上限レベルは40、未来は詰んでいる②
信じたくないことだが俺が所謂モブキャラなのは、様々な理由から分かってしまった。
まず、名前。
ロイ
これが俺が星3キャラであることを決定づけている。
グランディア戦記には傭兵システムがある。そこで、自動生成されるキャラにつけられる名前だろう。
星4、星5キャラは名前が決まっているし、このゲームを3回クリアしてネットの攻略サイトを閲覧したことから、まず間違いなくロイは星3であることは揺るぎない事実だ。
次に、この傭兵団『夜明けの狼』のリーダー、ラグナス。
貸し切っている酒場の奥で、酒で喉を潤しながら上機嫌に笑う頼り甲斐のありそうな男。彼こそがグランディア戦記でいう星4。プレイヤーキャラが選択できるキャラクターだ。
そして、水島 勇斗の記憶とこの世界が合致しているのであれば、ラグナスの下で働くキャラで星4は確実に存在していなかった。
その事実は最早覆らない。
しかし、状況を整理するために、ここでグランディア戦記の基本的なゲームシステムを思い返しておこう。
『グランディア戦記』
水島 勇斗の記憶が正しければ、3年前に配信が開始された比較的新しい配信ゲームだ。
ゲームシステムは、戦略シミュレーション。
第1部では、プレイヤーは選択可能な3人の星4キャラの1人を選び、混沌とした戦乱が続く世界で国を作り上げていく。
第2部は、プレイヤーは国家を運営して、周辺国をまとめ上げ、大陸を統一していく。
そして、最終章の第3部では、プレイヤーは統一した戦力をもって魔族との最終決戦に挑むこととなる。
ただし、このゲームの奥深いところはマルチエンディングの多さである。
まず、プレイヤーキャラは始めは3人からしか選べないが、クリアを重ねることで選べるキャラが増え、それに連れ始めは敵対勢力だったキャラから開始することも可能となっている。
プレイヤーは1週ごとにキャラに指令を出し、最後に待ち構える魔族との最終決戦に向けて、国や戦力を整えていくのだが、配信から3年。追加要素や断章、エンディングや攻略方法が増えたことで、グランディア戦記の世界は更なる広がりを見せていた。
周辺国家を武力で平定するのも良し。同盟や講和を結んで魔族に立ち向かうのも良い。はたまた、魔族と話を取り付けて戦争を終わらせることもできるのだ。
ただ、問題なのは先にも述べたが、自分のレベルがどうあがいても40で頭打ちであることだった。
救済処置はある。だが、それがこの世界でも本当にあるのかどうかも不明な時点で、その蜘蛛の糸のような希望に縋ることはやめた方が良いだろう。
このように、グランディア戦記とは周回を基本としたマルチエンディングの戦略シミュレーションゲームなのだ。




