閑話 〜野菜泥棒?〜
私は影
スチュアート様に仕える者
故に名乗ることはできない
最近はマリアンヌ嬢の店の護衛をこっそり任されている。
しかも、本人が困らない限り手を出すななどと
スチュアート様も無理を言うのだ
気になるじゃないか
彼女はとても鈍感で畑にあんな麻袋がぶら下がっているのに
誰かがそれを採って盗んで行っても気付かないのだ!
あーイライラする!
それはマリアンヌ嬢のスキルから生まれているのだ勝手に採っていっちゃダメだろー!
私のいつも冷静なはずの心が掻き乱される
平常心平常心。
さて、この後も一応報告が必要だから
あの、泥棒のあとを追うか。
ふむふむ、裏通りで転売か
「さあ、いらっしゃい!いらっしゃい!」
袋から次々と野菜や粉を出す泥棒
地面の布に置いた途端。
シュッと消失
置いても置いても消えるのだ。
マリアンヌ嬢のスキル、やるではないか
ふっふっふっ
結局意地になって素早く取り出す泥棒は何も売ることは出来ずに項垂れたのだった。
うん?獣人かボロボロだな。
袋ごと?これからマリアンヌが収穫に来るのに
これはダメだ。
店が開けなくなるではないか
このあと獣人兄妹はマリアンヌのお店の手伝いになったのだった…
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別の日また、泥棒が出た
今度は女か、随分ボロボロだ。
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
女はそう言うと麻袋の中からりんごだけ取り出すと逃げていった
後をつけて見ると
「た、ただいま」
「おかえり。りんごは買えたかい?」
「ばあちゃん、起きちゃダメだよ
大丈夫、買えたよ」
「おやおや、美味しそうなりんごだこと」
「今切るから待ってね。」
「ありがとう。世話かけるね」
「ほら、食べよう?すりおろしたほうがいい?」
「おや、美味しいりんごだこと。このままでいいよ。さあ、ココットも沢山お食べ」
「うん。」
その後、その女は何度かりんごを盗みに来ていた
何度目かの泥棒の時、おばちゃんにりんごをすりおろしてジュースを作ろうとした。その時だけりんごは消失してしまったのだった。
消失が起きたあとその女がりんごを盗りにくることは無くなったのだった。
影は思った
マリアンヌは困っていない。
転売しようとすれば消える。
きっとメニューになる物を作ろうとしても消失するんだ。
ならば本人が困るまで何もするまいと…
獣人兄妹の時だけは、つい手を出してしまったが
このまま影として見守ろう。
ちなみに、私の名前は影ではない!




