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【4000view感謝】恋愛ゲームの世界なのに私は攻略対象キャラじゃないので情報屋になろうと思います  作者: フユめん


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鎮めよ突風、去れよ嵐

「__という訳なんだけど!」

「は……、はぁ…………」

 教室にさやかちゃんが入ってきて、今度は両手で私の机をバン! と叩き、勢いよく捲し立ててきた。

 成り行きで、朝倉くんとデートする事になっちゃったから、衣装を見繕ってほしい。……要約すれば、それだけの話だったのだけど、さやかちゃんが焦りすぎていて、話がゴチャゴチャしすぎた結果、説明に5分くらいかかった。

 真っ赤な顔で迫ってきた時は、また怒ってる、今度こそ鉄拳制裁が来ると思ったけど、まさかのデートの相談だった。

 この前は、恋する乙女にも達していない様子たったのに、なんか色々ブチ抜いて、後はプロポーズするだけみたいな顔をしてる。

 いや、あなたの好感度数値、まだ38%ですからね? 数値的には、チョット気になる男子が居る、くらいの数値ですからね? 

「お願い、佐伯さん! 佐伯さんしか、頼れる人が居ないの!」

 そんな剣幕で、言う事でも無いと思うし、私以外にも頼れる人は居ると思う。というか、朝倉くん本人が居ないにしても、衆人環視の教室で、大っぴらに言わないで欲しい。

 このまま放っておいたら、畳の上でも無いのに、空手家の所作で床に両手を突きかねない。さっさと承諾して、落ち着いてもらおう。

「わ……分かりました、私で良ければ、お手伝いさせていただきます。ですので、少し落ち着いていただいてですね……」

「………あ……ごめん、取り乱してた………」

 さやかちゃんは、私の言葉で少し冷静さを取り戻したらしく、周囲に視線を巡らすと、恥ずかしそうに頭を掻いた。

「明後日の日曜日、10時に駅前集合でいい?」

 さやかちゃんは、周りの視線に耐えかねたのか、さっさと約束を取り付けて、この場を離れたいらしい。

「え、あ……、ああ、はい。それで大丈夫です」

「よろしくね、それじゃ!」

 さやかちゃんは、そそくさと教室を去っていった。

 この前は、ブルドーザーが何もかもを薙ぎ倒して行ったイメージだったけど、今日はスーパーカーが盛大にスリップして、三回転くらいしてから音速で消えたようなイメージだ。

 クラッシュする前に、収められて良かった。あの勢いのまま、朝倉くんに告白したら、何が起こるか分かったもんじゃない。

 私はデートの時の服装なんて、ちっとも分からないけど、出来る限り手助けを___

(出来なくない?)

 下校途中の桜子ちゃんが消えた場所から考えて、描画範囲は学校から300メートルくらいのはず。

 さやかちゃんが指定した駅前、清桜駅は学校から500メートルくらいだから、駅前は描画範囲外……のはず。

 という事は、駅前で待ち合わせとなると、さやかちゃんは描画範囲外で消えてしまい、会えないのでは?

 会えなかったら会えなかったで、後で私から謝罪という事になるだろうが、心配なのが、その後に起こるであろう、朝倉くんとのデートイベントである。

 さやかちゃんも、私に相談してくるほどだから、私服のチョイスに自信が無いんだろう。

 自信の無い服でのデートじゃ、素直に楽しめないかもしれない。そうなったら、さやかちゃんの恋が育たなくなるかもしれないし、何よりかわいそうだ。

 自分が幸せになれないのなら、ヒロインを幸せにしてあげる。それこそ、情報屋がやるべき事……なのかな? 主人公の朝倉くんをほっといて、ヒロインと絡むのは違う気がしないでもない。

 あ、そうだ。

 ヒロインと言えば、文芸部の小鳥遊このみちゃん。

 あの娘も正直、化粧っ気が無い方だとは思うけど、私とさやかちゃんよりは、ファッションに詳しいような気がする。

 それに、このみちゃんもヒロインだから、さやかちゃん私と会えなくても、このみちゃんとは会えるかもしれない。

 よし、このみちゃんにも着いてきてもらおう。

 少し遠回りだけも、推しの朝倉くんのためになる事だから、きっとこのみちゃんも快く引き受けてくれるはず。

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