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第25話 頑張らないと

 「で、絢星くんは何が好きなの?」


 「食べられたらなんでもいいと言われると思いますよ。」


 「えー、じゃー生姜焼きとかニンニクたっぷり使ったスタミナ丼でいいかな〜?」


 「お姉様、絢星さんは病人ですよ?」


 「わかってるってー。」


 「早く買い物行ってきたらどうですか…、ちなみに何作ろうとしてます?」


 「え、パスタとかでいいかなって。」


 パスタなら、まだ食べられるのかな…。

 看病なんてしたことないからわかんない…。


 「それでいいんじゃないですか?」


 「希空もそう思うー?じゃあ買い出し行ってくるねー。希空は絢星くんの事見てるんだよ?」


 「分かりました。」


 「じゃ、いってきまーす。」


 「はい、行ってらっしゃいませ。」


 ガチャ


 お姉様と話してると疲れるな…。

 そういう所が好きなんだけどね…。

 絢星さんの所、行こうかな。


 「いえ、やめときましょう、体調を悪化させる訳には行きませんし。」


 けど、することないな…。

 いつも自分の部屋で本を読んでいるだけだし…。

 

 「やっぱり、少しくらいならいいですよね…。」



 

 コツ、コツ、コツ


 ガチャ


 寝てる…。


 「すー……はぁ……。」


 少し、辛そうに見える…。

 そんな絢星さんのベッドの近くにはバケツに入ったお水と、タオルが2枚あった。


 「お姉様、いつの間に侵入したんでしょうか…。」


 でも、ありがたいですね。

 私じゃここまでお水を持って来れなかったでしょうし…。


 「タオルをお水に浸からせればいいんですよね。」


 ちゃぷん


 ある程度お水に浸ったタオルを持ち上げて絞る。

 けど…。


 「上手く…、絞れないですね…。」


 私、タオルも絞れないくらい力弱いんだ…。

 けど、頑張らないと。


 「えい…しょ…。」


 完璧に絞れたって訳じゃないけど、これくらいなら大丈夫だよね。

 そして、絢星さんのおでこに絞ったタオルを置く。


 「これで、少しは楽になるでしょうか。」


 頑張ったから、楽になってるといいな。

 そして私は絢星さんの手を取る。


 「熱い…ですね…。」


 私の手は冷たいですし、掴んでれば冷えるかな。

 …一息ついたら、眠くなってきた…。

 昨日も仕事してたから、そんなに寝れてないし…。


 「ちょっとなら寝てもいっか。」


 そして私は絢星さんの手を取ったまま眠りにつく。


 


 ガチャ


 「ただいまー!」


 シーン


 「誰もいないの〜?希空どこ行ったのかな。いや、行く場所なんて絢星くんの部屋くらいしかないか。」


 コツ、コツ、コツ


 ガチャ


 「すー……はぁ……。」


 「すぅ……すぅ……。」


 「…あはは、希空って他人にここまで懐くんだ。なんか意外だなー。けど、こんなんなら絢星くんは信頼出来るでしょ。じゃ、私はお昼ご飯の準備しとこうかなー。」


 ガチャ


 「すー……はぁ……。」


 「すぅ……、ん……すぅ……。」

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