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【4000view感謝】恋愛ゲームの世界なのに私は攻略対象キャラじゃないので情報屋になろうと思います  作者: フユめん


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狙え一点突破

 マヤちゃんのお茶会に呼ばれてから、桜子ちゃんの好感度は、少しずつだけど上がるようになった。

 とはいえ、上がったと言ってもようやく30%を越えたくらい。

 エンディングまでに間に合うのか? 正直、間に合わない気がする。

 だって、もう春休みに入るのよ? ラスト一年で、ここから告白圏内まで持っていくのは、結構難しいように思える。

 このみちゃんみたいなチョロインならいざ知らず、好感度の上がりにくい桜子ちゃんが、そんなホイホイ落ちるとは思えない。というか落ちない。それで落とせるなら、鉄壁要塞なんて呼ばれてない。 

「桜子さん、またお茶会に来ない? 次はもっとも〜っと美味しい紅茶を淹れてあげるわ」

「そうね、また行かせてもらうわ」

 マヤちゃんとの関係は良好だけど、朝倉くんとの関係は進まない。これは、またやらかしちゃったやつかも?

 私また、ヒロインとヒロインをくっつけちゃいました?

「翔太さんも、来てくれますよね?」

「うん、時間があったら、もちろん行くよ」

 うーむ、朝倉くんは朝倉くんで、きちんと交流はしてるけど、割と受け身なんだよなぁ。

 最近、情報屋を頼ってこないのも、ちょっとアレ。

 いや、分かるよ? ゲームも終盤になったタイミングだと、ヒロイン攻略が忙してくて、情報屋でターン消費はしたくなくなる物だけどね?

 でも、桜子ちゃんを落とせるとしたら、今のタイミングでゴリ押しを始めるしかないと、私のプレイ経験が言っている。

「佳奈さんも、来てくれるよね?」

 マヤちゃんは、私が来ると信じてる顔を向けてくる。

 朝倉くんと桜子ちゃんの交流を優先させたいけど、私が居ると、桜子ちゃんが話す相手が分散してしまう。

 うぅ、マヤちゃんの表情を見ると、断るのは心苦しいけど、桜子ちゃんの好感度アップの為、心を鬼にして断らなければならない。

「いえ、今回は遠慮させて頂きます。野暮用がございまして」

 マヤちゃんの顔が、露骨に曇る。

 ゴメンよマヤちゃん。この世界で私がしゃしゃり出るのは、色々と不味いんだよー。

 マヤちゃんにはさやかちゃんが居るから、私の事は忘れて、青春を謳歌しておくれ。

「そうですか……、いつでも待ってるから、予定が合えば、いつでも来てね」

 うぐぐ………、罪悪感が凄い。俯いてさみしそうに言われたら、断るこちらの罪悪感ヤバい。

 遊んで欲しそうにやってきたワンコに、塩対応をするくらい、罪悪感がヤバい。

 ミキちゃんという犬系女子の対応で慣れてたはずなのに、別タイプの犬系女子からは別タイプのダメージを食らう、うぐぐ……。

「ええ、都合が付けば、必ずお邪魔させていただきますね」

「約束ですよ、ぜったいですからね」

 ゴメンよマヤちゃん、本当にゴメンよ。

 都合が付くのは、下手したら卒業後、エンディングイベントが終わった後。ヒロインの行く末が決まった後かも。

 それまで、どうか耐えておくれ。マヤちゃんの心も、私の心も。

********

 他ヒロインちゃんとの交流を絶ってまで、桜子ちゃんの好感度をなんとかしようとしてるんだから、朝倉くんには受け身で居てもらっては困る。

 というか、私も受け身では居られない。

 ここは一つ、私からイベントを起こそう。

 情報屋は友人を兼任してる事も多いキャラクター、今の私は、朝倉くんの友人と言っても過言ではないし、私から話しかけたなら、ターン消費もせずに済むかも。

「朝倉くん、最近どうですか?」

「どうって……何が?」

 相変わらず、ギャルゲー主人公の癖に鈍いな。いや、主人公だからこそか。鈍く無かったら、もう彼氏彼女の関係を作ってるもの。

「嫌ですねぇ。私が聞いてきたのなら、女の子との事に決まってるじゃあございませんか」

「みんな仲良くしてくれるし、特に変わりは無いと思うけど………」

 変わりは無い。ですか、ヒロインが2人攻略対象から外れて、更に2人が危うい状況なんだけどな。

 相手のステータスが見られない朝倉くんからすると、変わらないように見えるかも……いや、変わって見えろよ、マヤちゃんの様子なんて、一目で分かるじゃん、本当にこの鈍感系は。

 何はともあれ、桜子ちゃんにアタックするように仕向けないと。あと一年ちょいしかないんだから。

「初めて私とお話した時の事、覚えていますか? 藤原さんの事、まだ諦めてはおりませんか?」

「忘れる訳が無いし、諦めてないけど……」

「それならば、今こそ狙い目。せっかくマヤさんのおかげで、警戒心が解けたのですから、どんどんアプローチをかけるべきです」

「そ……そうなの? てことは………」

「はい、今ならその目があるという事です。勿論、いくらかのデリカシーは持って頂かないとですが」

 多分、これで朝倉くんの行動が、少しは変わるかな。デリカシーを持って、と言っておいたから、やりすぎて引かれる事は無い……と信じたい。

 朝倉くんにとっては、二年越しの好機だから、押さえが効かないかもしれない。

 もしそうなったら、桜子ちゃんに心の中で謝っておこう。とはいえ、私は忠告したからね。朝倉くんが暴走したら、本人のせいであって、情報屋のせいじゃないからね?

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