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攻撃魔法で朝食を

人はより強い魔法を求めてきた。

そうして魔法は、戦闘力を求めて開発され、威力を高め、効率を高め、数々の戦いで使用されてきた。


――《スラッシュ》


声と同時に、銀色の光が走った。


トン。


まな板の上に置かれたトマトが、綺麗に四等分される。


「うん」

僕は確認して頷いた。


台所には、朝の静寂。

「いい天気だな」

湯気の立つ鍋。

そして四つに分割された木製のまな板。


僕はしばらくそれを眺めたあと、ため息をついた。


「範囲設定の精度が甘いな」

精度は日常魔法の要だ。


スラッシュは、魔術師にとって重要な初級攻撃魔法だ。

魔力を薄く刃状に圧縮して解き放つ

そういう魔法だ。


「もしくはトマトが柔らかすぎたかな。」

僕はそう呟き、まな板のストックからまた1つ取り出した。

そして、朝食作りを再開する。


今日のメニューはトースト、目玉焼き、サラダ。

せめてこのくらいは手際よく仕上げられるようにするのが目標だ。

そして空腹で研究所に行かなくてはならないのは嫌だ。


《スラッシュ》

今度は成功した。


レタスは綺麗に格子状に切られた。

まな板は無傷。


「よし」

僕は頷いた。


攻撃魔法で、料理をする。

学会であくびをもらされながら発表したあの日から、今日で三年になる。


そして今日もまた。

僕は日常魔法研究者として、朝食を作っている。

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さりげない日常魔法いいっすね!
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