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私は何度も起きません

 目覚ましは一度で止めます。

 一度で体を起こし、天井を見上げます。


 一度は、時間通りに起きているのです。一度はね。


 でも今朝は、違いました。


 夢の中で、私はもう働いていました。


 颯爽とスーツを着こなし、

 満員電車を華麗にすり抜け、

 王道な仕事街道を、まっすぐ走っていました。


 企画は通り、

 上司はうなずき、

 部下は尊敬の眼差し。


 私は忙しく、充実していて、

 ちゃんと社会の一部でした。


 ——そのときです。


 六時五十八分。


 目覚ましが、鳴りました。


 私は止めます。

 起きます。

 天井を見ます。


 現実は静かです。


 スーツはハンガーにかかったまま。

 私はまだ布団の中。


 ですが、思うのです。


 夢の中で、もう一度、

 ちゃんと起きて、ちゃんと働いたのです。


 それなのに、

 どうしてまた起きなければならないのでしょう。


 私は何度も起きません。


 すでに一度、

 立派に出勤してきましたから。


 今日は、有給ということで。

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