しつこい見合い話
集会と言うのは基本的に退屈なものだ。あと、面倒。
とはいえ、参加しなければ困るのも確かだからな。実際、四国の変異ダンジョンはかなり厄介そうだ。現状はハンター協会より手出し無用と言われているとのことで放置らしい。中に希少な素材でもあるのかもしれんな。まぁ、我々も喧嘩をしたいわけではないし、ダンジョンの平定というのは面倒なので、向こうでやってくれるならばそれでよい。
他だと、京都のダンジョンの平定報告や、エジプトの特殊ピラミッドダンジョンの出現報告がある。
「それなりに数も減りましたわね」
「まぁ、そうでなければハンターの価値がないしな」
しかし、ダンジョンが消えればそれはそれでまた魔族に牙を剥く可能性が出てくるので、何とも言えん気持ちだ。
それはそれとして、ヘスティアたちが呼ばれているのも知っていたし、マデリーンも連れてきているが、どうして左右をヘスティアとジークで固められ、膝の上にマデリーンを抱える羽目になっているのだろうな?
「……ヘスティアちゃん、そろそろ別の男に目ぇ向けたらどない?」
「フェリクス様、わたくしが一緒ではお嫌?」
「そんなことはないぞ」
やはり、知り合いが側にいると気が楽だからな。
女を紹介しようにもヘスティアほどに美しい女など、そうはいない。そう言う意味では、ヘスティアが周囲を牽制する必要があるとは思えんが。隣にいて微笑んでいるだけで、誰も勝てんだろう。
「フェリクス、もう少し隙を作ってくれてもいいんじゃぞ」
「余計なおせっかいをするな。何度も言うが間に合っている」
やれ子ども、子孫と煩いやつらだ。
そもそも、私にはラウルとジークがいるし別に急がん。
「間に合っている、ですか」
「……もう少し、耐性ができればなぁ」
「それはそうですね」
私たちの言葉など聞こえていないようで、ヘスティアは清明とバチバチしている。
ラウルの卒業とヘスティアが私に慣れるのは、どちらが早いだろうか。
「言ってあげればいいのでは?」
「まだ早い」
マデリーンにまで「あぁ……」と可哀想な子を見る目を向けられている時点で問題があることは明らかである。
私は何もそこまで難しいことを言っているつもりはないのだが、こいつはすぐに暴走をするからな。
「フェリクスは競争率高いんやで」
「知っておりますが、お前の紹介しようとしている小娘共はわたくしより強く、賢く、美しいのかしら? 私よりもフェリクス様を愛し、尊敬し、心の底から人生を共にしたいと願っているのかしら? わたくしは悠久を共に生きても構いませんが」
「いや、フェリクスの血を残して強い能力者がいっぱい欲しいだけ。そんなもんは知らん」
顔を合わせるとこれである。
ダンテがここにいれば、「まぁ、試しに一人くらい孕ませてみればよろしい」とか言い出しそうだな。それを聞いたヘスティアがブチ切れて周囲が焼け野原になる光景が容易に想像できる。
「清明」
「はいはい」
少しばかり殺気を送ると、面倒くさそうな顔でひらひらと手を振って去って行った。初めから余計なちょっかいを出すのをやめろと言うのに。
「ヘスティア、お前は私の隣にいろ」
「きゅ、求婚ですか!?」
「お前はなぁ、何というか、本当に」
結論を飛躍するな。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
ヘスティアはたぶん、もう少し耐性を付けて落ち着いたらいいと思うよ。




