第27話 希空と同じこと言うんだね
「なんで父さんの名前知ってんだ。」
「なんでだろうねー。というより、質問に答えてよ。」
どこで知った、俺が寝てる間に漁られたか?いや、一ノ瀬家なら調べあげることくらいできるとは思うが…、どっちだ?
「言わねぇ、言う必要がねぇだろ。」
「そっか、ところで遥さんはリハビリ大変そう?」
「だからなんで名前知ってんだよ…。」
「お姉さんの名前も知ってるよ〜。」
「こっわ。」
ほんとに怖い、知られて困ることは無いけどなんで知ってるかだけは聞きたい。
「答えなー、絢星君のところについてはある程度分かってるつもりだからー。」
「まぁ、別に答えてもいい。」
「お、じゃあ質問しなおすね。昴さんのことは嫌いなのー?」
「別に嫌いじゃねぇな。ただ、帰ってこないのには苛立ってる。」
「へー、帰ってきてないんだ。」
…それを知らないってことは一ノ瀬家として調べたって訳では無さそうだな。
「どうやって知ったか言えよ。」
「普通に名前見ちゃったから、机の上の写真、整理した方がいいよ?」
あぁ、これか。
俺が7歳とかの頃の写真、裏には母さんが全員の名前と年齢を書いている。
「この時の絢星くん、かわいいね。」
「うるせぇ、7歳とかなら全員こんなもんだろ。」
「どうかな、私はこんなんじゃなかったけど。」
この写真は後で直しとくか。俺が前に整理した時に放置したままにしてただけだろうし。
「絢星くんさ、笑わないよね。」
「笑ってるつもりだけど。」
「そっか、希空と同じこと言うんだね。」
希空と同じこと…、確かにちゃんと笑ってるところは見たことないかもな。若干笑ったか怪しい部分は見たことあるけど。
「希空も笑わないのか?」
「うーん、最近はそんなかな、昔なら笑ってた。私の前だと笑いそうな顔はするんだけど笑いはしてないね〜。特に陸斗の前じゃ絶対笑わないね。」
「そうか。」
「絢星くんなら、希空のことちゃんと笑わせられるんじゃないかな。頑張ってね〜。」
俺には無理だろうな。
希空を笑わせるのは海音さんで無理なら俺じゃ絶対無理だろ。
「今絶対無理って考えたでしょ。」
「よくわかったな。」
「まぁね。けど私なら絢星くんに希空のこと任せられるって確信してるから。」
「子供の面倒を見る気はないっすよ。」
「子供の面倒って、面倒見るようなことないんだからさー、そういう意味じゃないよ。」
じゃあなんなんだろうな。
「希空の初めての友達としてちゃんと頑張ってってこと。」
「は、はぁ。俺は希空の友達ではいるつもりだけど…。」
「それなら安心だね。」
ガチャ
「ほら、希空も起きてきたみたいだよ。」




