フランス映画を話そうよ(4)女性の不倫はあたりまえ
国民性のジョークがあります。
奥さんと不倫相手の、浮気現場を発見すると
アメリカ人は銃を持って浮気した二人を脅すか射殺。
フランス人は浮気を許し、3人でプレイしようとする。
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妻の浮気は恋の都パリでは日常茶飯事。
あたりまえの遊び。
映画「恋の手ほどき(1958)」で
そんな時に旦那は、どうすべきか?
パリジャン(老紳士)が教えてくれる。
相手はテニスなどのスポーツの教師が多い。
まず密会現場に踏み込み、妻を驚かせて、
「さよなら」と言って黙って立ち去ることだ。
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妻の不倫で印象のある映画は
パトリス・ルコント監督の「タンゴ(1992)」
一途に妻を愛していたセスナ機乗りの男は、
妻の浮気を知って飛行機で追いつめて相手の男を殺してしまう。
そして妻も得意の曲芸飛行で空から放り出して葬ってしまう。
機上で、結婚記念日の薔薇の花束と共に安全ベルトを切る。
ルコント作品は、
「仕立て屋の恋」「髪結いの亭主」
「イヴォンヌの香り」などが印象的です。
特徴は90分台に凝縮して、男と女を、するどく切りますね。
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突然炎のごとく(1962)
前述の「人のセックスを笑うな(2008)」
や「サンセット大通り(1950)」と同じように、
妻を愛するがゆえに、恋多き妻を受け入れて、父親になってしまう。
映画は好色妻の半生、
欲望に応じて対応する夫
芸術家岡本太郎の母と同じ、
妻の愛人と同居しても問題のない夫。
作品のモデルは、妻はマリー・ローランサン、
夫はユダヤ系ドイツ人作家フランツ・ヘッセル。
妻は何名も愛人がいるが、
夫は自分の友人が一番安心だと、
同居を条件に友人との結婚と子作りを応援する。
原作がいいので、
トリュフォー作品でも上位に位置しますね。
妻の発作的行動は、一種の精神病だと思います。
監督は
「欲望に応じて修正される男と女のモラルをえがく」と言っています。