甘えん坊ワンコ ⑤
「さてっと、書くか」
オオムラさんと意気投合した五月先生、どうやら先日の新企画が形になりそうです。
「今回のテーマは……と」
カチャカチャカチャ……。
カチャカチャカチャ……。
「はっ!」
調子良くキーボードを叩いていた五月先生の手が止まりました。
五月先生、椅子を後ろに引いて机の下を覗き込みます。
「気配がすると思ったら、やっぱり」
五月先生、椅子に座ったまま思いっきり前かがみになり、手を伸ばして奥から何かを抱え出しました。
「こら、さっきからメイドが探していたんだぞ」
眠そうな顔のチロさんです。
というか、半分寝ています。
五月先生、机の下の奥にクッションを二つ並べて置いています。
椅子に座ったままくつろぎたい時に、足を乗せるためです。
このクッションので、チロさんもくつろぐのです。
最近のお気に入りらしく、いつの間にか挟まっています。
机の下は薄暗く、お昼寝に最適ですね。
チロさん、どうやら隙間がお好きなようです。
洗濯物が二列になっていると、山を崩して隙間に入り込みます。
めいとさんがせっかく綺麗にたたんで重ねたのに。
座椅子にはくの字の角のところに鼻を突っ込みます。
誰かと一緒に寝る時は人の肩に顎を乗せ、脇の下に寝そべります。
カチャカチャカチャ……。
五月先生、チロさんを膝の上に寝かせ、執筆を再開しました。
ズルズル、ズルズル……。
カチャカチャカチャ……。
ズルズル、ズルズル……。
チロさん、五月先生のももの隙間にはまっていきました。




