第39話 友達の距離感
「お姉様、絢星さんがたい焼きを買ってくれてるので一緒に食べませんか?」
「絢星くんも優しいところあるじゃーん。あ、ここのたい焼き屋さん、絢星くん知ってたんだ。」
「いえ、私が食べたかったので案内しました。」
「ああ、希空がなんだね。まぁ希空ここのたい焼き好きだもんね。」
そんな会話がテーブルの方から聞こえてきて目が覚める。そして体を少し動かしテーブルの方を見る。
テーブルでは希空と海音さんが笑いあってたい焼きを食べている。
「希空さ、絢星くんのことだいぶ気に入ってるよね。」
「そうでしょうか…。友達ってこれくらいの距離感じゃないんですか?」
「同性同士だとそんな感じだけど、異性だとあんまりない距離感だね。まぁ陸斗が最初心配してたのも少し分かるよ。」
「…私と絢星さん、そんなに距離感おかしいですか?」
「兄妹みたいに見える感じの距離感だからね〜。あ、もしかして陸斗、そこに嫉妬してたんじゃ…。」
んな事ねぇと思うけど、俺と希空のどこが兄妹に見えてんのか聞きてぇな。俺も距離感このくらいだと思ってたし。
「まぁ、2人きりとか私の前ではいいけど、学校とかでは気をつけてた方がいいと思うよー。」
「そうですか、なら今後は気をつけますね。」
まぁ俺も少しは気をつけるか。てか風呂入んねぇとなぁ。明日休みだし1日くらい良いか…?いや、風呂は毎日入れって姉さんと母さん行ってくるしちゃんと入るか。
「あ、てかもう9時だよ。希空そろそろ寝た方がいいんじゃない?」
「ん…、そうですね。いつもならもう寝てる時間ですし、歯磨きして寝ます。」
「そうだね、じゃあ歯磨きしに行こー!」
そう言い洗面所に向かう2人をソファから見送る。てか、寝る場所、どうしてやろうか。父さんと母さんの部屋勝手に使うのは流石にダメだしな。
…俺がリビングのソファで寝て、俺の部屋で寝てもらえばいいか。俺の部屋のベッドは2人くらいならギリギリ入るだろうし。
「とりあえず起きるか。」
寝ていた体を起こす。そしてテーブルの方へと足を運ぶ。
「たい焼き、買いすぎたか?」
テーブルにはたい焼きが入っていた紙袋があり、その中にはまだ2個のたい焼きが入っていた。
「あ、絢星くん起きたんだ。」
「まぁな、時間遅くなる前に風呂だけ入りたいし。あと海音さんと希空は俺の部屋使っていいから。」
「絢星くんはどこで寝るつもり?」
「ソファで寝る気だけど、疲れた時部屋まで行くのだるいから寝慣れてるし。」
「そっか、じゃあ甘えさせてもらって絢星くんの部屋で寝させてもらうね〜。そのたい焼きは絢星くん食べるかなって思って残しておいたんだけど、食べる?」
「それなら食べるかな。」
「じゃ私は先に部屋行ってるから希空に言っといて〜。」
海音さんを見送り、俺は椅子に座り紙袋からたい焼きを取り出し食べる。俺が食べていれば、洗面所から歯磨きを終えたであろう希空が出てくる。
「絢星さん、起きましたか?」
「起きてたい焼き食べてるところ。海音さんなら俺の部屋行ってるから。希空も俺の部屋使って寝てくれ。」
「お姉様、先に行ったんですか。…私も眠いですし、行きますね。おやすみなさい。」
「おう、おやすみ。」
希空は目を擦りながら階段を登っていく。
…コケないよな?まぁ大丈夫か。俺もさっさと寝たいし、風呂入るか。




