20
「あ!」
「マリアンヌ嬢、どうかしたのか?忘れ物か?」
「いえ、今朝ブランデーが出たので1本くらい辺境伯様にと思ったんですけど。
持ってくるの忘れてしまいました。
そのことを今思い出して。ははっ」
「今度でいいのではないか?急ぐものでもないのだろう」
「そうですよね。オーディンさん辺境伯様の所に行くことがあればついでに持って行って貰えますか?」
「ああ、承ろう。」
「オーディンさんってお酒飲みますか?オーディンさんも1本入ります?」
「いいのか?い、いや…もらう訳には」
「沢山出ますから、大丈夫ですよ。1本どうぞ。」
「すまない。気をつかわせたな…。」
「いつも気を使ってくれているのはオーディンさんですよ。
感謝の気持ちです。」
「オーディンさん、お酒好きなの?」
「好きなのー?」
「ああ、好きなんだ。」
「お姉ちゃんとどっちが好き?」
「好き?」
「ゴホッゴホッ! 比べられるものではないだろう」
「そーなのー?どっちも好き?」
「好きー?」
「そ、そうだな…。」
最後の返事だけすごく小さな声で答えた
すると、キキが寄ってきて
「大きな声じゃないと、きこえないでしょ」
と小声で突っ込んだのだった
「参ったな。」
どーしたらいいのかわからなくなったオーディンだけが遠い目をしたのだった。
マリアンヌの家に戻ると
紙袋にブランデーを1本ずつ包むマリアンヌ。
忘れてしまわないように準備していた。
そのビンを見てオーディンが
「見たことのない酒だな。」
「ブランデーっていうお酒です。こちらには無いですか?」
「ブランデー?何からできているのだ?」
「確か葡萄からだったはずですよ。ワインを蒸留してアルコール度数を上げていってるんじゃなかったかな?すみません。詳しくなくて」
「ワインを熟成させているのか?」
「熟成ではなく、蒸留なんです。
えーっと確かですよ。白ワインを作って発酵させたんだったかな。
その液体を密閉容器で熱して出てきた蒸気を集めて冷やすとアルコール度数が高いものができる
この密閉から熱して蒸気を集めて冷やすことを蒸留って言ったんだと記憶してます。
こうして作って樽に入れて寝かせるんです、温度とか湿度を保ってで熟成させたものが
これです。」
「そんな高価な物。貰えない。」
「作り方はそうですけど、私の畑からは勝手に出ますよ。」
「え?これ出たのか?」
「はい。今朝出ました。いま30本ほど持ってます」
「これは、嬉しい。ありがとう大切に飲ませて貰おう。」
「アルコール度数高いので、ストレートなら少しずつ。
氷割、水割り、炭酸割なんかで飲んだ方がいいかと。
味みて試してくださいね。」
「ああ、ありがとう」
すごく優しそうな笑顔に思わず見とれてしまった。マリアンヌだった。
明日の準備をひたすらした。
冷凍庫も付いた冷蔵庫なのでパン生地を練りまくり保存
スポンジケーキもどんどん焼いてクーラーで冷ます。
冷えたら冷蔵庫へいれる。
そして、忘れていたハンバーグをトレイから生み出す
出来たハンバーグは3人に食べて貰い
自家製のハンバーグの種を仕込む
大きなボウルにタップリ作った。
それから、マリアンヌは外に出かけると3人に告げ
商人ギルドへ
「おお、マリアンヌじゃねーか?どーした?」
「お皿と紙類、あと持ち帰りようの箱作りたいの。どこがおすすめ?」
「そんな用事をギルマスの俺に聞くのはマリアンヌ。お前くらいだぞ」
「ギルマスおすすめの方が問題になりにくいでしょ。これあげるから、ね」
「おお!なんだこれー!酒か?すげー綺麗なビンじゃねーか
高そうだな!」
「出所は秘密よ。売ると消えるから自分で飲んでね。」
「ったりめーだ。誰にもやらねー。皿ならここの店だ。
既製品の紙はここ、箱か?持ち帰りなら使い捨て、紙…だよな。紙の珍しい作りものなら
そうだな…ここがいいな。」
マリアンヌが出した地図に指を指す。
「アルコール度数高いから少しずつか、割ってね。
ギルマスの紹介で来ましたったいうからね~。」
「おお、これ持ってきてくれるならいくらでも名前使ってくれていいぞ~」
「ふふふっありがとう。では、お邪魔しました~。」
「早速飲んじゃお。コルクか、おし。」
ワイン用のコルク抜きを手に、少しブランデーを飲むギルマス
「くぁー、いい!これは美味い!マリアンヌもっと持ってきてくれねーかな。」
ルンルンで歩くマリアンヌ。
次々と商談をまとめていくのだった。
3件目
持ち帰りの箱だ
「このような、箱を作ってもらいたいのです。
そこそこの強度、少しの間なら水をはじく感じで」
「フムフム、形はこれでいいのですね?」
紙に絵をかいて持ってきたのだ。
「とりあえずはこの形でこのくらいと、このくらい2種類の大きさを希望します。
あとは、そのうちこっちの形も作ってもらうことになります。」
「これは…横から。大きなものを崩さず運べるのですね。」
「ええ、こっちには中にこのピッタリサイズの浅い箱を入れます。」
「これには何を?」
「ケーキです。持ち帰りように作りたくて。
お店に来た人だけじゃなくって。自宅でも家族みんなで仲良く食べて欲しいんです。
うちのお店広さが無いので、家族でわいわいって形は難しいんですよ。」
「ケーキ…もしかして、ベルきっさてんのマリアンヌ様ですか?」
「ええ、ベル喫茶店を営んでおりますマリアンヌと申します。」
最初の自己紹介でマリアンヌですと言ったのだ。店名はあえて言わなかった。
だからこそ、ギルマスの紹介で伺いましたが効いてくるのだ。
「これは絶対に完成させなければなりませんね!」
「大量生産で安価にの部分を頑張って欲しいのです!使い捨ての箱になります
箱の価格が上がると商品も値上げしなければなりません。
ケーキは大きなものは値段が上がります。どうか!お願いします。
あ、発案などの商品登録はそちらに譲渡しますので」
「いいのですか!これだけで財産築けますよ!」
「いえ、材料とか全然わかりませんし
箱が使えればこちらは嬉しいので」
「2週間…いえ、とりあえず1週間時間をください!」
「いえ、急ぎませんよ。まだ、持ち帰りの商品そこまで用意できないので
ショーケースも作らないといけませんし。」
「なるほど、では試作品が出来次第お持ちしますね!」
「ありがとうございます。料金は?」
「いえ、品物ができて開発者登録を済ませ動き出せば絶対もうかりますので!」
「でしたら、紙袋のサイズを変えた物もっと作ってもいいと思いますよ。
パン屋さんなら、箱より袋の方が使い勝手がいいですから。
あと、さっきの最初の箱の細長い物を商品に合わせて作ってもいいと思います。」
「それは、どのように?」
箱の絵のしたに、細長いサンドイッチの絵と蓋付きの箱とドーナツ型の丸い絵を書き足す
「こっちの丸い物はこうやって立てて沢山入れると便利です。
サンドイッチならこのような蓋をひっかける箱をつければ細長いサンドイッチを入れるのに便利ですし。
四角で作れば普通のサンドイッチを寝かせて入れられます。
お弁当として使うのも便利ですよね。持ち帰り流行りますよ。
お店で買って外で食べるとか」
マリアンヌの思い付きを片っ端からメモする製作所のセウスさん
「マリアンヌ様との会話は閃きの塊ですね。
ぜひ、今後とも何か必要な物が思いつかれましたらこちらへおいで下さい!」
「ありがとうございます。では、試作品楽しみにしてます。
よろしくお願いします。」
こうして、家路を急ぐマリアンヌだった。




