れが悪い。

「今度の日曜日、暇だったりする?」

「はい、空いておりますよ」

 あれ、桜子ちゃんの攻略情報が欲しいんじゃないの? 日曜日に暇か聞くって事は、私とどこか行きたいって事かな。

 あ、そこで攻略の計画立てようって話?

「一緒に映画館とか……どうかな、なんて」

 一瞬デートのお誘いか!? と焦ったけど、ヒロインでもない相手に、そういう行動はしないだろう。

 この世界は多分、そういう風に出来ているはず。

 じゃあなんのためかと考えたら、桜子ちゃん攻略のための下見。そこに情報屋を連れていきたいって事なんだろう。

 いや待てよ。『実は攻略対象なのでは!?』と考えて、情報屋にやたらアタックするプレイヤーも居たりするんだよな。もしそういう目的だったら、無駄にターン消費させてしまう。

 攻略出来ない相手に執心した末路は、誰とも結ばれないバッドエンド。流石に今から、それはならないと思うけど、時間を無駄にさせるのは良くない。

「デートの下見ですか? それでしたら、ご一緒しますよ」

「う……うん、そうそう。お願い出来るかな」

 ああ、そっちでよかった。ヒロイン攻略のためなら、いくらでも協力させてもらいますよ。

 攻略の糸口は、朝倉くんの行動にあるかもしれないし、見ておいて損は無いはず。

 あっ、マヤちゃん。そんな恨めしそうな目で見ないで。

 ヒロインのお誘いを断っといて、主人公にはホイホイついてくとか、私も良くないと思うけども。

 エンディングが終わり次第、必ず埋め合わせするからね、今は許して。

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