幼馴染はファッションメンヘラ
『メンヘラ女子がモテる理由』
『メンヘラ彼女の特徴はこれ!』
『メンヘラな彼女がほしい男性が急増中』
「ふむふむ、なるほど...」
ぶつぶつと呟きながらネットサーフィンの波を乗りこなすこの部屋の主は、更なる情報を追い求めて取り憑かれたようにスマホをスクロールする。
氷砂糖 恋衣。
大学3年生、好きな食べ物はドーナツ。特にオールドファッションが大好き、ぽろぽろこぼしちゃうのはご愛敬。
「ほうほう...あー、そういうことね」
完全に理解した顔をした恋衣は、うす暗い部屋の窓際に近づき、可愛らしいデザインのカーテンを一気に開けた。まばゆい朝日が恋衣の部屋に差し込み、大きく伸びをする恋衣の姿を明るく照らす。
「よーし、これで完璧!さて、そろそろ準備しなきゃ」
元気よくつぶやいた恋衣は、つい先日届いたばかりの洋服をクローゼットから引っ張り出す。
黒を基調として白や淡いピンクの差し色のコーデ。ゴシック調のワンピースからオーバーサイズのパーカーまで、狭いシングルベッドの上に所狭しと並べられる。
これらは恋衣が格安の海外サイトを通じて、少ないお小遣いで揃えたそれっぽい洋服たち。
「んー、一発目はどうしようかな?」
推理小説張りの腕組みをしながら、静かに並ぶ洋服たちに視線を向ける。
「やはり定番のワンピースか...」
THEメンヘラ感が漂う黒のワンピース。白いフリルとリボンで幼女感が前面に押し出されている。恋衣はそのワンピースを手に取りながら、隣の可愛らしいピンクのブラウスに目移りする。
「あ、こっちもかわいい。ピンクもいいなぁ」
落ち着いたピンクを基調としたブラウス、首元には大きな黒いリボンがあしらわれている。黒いスカートと合わせれば、これも定番のメンヘラファッションである。
ベッドの隅の方には、シルバーの装飾が付いたチョーカーやぬいぐるみ型のショルダーバッグなど、小物類もしっかり揃えられている。
「あぁ、迷っちゃうなぁ。トータの好み、聞いとけばよかった」
自分の身体を抱きしめながら、踊るようにステップを踏む恋衣。舞い上がったホコリが、窓から差し込む朝日にキラキラと輝いていた。
気負わず書きます、好きなモノを




