出版トラブル 第3話 「出版費用200万円」
【B大手出版社をめぐる出版トラブル 第3話】
「出版費用200万円」
さて、この200万円。
いったい何に使われるのだろうか?
ここが、共同出版・自費出版を考えるうえで、非常に重要なポイントになる。
当時、ある出版社に対して「共同出版・自費出版の被害をなくす会」が公開質問を行っている。
質問は単純だった。
「著者が支払う制作費の内訳を明らかにしてください」
実際に公開された見積書では、約250万円の中に、
企画費
管理費
編集
デザイン
DTP
印刷・製本
など、さまざまな項目が含まれていた。
そこで問題になったのが、
「印刷・製本だけなら、そんなにかからないのではないか?」
という疑問だった。
出版社側の説明は明確だった。
著者が負担する費用には、単純な印刷代だけではなく、編集、デザイン、組版、管理部門の人件費、販売や宣伝、在庫管理など、出版に関わるさまざまな費用が含まれている。
さらに出版社側は、企業として利益を計上すること自体は正当だ、と説明していた。([共同出版・自費出版の被害をなくす会][1])
ここで、話を整理してみたい。
200万円だから高い。
250万円だから悪い。
そういう単純な話ではない。
重要なのは、
「何にいくらかかっているのか」
ということだ。
印刷費はいくらなのか。
編集費はいくらなのか。
宣伝費はいくらなのか。
書店への営業費はいくらなのか。
在庫管理費はいくらなのか。
そして、出版社の利益はいくらなのか。
著者が200万円、250万円を支払うのであれば、これくらいは知りたいと思うのが普通ではないだろうか。
さらに興味深いのは、「共同出版」という呼び方そのものだった。
出版社と著者が出版費用を共同で負担しているように聞こえる。
しかし、実際の契約では、著者がかなり大きな金額を負担するケースがあった。
そこで当時の「共同出版・自費出版の被害をなくす会」は、
「共同出版とは、一体何なのか?」
という根本的な問題まで問い始めた。([共同出版・自費出版の被害をなくす会][2])
出版業界では、
「商業出版」
「共同出版」
「自費出版」
という言葉が登場する。
しかし、名前だけを見て判断してはいけない。
大切なのは、
「誰がお金を払うのか」
「誰が本の所有権を持つのか」
「誰が販売責任を負うのか」
「売れなかった場合、誰が負担するのか」
という契約の中身である。
そして、ここから話はさらに深くなる。
次回は、
「本当に書店に並ぶのか?」
という問題を取り上げる。
「全国の書店で販売します」
その言葉を聞いた著者が、実際に書店へ行ってみたら――。
そこには、意外な現実が待っていた。




