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【番外編】凜の反撃開始!初めてのどきどきデート

颯介と凜が【親友】をやめたあとの後日談です。

番外編エピソード1では颯介の押しにたじたじだった凜が、今度はデートで颯介のハートを破壊します。

お互いに変わったところ、変わらなかったところ。甘酸っぱさを存分にお楽しみください!

これで完結になります。


10時

日曜日

颯介は凜の家の玄関の前に立っている。

「お待たせ!」

葵は、トップスは夏の太陽の光に映える白色のノースリーブ。

ボトムスは淡いベージュのフレアスカート。風にふわりと揺れている。

シューズはグレーの華奢なパンプスを合わせている。

メイクは透明感のある薄いナチュラルメイク。翔太は艶やかに光っている凜の唇に心臓が鳴った。


「ど...どうかな?」少し赤くなりながら、恥ずかしそうに颯介を上目遣いで見ている。

凜は颯介と会うときは、必ず白無地のTシャツ、細見のデニムにローカットスニーカーだった。

さらに、颯介と会うときは、どうでもいいとクローゼットに吊るさず、タンスに無造作に突っ込まれているものだった。


さすがの颯介も赤くなって

「り、凜かわいいじゃん。めちゃくちゃ」凜にくぎ付けになている。


11時

水族館

館内は薄暗く、水槽だけが透き通るような青色の淡い光を放っている。

辺りは静寂に包まれ、遠くで魚の説明をする低い男性の声がリピートされている。


颯介と凜は、歩くたびに凜のフレアスカートが颯介にフワッと触れる距離で歩いた。

何か話したいが、水族館の静寂に声が出ない。


大型水槽の前に来ると、凜は自然に颯介の腕に自分の腕を滑りこませた。

凜と颯介の身長は同じくらいなので、横を向くと互いの顔が近い。

凜は背伸びをする必要もなく、常に颯介が傍にいるような安

心感に包まれていた。


颯介は凜を見ると目が合った。

「さては俺に見とれたな?」冗談ぽく笑った。


「だって、かっこいいんだもん」


颯介は凜の鉄筋コンクリートさえ突き破るような、言葉の破壊力にたじろいだ。

今まで余裕のふりをしていた颯介が壊れた。


真っ赤な顔をして「そんなストレートに言われると・・・」言葉に詰まったが、気を取り直すと


「凜こそ、ホントにかわいいぞ」


凜もまたその言葉にたじろぐ。

お互いに少し黙ったのち、笑った。これが世間でいう【バカップル】ってやつじゃん。


12時

昼食

颯介は「そろそろお腹すいたな~」凜、どうする?

「そだ。ハンバーガーテイクアウトして、海を眺めながらたべるのはどう?」

凜は水族館の休憩スペースの芝生公園を指差した。


「それいいな!」颯介は目を輝かせた。


ハンバーガーを買うと、颯介は「あの白いベンチなんかどうだ?」と海に一番近いベンチを指差した。

それは緑色の絨毯に白く浮き上がるようなベンチだった。


凜は「海、めちゃくちゃ近い!きれい」柵に手をかけて身をのりだした。

遠くを航行する赤いタンカー、近くには海の反射で眩しく光るヨットも見える。

潮風に吹かれ凜の髪の毛は顔に纏わりついたり、おでこを見せるように動いている。

それに合わせるかのように、フレアスカートもフワリと浮いたり、足に密着したり颯介がドキドキするような動きを見せている。

昔の「凜のパンツなんて興味ねぇ」なんて言っていたことが嘘のように。


「さ、たべよ!」そう言うと凜はハンバーガーの包装紙を開けた」

手で持った時、指の形で沈むような柔らかいバンズと、そのバンズから見え隠れする、鮮やかな黄色のチーズが食欲をそそる。

颯介も「おーめっちゃ旨そうだな」と同じように包み紙を開けた。


食べ進めると颯介は「ハンバーガーって綺麗にたべるのって至難の業だろ」と指についたソースを紙ナプキンで拭きとっている。

「颯介、ちょっと目を瞑って」紙ナプキンが颯介の口元をぬぐった。

颯介は目をあけると、まじかに凜の顔があった。


「おいおいおい、反則!」颯介は赤くなって固まった。


凜はいたずらっぽく笑って「いつも颯介にドキドキさせられっぱなしだから、そのお返し。ドキドキしたでしょ」


まったくっと言って、颯介は凜の頬を手で優しく包んだ。


15時

土産物コーナー

「こういうとこのクッキーって無駄に高いよな」と颯介はお菓子コーナーを眺めている。

「海賊の模型なんて誰が買うんだろ」と言って二人は笑う。


「ね、ちょっと」凜が手招きする。


そこはキーホルダーコーナーだった。

サンゴの砂を詰めたボトル。なぜか売っている漫画のヒーローのキーホルダー。


凜はひとつキーホルダーを手に取った。

かわいくデフォルメされた青いイルカがジャンプしている銀色のキーホルダーだった。

「これ・・・お揃いでスクールバックにつけたいな・・・。買ってもいい?」


颯介は嬉しそうに「もちろん!」と言ってもうひとつ、そのキーホルダーを手に取った。


16時

帰宅。

「楽しい時間はあっという間だったね」と少し寂しそうに、凜は言った。

「またいろんなとこ行こうな」颯介は凜の手を握った。


21時

颯介の部屋の窓が鳴る。

「おい、足を拭けよ、と雑巾を投げた」


「おじゃましまーす」凜が部屋の中に入って来た。


帰宅したときはさみしそうな凜だったが、親友だったときのように颯介の部屋に平気で入って来た。


凜は颯介を見て「やっぱこういうのが安心する」と笑った。


颯介も「だな」と言って笑った。


凜は分かっているように颯介の戸棚を開けて


「今日、なんのゲームやる?」と颯介に聞く。

「じゃ、いつもので」颯介はそう凜に言うと、凜は迷わずそのソフトを取り出し、ゲームにセットした。


画面には見慣れたオープニングムービーが映し出されている。



お互いに、変わったところ。

そのままなところ。


それは恋人であり、親友であるという、誰も代わりになれない最強のカップルの姿だった。


おわり

























「最後までお読みいただきありがとうございました!少しでも面白い、続きが読みたいと思ったら、下部の【☆☆☆☆☆】と【ブックマーク】で応援していただけると励みになります!」

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