表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/11

★5 ギャルとウザオ 

よろしくお願いします。

日曜日、ウザオを呼び出した。

もうすぐ弟の誕生日なんだけど、去年、弟が好きなアニメキャラのプリントTシャツを

プレゼントしたら、外で着れないだろってキレられた。


オタなら外でも自慢げに着てるじゃない!お姉ちゃん、ショック・・・


だもんで、一番気楽なウザオに頼んだんだけど・・・

「おい、乙女とのデートに赤のジャージとリュックで来るって何、考えてんの!」


「え~、デートだったの?弟へのプレゼントをちょっと選んだらいいって思ってたわ!」

「日曜日の10時に待ち合わせして、それで済むワケないじゃん?バカなの?」

最近デビューしたヤツはこれだから。いや、ウザオだから!


「ううっ、じゃあ、俺の服もついでに選んでくれる?」

「よしっ、カッコ良くしてやるからね!」


「よろしく。ああ、その格好、すごく似合っているよ。可愛いね!」

ウザオのやつ、大きな声で、満面の笑みで褒めやがった!

は、恥ずかしいじゃない!

・・・

「Tシャツはどんなのがいいの?」

「無地でよろしく!色は赤だ!」


「なぜ赤にこだわる?」

「ヒーローは赤に決まってる!」

ビシッとサムズアップしたけど、似合ってないから!ウザっ!


「厨二なの?バカなの?」

「・・・ゼンブ、オマカセ、スルヨ。」

冷たくするとたちまちションボリしてるし・・・


黒のデニム、白いTシャツ、ベージュのだぼっとしたシャツに決めた。

お金を支払い、値札を切ってもらうと、試着室で着替えて出てきた。


「・・・似合ってるじゃん!ランニングシューズがダメダメだけど!」

「終わったら10kmくらい走ってやろうと思ってたんだよ!」


ウザオを実験台にして掴んだ男子ファッションセンスを生かして、

弟用のTシャツを2枚買った。


「俺が選んだヤツは全て却下って・・・何しに来たんだろ、俺・・・」

ウザオがへこんでいた。

「まあまあ、じゃあ、次、行くよ!」


お昼ご飯を食べてから、歩いて神戸北野天満神社まで行き、合格祈願お守りと鉛筆を買った。

「お守りは来年じゃないの?」


「模試で自信付けないとダメでしょ!内申が大事だから、中間、期末も超大事だし・・・」

とか言いながら、「恋御守」が可愛らしくて目が離せない!


「・・・お礼に、その恋御守プレゼントしようか?」

ウザオのくせに、ちゃんと狙っていることが伝わったみたい。よしよし!


買ってもらった恋御守をむふふと眺めていた。

「で、誰が好きなんだ?やっぱり亮平か?アイツ、超カッコ良くって、良いヤツだもんな!

うん?違うのか?まさか、壱成か?」

ウザさマシマシで尋ねてきた。


「うるさい!」

バカ!亮平は陸上部のキレイな先輩と多分付き合っているし、

そもそもデートする相手が一番好きに決まってるじゃない!このニブチン!


ちょうどお店の前を通りかかったのでアイスクリームが食べたくなった。


季節のサツマイモ、基本のバニラ、チーズケーキ、どれにしよう?

「ウザオ、決めきれない!」

「おぉ、じゃあ、俺は季節のサツマイモとバニラのダブルで!」

「ありがとう!」


「だが、お前には見せるだけだ!」

ゲシっと思いっきり蹴り飛ばしてやった。ほんとウザい!


「まずは一口ずつ、食べてみようぜ!おお、全部、美味しいな!

ちゃんと分け分けしような!」


「ホントだ美味しいね!アッシのセンス流石じゃない?」

「流石なのはお店に決まってる。」

チョップしてやった。


ウザオはどんな話題にも食い付いてきて、熱く語ろうとしてくる!ウザいわあ~。

だけど、アッシが話し出すと、ふむふむとちゃんと聞いてくれた。


それからラウンド100で色んなモノで勝負した。

ウザオは球技とかは不器用だけど常に全力だった。ウザさ全開だった!

だけど、アッシが勝つ方が多かった。ふふん!


「春花!」

久しぶりだけど、懐かしくない声に呼び止められた!

中学の同級生男女4人だ。アッシたちを見てニヤニヤしてる!


心臓を鷲掴みされたみたいに不安が押し寄せてきた。


「アンタ、春花のカレシ?気を付けなよ。この子浮気するよ。二股するよ。」

こんなに毒のこもった言葉聞いたことがない!


「そんなことしてない!」

必死で否定するアッシを睨み付けながら、さらに言いつのられた!


「アタシのカレシを口説いたじゃないか!」

指さされた男はニヤニヤしながらうんうんと頷いた。

「情熱的な告白してきたよな!俺の方が恥ずかしかったわ!」


「・・・そんなことしてない。」

小さく呟くことしか出来なかった。


「春花、行くぞ!」

宇佐が怒ったような声を出して、アッシの手を握って反対方向へずんずん歩き出した。

宇佐、怒ってる!でも、何に?お願い、アッシを信じて・・・


「じゃあね~、ネトリ女~」

泣いているアッシの背に毒の言葉が突き刺さった。


宇佐はカラオケルームを借りて、アッシにミルクティを用意してくれた。


シートに並んで腰掛けると優しい声を出した。

「春花、ゴメンな。

あそこで言い争ったら騒ぎになって、余計に春花が傷つけられちゃうって・・・」


「アッシはそんなことしてない!

アッシが別の男の子と付き合い始めたら、アイツが口説いてきたんだ!

断ったらなんか、アッシから口説いたって噂になって!

あの女はプライドが高くって、嫉妬深いから、

アッシよりあの男の言葉しか全然信じてくれなくて!

みんながアッシのことを信じてくれなくて!」


「俺は春花を信じてる。春花はちゃんとした女の子だから、そんなこと絶対にしない。

大丈夫、信じてるから。」

宇佐はそういいながら、アッシが泣き止むまで頭を優しく、何度もなでてくれた。

・・・

「じゃあ、帰ろうか。家まで送るよ。」

「うん、ありがとう。」


電車の中、家まで15分ほど歩いている途中、

宇佐は天気の話や、来週の体育祭や、授業のことなんかをベラベラ話していた。

優しい目をしながら。

アッシは相づちを打つことしか出来なかった。


繋いでいない手はすごくさみしく、冷たい気がした。

宇佐と手を繋ぎたかったけど、とっても恥ずかしくて無理だった。


家に着いてしまった。

「あの、今日はありがとう。・・・宇佐。」

一瞬、きょとんとしたあと、宇佐は胸を張った。

「・・・おお。女の子を守るのは男の義務だ!」


その胸を軽く殴った。

「バカ!」


そこは「春花を守るのは俺だ!」でしょ!

そしたら、好きって言ったのに!バカ!


「じゃあ、また明日!」

にこやかに笑って手を挙げると宇佐は背を向けた。


読んでくれてありがとうございます。


面白ければ評価をお願いします。


明後日、水曜日に更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ