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レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります  作者: zephyrusu
第3章 レベル1鍛冶師だけど、聖剣使っていたら勇者になりました
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14話 黄金色のミサンガ


「――この『かじし』がっ!」

「――遅い」


 聖剱となった『オレイカルコス』と『ハーゴード』は凄まじかった。

 斬れ味は『エクスカリバー』と斬りあっても負けるどころか、押し返すことができる。

 恩恵の値も上昇したので、剛田が俺の動きにまったくついてこれなくなった。


「――ふざけるなっ! 俺は勇者だ! 選ばれた者だっ! 『かじし』なんかに負けるわけがねえんだ!」


 剛田が狂ったように、剣を振り回す。

 もはや、剣術などはどこにもない。

 子供が駄々をこねているようにしか見えない。


「――確かに俺は『鍛冶師』さ。それもレベル1のな」


 『エクスカリバー』を弾きながら、この世界に来た頃のことを思い出す。

 ココルテの町で冒険者として薬草を集めていたころの記憶だ。


「俺はこの世界に来た頃、初めて会ったゴブリンから全力で逃げたんだ」


 ミサンガを拾った場所で会った、ゴブリンたち。

 逃げることしか出来なかったあの時。

 情けないことに、ゴブリンを相手に全力逃げたこと。


「そして、刀を打つ機会ができて、俺はゴブリンを倒すために2振りの剣を打ったんだ」


 『オレイカルコス』の【共鳴】を発動させる。

 それによって『ハーゴード』の能力が上昇する。

 ――もちろん恩恵の値もだ。


「それが、この『オレイカルコス』と『ハーゴード』だ」


 今は聖剱となった2振りが、応じるように震える。


「――何が言いてえ?」


 『ハーゴード』の【聖剱波動】を発動させる、

 スキルの効果で、剛田の体がまるで蛇に睨まれた蛙のように固まる。


「――俺にとっては、お前はゴブリンと同レベルなんだよっ!」


 『オレイカルコス』と『ハーゴード』をクロスさせながら、動きが止まった剛田に切りかかる。

 剛田は動くこともできず、喋ることもできないが、その顔が恐怖に歪んでいくのはわかる。


「――これで、終わりだっ!」

「――くそ、が、、、」


 ――『オレイカルコス』と『ハーゴード』が、剛田の体を切り裂いた。


◇◆◇


「――なんとか、なったか、、、」


 2振りの聖剱に斬られた剛田は、死んではおらず、気絶していた。

 死ななかったのは、『エクスカリバー』のおかげだろう。

 剛田が気絶した瞬間に、身代わりになるように『エクスカリバー』が砕け散った。


 ――どちらにせ、剣核の開放により壊れるのは時間の問題だっただろう、、、

 そして、それは、、、


「『オレイカルコス』と『ハーゴード』も、、、」

『そんな顔をしないでくださいマスター。私たちはこれで本望なのですから。――マスター本当にありがとうございました』


 『オレイカルコス』と『ハーゴード』が、黄金色の光となって宙に舞っていく。

 その光景は、とても幻想的なものだった。


 やがて、宙に舞っていた光が俺の体を包みこむ。

 すると――


「体の痛みが、、、」


 剛田との戦いで、だいぶ痛めつけられたのが嘘のように消えて行った。

 理屈はわからないが、『オレイカルコス』と『ハーゴード』が治してくれたのだろう。


「――ありがとう。『オレイカルコス』と『ハーゴード』」

『こちらこそマスター。私たちはマスター作っていただき、使っていただき、とても幸せでした』


 光から聴こえる声がだんだん小さくなっていく。

 それに伴って、光も小さくなっていく。


『これで私たちはお別れですが、マスターには他にもたくさんの聖剣()たちいますから、彼女たちも力を貸してくれるでしょう。――マスターに聖剣の加護があらんことを』


 ついに光が消えて行った。

 もう、声も聴こえない、、、


「――あれ?」


 すべて消えたと思った光が、右手首に集まっていた。

 やがて、その光は黄金色のミサンガ(・・・・)に変わった。


『称号【聖剣の加護を受けし者】を獲得しました

 称号の効果により【勇者】の称号とスキルを獲得しました』


 ――ついに、勇者になっちまったか



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