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レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります  作者: zephyrusu
第2章 レベル1鍛冶師だけど、旅の途中で魔剣を売る商売始めます
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05話 ガイアウルフを実食


「――ほんとにすみませんっ。本来護衛する立場の私たちが手を貸して頂いてしまい。でも、おかげで助かりました」

「「「ありがとうございました」」」


 ガイアウルフの討伐に成功した『風来の乙女たち』が、そろって頭を下げる。


「いやいや、『風来の乙女たち』の皆さんと、それにノーラさんのおかげですよ」

「そんなことありません。魔剣の強化スキルや、危ないところで魔法も使っていただきましたし、それに――」

「まあまあ、勝てたんだからいいじゃないですか。それより、『これ』をどうするか考えないと」


 お礼の言葉が止まらない、ノーラさんの意識を逸らすべく、俺はガイアウルフの死体を指さす。

 このお宝をこのまま放置なんてことはできない。

 ガイアウルフは武器や防具の素材としても優秀らしいし、肉は美味しいらしい。


 できることなら、素材は貰いたいし、肉も食べてみたい、、、


「――やっぱり、折半しましょうか」

「いえ、私たちはいりません。そもそも、護衛をできなかったですし、討伐だってシロウさん達の協力が有ってですから」


 どこまでも真面目な『風来の乙女たち』。

 他のメンバーもそれでいいいらしく、不満の声は上がっていない。


 もしかしたら、ミサンガの効果が発動していたりするかもしれない。


「それなら、こうしましょう。俺たちだけでもガイアウルフなんて討伐できませんから、ガイアウルフの素材は折半ということで。ただ、ガイアウルフの差材は欲しいので俺たちが貰いますが、その分を依頼料に上乗せってことでどうでしょう?」

「――本当にいいですか?」

「もちろんです。俺としてはお金よりも、ガイアウルフの素材の方がうれしいですから」


 こうして、ガイアウルフの素材の所有権がもらえた


「それじゃ、ガイアウルフの解体もしたいですし、今日はこの近くで、野営しましょう」

「わかりました」


 この辺りは、ガイアウルフの縄張りになっていたらしく、他の魔物はほとんど寄ってこないみたいで、野営をするには好条件だ。

 それに、ガイアウルフは大きいし、解体にもそれなりに時間がかかりそうだ。


「じゃ、さっそく解体してきます」

「ご主人様、お手伝いします」

「シロウ様、私も手伝うの」

「それなら、私たちは周囲の警戒と野営の準備をします」


◇◆◇


 ガイアウルフは、2本の大きな牙と硬い毛皮が素材として使われ、爪は武器の加工には向かないらしい。

 あとは、肉だけど、それはもちろん食料だ。

 ちょうど、頭が切り離されていて、血抜きの手間も減ったし。


 俺は、解体用のナイフを取り出して、ガイアウルフに突き立てる。


 ――ガキンッ


 ナイフが折れた。


「硬いか、、、 ――しょうがない」


 折れたナイフを捨て、代わりに魔剣『ファントム』を抜く。

 今度は、しっかりと刃が通った。

 これなら、サクサク解体できるな。


「ミミとココネは魔剣を使えないから、料理の方をお願い」

「わかりました」

「はい、なの」


 俺とミミとココネは、それぞれの分担に分けて、ガイアウルフの攻略にかかった。


 ガイアウルフの解体は、その巨体と硬さのせいで日が傾くまで続いた。


◇◆◇


「――っ! 美味しい!!」


 野営での夕食。

 今日も『風来の乙女たち』と一緒に食べている。

 メニューは、ガイアウルフのフルコースだ。

 ステーキに、焼肉、シチュー。ほかにも持ってきた食材と合わせ、ミミが腕を振るってくれた。


 ガイアウルフの肉は、臭みが全くと言っていいほど無く。程よい弾力がある赤身、火を通すと舌の上でとろける脂身のバランスが最高だった。


 肉の旨みがダイレクトに伝わるステーキと焼肉。

 とろけるほど煮込まれたシチューは、肉の味すべてを引き出されていた。

 これは、ガイアウルフの肉が美味しいだけではなく、ミミの腕がいいのだろう。


「こんなにおいしい料理は生まれて初めて食べた。ミミありがとう」

「い、いえ。そんな、、、」


 ミミが犬耳を器用にたたみ、顔を両手で覆い隠してしまう。

 どうやら、照れているところを見られたくないらしいが、そのしぐさはとても可愛らしい。


「本当においしいです。私たちまで一緒にありがとうございます」


 相変わらず腰の低いノーラさんも、態度とは裏腹に食べるスピードが昨日よりも早い。

 ガイアウルフの肉は大量にあったので、今日使用しなかった分は、劣化がしない俺の【アイテムボックス】にしまってある。

 なので、いくらでも食べてもらっても大丈夫だ。


 というか、おいしそうに料理を食べている女性の邪魔などできるはずがない。


「そういえばシロウさん? ガイアウルフはどうやって解体したんですか?」

「ん? 普通にだけど、、、」

「普通にって、ガイアウルフの硬い毛皮を切れたんですか?」

「ああ、それは、これで切ったよ」


 俺は、魔剣をコンコンと叩く。

 普通のナイフでは、が立たなかった。


「すごいんですね、その武器」

「一応はね。これでも魔剣のはしくれだから」

「――魔剣、ですか!?」


 ノーラさんが、まるでガイアウルフを見たように驚いた。

 そういえば、ノーラさん達には話してなかった。


「ココルテの町で、買ったんだよ」

「それは、もしかして異世界からきたという職人のですかっ!!」

「そのはずだけど、どうかしたの?」

「この白銀刀・初名も、その職人が作った刀なんですっ! これがなかったら、私はガイアウルフに勝てなかったですから、その職人さんは私の命の恩人です!」


 ノーラさんが先ほどまでの真面目な様子はどこかにいってしまい、ものすごい勢いでまくしたててくる。

 おっさんたちには、俺の情報は秘匿してもらっているはずだから、俺がその職人ということは知られていないはずだ。

 

「――それでですね、この白銀刀・初名は、見た目が綺麗で、それでいてすごい斬れ味をしているんです。ミスリルから作っているはずなのに、アダマンタイト製の武器と性能は肩を張るんですよ? それでほかにも、白銀刀・初名はスキルが――」

「そ、その辺に、、、ぐふっ」


 まるで、心の中の暗黒部分を的確についてくるような言葉の刃が、俺に襲い掛かる。

 しかし、ノーラさんの言葉は止まらない。


 ――ノーラさんの褒め殺しは、寝るまで続いたのだった



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