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レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります  作者: zephyrusu
第1章 レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります
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08話 異世界といったら、奴隷だよね


 旅商人のココネに、異世界金属の仕入れを頼んだ俺は、ランラン気分で家――工房でいいや――に帰ってきた。

 しかし、ある問題点があった。


 異世界金属が来るまでの1ヵ月間、暇なのである。


「どうせ、1ヵ月もあるなら、鉄とかで一振り打ってみるかな」


 炉の準備も大丈夫だし、希少な金属じゃなければこの町でも手に入る。

 それに、異世界金属で刀を打つ前に、感覚を取り戻したいのもある。


「そうと、決まったら、さっそく、、、いや、ちょっと待てよ」


 しっかりとした刀を打つのには2週間くらいはかかる。

 その間の食事や洗濯などの鍛冶じゃない家事をやるのは少し面倒である。

 ――というか、やりたくない。


「だとしたら、解決案は、、、」


 お金はある。

 ここは異世界。

 人手が足りない。


 ――ならば答えは一つ!!!


「奴隷を、買いに行こう!」


◇◆◇


「ようこそ、いっらしゃいませ」


 大通りから一本外れた裏通り。

 その一角の、いかにも怪しい店構え、、、なんてことはなく。大々的に奴隷屋の看板を掲げた店にやってきた。

 対応してくれるのは店主である小太りの奴隷商だった。


「奴隷を買いたいんですが、、、」

「はい。どのような奴隷をお探しですか?」


 どのような奴隷か、、、

 それは、もちろん――


 ――はい、皆さん質問です。

 異世界転生モノの定番である奴隷。

 その条件とは何でしょう?


 1、女の子

 2、可愛い

 3、処女


 ――はい! 正解です!!!

 1、2も重要だけど、3も重要だよね?


「と、いう条件でお願いします」

「かしこまりました。ただいま見繕ってきますのでしばらくお待ちください」

「――わ、わかりました」


 奴隷商が、店の奥へと行った。

 俺は、出されたお茶を飲み、待つ。


 ――ドクン。

 ――――ドクン。ドクン

 ――――――ドクン。ドクン。ドクン。

 心臓の音がうるさい

 

 ある意味憧れたシチュエーションだし、女の子を買うなんてやっぱり緊張する。


「お待たせしました。こちらへどうぞ」


 案内された部屋には5人の女の子が順番に立たされていた。

 どの子も可愛いし、年齢は10~15歳くらいに見える。


「この5人が、条件にあった子たちです。みんな健康面も良好ですし、見た目もいいので少しばかり高いですが」

「ああ、お金は大丈夫です」


 さて、どの女の子にしよう。

 定番は鑑定スキルで隠されたスキルを持つ子を見つけるとかなんだけど、俺には鑑定スキルがない。


「おすすめの子とかいるんです?」

「それなら、、、」


 奴隷商が丁寧に、それぞれの女の子の説明をしてくれる。

 そして、最後の1人。

 茶色のショートヘアに、ぴょこんと飛び出た犬耳。

 ――そう犬耳。つまり犬の獣人っ娘だった。


「この子は、【家事】スキルも高いですし、文字の読み書きもできます。性格は暗――もといおとなしいですし、どうでしょうか?」


 ――今、性格が暗いって言おうとした。

 たしかに、この女の子だけは目に力が入っていない。

 他の子は、思った以上にキラキラとした目をしている。

 そういえば、奴隷と言ったら、死んだ魚のような目をしているとばかり思っていたけど、どうしてだろう?


「少し聞きたいんですが、いいですか?」

「なんでしょうか?」


 女の子たちに聞かれないように小声で奴隷商に声をかける。


「なんか、女の子たちの目がキラキラしているような気がするんですが、、、」

「それでしたら。お客様が異世界人だからです。奴隷が買えるほど成功した異世界人は購入した奴隷をやさしく扱うことが多いものですから、お客様に買われたいと思っているのです」

「ああ、なんとなくわかった気がする」


 これは、あれだ。

 異世界転生モノの定番、『奴隷にやさしく接し好かれる』というやつだな。

 確かに、俺も優しく接するつもりではいるけど、、、


 ――優しくされるのを期待している女の子

 ――すべてに絶望した女の子


 あなたはどっちを選びますか?


「じゃ、この子でお願いします」

「わかりました。では、代金はこちらで」


 ――俺は後者を選んだ。


ようやく、メインヒロインの登場です。

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