★4 ウザオはフラれた幼なじみと一緒に帰った!
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「田中宇佐男です。帰宅部だけど、月金は陸上部にお世話になってます。」
「ウザオ若しくは画伯と呼ばれてます。」
ニヤニヤしながら春花が余計なことを言った。
「松谷春花、帰宅部で~す。絵心アリアリで~す。」
「伏見壱成、陸上部だよ。長距離だけど。俺も画伯って呼ばれているぜ!」
ニカッと笑った壱成と俺は堅い握手を交し、堅い友情で結びついた。
「なんで画伯のくせに旗を作ろうとするのさ?」
「「面白そうだから?」」
俺と壱成がハモり、お互いを見て、肘タッチからのハイタッチだ!
「バカが2人。」
春花と桃子は苦笑いしていた。
「筒井桃子です。バスケ部です。イラスト書くの好きで・・・」
俺と桃子はパフェ、壱成と春花はケーキを食べながらリレーの練習と
旗の製作方法について混ぜっ返しながら楽しく打ち合わせした。
「ウザオ、一口ちょうだい!」
「あっ、じゃあ、俺も一口!」
俺と春花がお互いのものを奪い合うと、
「2人、仲いいのな?」
壱成がニヤニヤしていて、桃子はちょっとムッとしていた。
壱成の言葉は無視して、春花が身を乗り出した。
「ねえ、2人のことも名前で呼んでいいかな?
モチロン、アッシのことは春花って呼んで。
コイツは、ウザオね。100歩譲って宇佐かな。」
「ウザオだぜ、よろしく!」
バチンとウインクしてやったら、壱成は気持ち悪そうな顔をした。
「オーケー、よろしく、春花。ウザオ・・・は無理だ、よろしく宇佐。」
壱成が右手を出してきたので、握手した。
「桃子って呼んでね、壱成、春花、・・・宇佐も。」
・・・楽しい9月になりそうだ。
この学校は、水曜部が部活禁止なのでその日に1時間、リレーを練習して、
その後、旗を作ることになった。
打ち合わせが終わり、さあ帰るかという空気になったとき、爆弾が破裂した!
「ウザオがフラれた相手って、桃子なんだろ?空気、微妙だけど大丈夫?」
「おまっ、凄いな!俺も訊きたかったけど・・・」
爆弾発言の春花に壱成が尊敬の眼差しを向けた。
「ぐさっ!お父さん、お母さん、先立つ不孝をお許しください・・・」
「それで大丈夫なの?」
誤魔化そうとしたが、ニヤニヤしながら春花は許してくれない。
「ダイジョブ。コイゴコロ、キエタ。」
「片言って・・・意識しまくり?」
「いや、ホントに大丈夫!久しぶりに話したんだけど、ちゃんと消えているから。
ただこれまでより1歩引こうって思っていたら、ちょっと不自然になっちゃたかな?
やっぱり、ウザオで、全力で絡むことにするよ。」
「いや、1歩引いてね。」
きっぱりとした俺の言葉を桃子はあっさりと切り捨てた。
解散すると桃子と2人歩き出した。近所だからしょうがない。
1歩引いたら何を話せばいいか分からない。どうしよう?
「・・・宇佐、そんなに足、速くなかったよね?頑張ったんだね。」
桃子が笑顔で褒めてくれた!やった!
「まあな。とりあえず、短距離は成果が出てすっごく嬉しい!」
「陸上部で走ってたんだね、気づかなかったよ。
いつの間にか髪短くしてるし、猫背じゃなくなってるし、メガネじゃなくなっているし、
変わりすぎだよ・・・
・・・それで、そ、その~頑張りは私のことがまだ好きだから?」
桃子はテレテレしていた。告白したときの塩対応が嘘のようだ。
でも、恋心はもうない・・・よな?多分?きっと?
「えっと・・・まあ、それは無くなったけど、また馬鹿話して笑いたいってのはある。」
桃子のテレテレが無くなってしまった。マジで、なんなの?
「・・・そうなんだ。あのね、私・・・」
桃子が言いよどんでいるっていうことは・・・
「海斗から言われたよ。桃子と付き合ってるって。」
「・・・最近なんだけど、とりあえずお試しでって。」
「よかったね。楽しく、上手くいくといいね。」
俺が笑顔で祝福すると、桃子は意外そうな顔になった。
「・・・えっと、海斗と仲悪いんじゃないの?」
「うん、ちょっと嫌われてるかな?桃子と幼なじみだから?好きだって言ったからかな?
まあ、俺は笑顔で、さわやかに応対してるつもりだけど。」
「へえ、中身まで変わったんだね。」
家の前に着いた。もう少し、家が遠かったらよかったのに・・・
「ねえ、宇佐。・・・あのね、その、一緒に帰るのはこれが最後ね。」
「うん、わかった。じゃあ。」
「ゴメンね、お休みなさい。」
簡単な言葉と裏腹に残念だなって思っていたら、桃子も残念そうな顔をしていた。
日曜日、じっくりと考えた旗の絵の案をラインで送った。他の3人からも送られてきた。
『壱成画伯、流石です!採用!』
『ウザオ画伯、俺を超えてるじゃん!』
『ウザオ画伯、壱成画伯、マジヤバい!ヤバすぎてボツ!』
『宇佐も壱成も・・・春花のキャラ、いいね。凄く可愛いよ。』
『わかる。悪いけど、構図は桃子で、キャラは春花がいい!』
『じゃあ、それでいこう!』
水曜日、リレーの練習をしてみた。俺たち以外も何組かしていた。
短距離のエース、赤星亮平にバトントスを習って、さらっと練習した。
その後、教室に戻った。
「じゃじゃ~ん。みんな、これ食べてみて。まあまあ美味しいよ。」
俺がドーナツを出すと、3人とも不思議そうな顔になった。
「えっと手作り?まさか宇佐が?」
「そうそう。結構簡単なんだ。母親が試食済だよ。」
「ありがと。ふ~ん、普通に美味しいね。」
みんなが笑顔になった。よかった、作って来て。
買って来た白布に、桃子と春花にまずは下絵を描いてもらった。
モチロン、俺と壱成の出番はない。
「キレイなお嬢様がた、うちわで扇がせていただきます!
汗、お拭きしましょうか?肩、揉みましょうか?お飲み物は何がよろしいかしら?」
「ウザ!」
無理矢理出番を作ろうとしたら、拒否されてしまった・・・
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明後日、月曜日に更新します。




