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ひばりの「車屋さん」
一九六一年にアメリカで生まれた「プリーズ・ミスター・ポストマン」と、同じ年に日本で発表された美空ひばりの「車屋さん」。この二つの曲に直接の影響関係があったとは言えない。制作された国も違い、同年リリースである以上、どちらかがどちらを参照したという時間的余裕もないからだ。
それでも、両者には不思議な共通点がある。どちらも主人公が第三者に恋のメッセージを託し、その相手がどこか頼りない存在として描かれる。語り口はコミカルで、会話劇のように物語が進む。この構造の一致は、偶然とはいえ興味深い。
つまり、「車屋さん」が「プリーズ・ミスター・ポストマン」にヒントを得て作られたと断言することはできないが、同じ時代の空気の中で、似た発想が自然に生まれた可能性は残されている。影響関係はほぼゼロ、しかし構造の類似は確かに存在する──その程度の、控えめな仮説として受け取ってほしい。




