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第19話 もう倉庫の鼠ではない

 翌朝、王都港務局から正式な打診が来た。


 監査体制を立て直すため、私へ復職を願いたいという。以前より高い席も、独立した札庫も用意できる、と。


 昔の私なら迷ったかもしれない。認められたい気持ちがなかったわけではない。


 けれど今は、返事を考えるのに長い時間は要らなかった。


「お断りします」


 局長は少し驚いた顔をした。


「王都港と北海灯台港は、公正な契約と公開札でつなぎ直してください。私は北海で、荷札室と監査台を続けます」


 それが私の答えだった。


 北海へ戻ると、港の入口に新しい看板が掛かっていた。


『北海灯台港 荷札監査室』


 下に小さく、私の名が添えられている。


 マルガレーテが腕を組んで言った。


「王都の飾り台より、こっちの方が似合うよ」


「ええ。私もそう思います」


 もう私は、暗い倉庫で誰かの検印席を支えるだけの人間ではない。


 私自身の名で、荷を守り、流れを残していく。


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