出版トラブル 【「Amazonで出版したら、大手出版社から出せなくなる」】
出版トラブル 【「Amazonで出版したら、大手出版社から出せなくなる」】
こんな話を聞いたことがある。
「Amazonで自分で出版したら、もう大手出版社からは出版できませんよ」
本を出したい人にとっては、かなり怖い言葉だ。
せっかく書いた本をAmazonで出してしまったら、将来、大手出版社から声がかからなくなる。
そう思ってしまう。
しかし、本当にそうなのだろうか。
結論から言えば、
「Amazonでセルフ出版したら、大手出版社から出版できなくなる」
という一般的なルールはない。
AmazonのKDPでは、著者自身が権利を持っている作品を、自分で出版することができる。
では、なぜこんな話が出てくるのか。
ここには一つ、重要な問題がある。
「Amazonで出版した経験があること」
と、
「同じ本を、まだ出版していない新刊として大手出版社から出すこと」
は別の話なのだ。
例えば、
自分の小説をAmazonで出版した。
その後、その同じ小説を大手出版社に持ち込んだ。
この場合、出版社が、
「すでにAmazonで出版された作品なので、新刊としては扱いにくい」
と判断する可能性はある。
しかし、
AmazonでAという作品を出版した。
その後、Bという新作を書いた。
Bを大手出版社に持ち込む。
これは別の話だ。
つまり、
「Amazonで一冊出したら、今後一切、大手出版社から出版できない」
という話とは違う。
むしろ注意しなければならないのは、
「Amazonで出版すると不利になりますよ」
と言われたときだ。
本当に不利になるのか。
どの出版社のルールなのか。
どの作品が対象なのか。
契約書に書いてあるのか。
それとも、営業担当者から口頭で言われただけなのか。
ここを確認する必要がある。
出版を考えている人にとって、
「Amazonで自分で出版する」
という選択肢は、今では普通に存在する。
だから、
「Amazonで出したら、もう大手出版社から出せません」
という言葉を聞いたら、
すぐに信じるのではなく、
「それは、どこに書いてありますか?」
と聞いてみる。
出版の世界には、
夢を与える言葉もあれば、
不安を与える言葉もある。
そして、不安を与えて、
「だから、今ここで契約したほうがいい」
という話につながるのであれば、
なおさら慎重になる必要がある。
出版で大切なのは、
「誰かが言ったから」
ではない。
契約書と事実を確認すること。
自分の作品の出版権を、自分自身がどう管理するのか。
そこを知っておくことだ。
「Amazonで出版したら、もう大手出版社から出せない」
――この言葉。
本当に事実なのか。
それとも、著者を引き止めるための言葉なのか。
出版を考える人なら、一度は考えておきたい問題である。




