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フェイドアウト断章  作者: 石藏拓(いしくらひらき)


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清志郎は松山に対して「大嫌いだ」と公言

松山千春がラジオで、ある後悔を語った。


相手は、17年前に亡くなったRCサクセションの忌野清志郎だった。


松山によれば、若い頃からRCサクセションの音楽は好きだった。しかし清志郎は松山に対して「大嫌いだ」と公言していたという。


理由は音楽性の違いではなかった。


松山がデビューした頃、清志郎の所属事務所の社長が松山側に接近し、コンサートツアーの仕事を持ちかけた。そのことが清志郎には面白くなかったのではないか、と松山は振り返る。


だが松山自身は、清志郎に悪い感情を抱いたことは一度もなかった。


RCサクセションは好きなバンドだったし、清志郎も魅力的なミュージシャンだと思っていた。


結局、二人は誤解を解く機会のないまま時が過ぎた。


そして2009年、忌野清志郎は58歳でこの世を去った。


ラジオで松山は静かに語る。


「俺も70になっちゃったしなあ。ぜひ会って、お互い誤解を解いて楽しくやれれば良かったのにな」


人生には、何十年経っても心に残る出来事がある。


あの時、ひと言話していれば。


あの時、会いに行っていれば。


そんな後悔を誰もが一つや二つ抱えているのではないだろうか。


松山の言葉は、亡きライバルへの追悼であると同時に、生きている今だからこそ人と向き合う大切さを語るメッセージにも聞こえた。


そして番組では、RCサクセションの名曲「ぼくの好きな先生」が流された。


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