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甘えん坊ワンコ ⑥
カチャカチャカチャ…… カチャッ!
五月先生、執筆は快調のようです。
「今日のノルマ終わり、っと」
時計はちょうど午後三時です。
「メイドぉー、美味しいお煎茶いれてぇー」
・・・。
「ん? いないの? さっき買い物から帰ってきたばかりのはずなのに」
五月先生、お台所に向かいます。
「さるやの羊かん買ってくるって言ってたのに……」
めいとさん、居間にいました。
「メイド、おやつ」
「ご自分でお願いいたします」
「なんで?」
「甘えん坊モードで動けないもので」
めいとさん、チロさんを抱いています。
「さるやの羊かんは?」
「さるやさんは今日お休みでございました」
がーん……。
「せっかく美味しくおやつ食べようとノルマ頑張ったのに……」
五月先生、よくあることです。
甘えん坊モードのとき、チロさんは体から離そうとすると、あごを上げて首を伸ばし、前足を左右に広げて胸を突き出して、離れたくないポーズをするのです。
もちろん、お目々はウルウルです。
その格好をされると、突き放すなんてことはできません。
日がな一日抱っこしていてあげたくなります。
「メイドぉ、おやつぅー」
「おせんべございますから」
「美味しいお煎茶、いれてぇー」
「ご自分でどうぞ」
「い、れ、てぇー」
五月先生も相当の甘えん坊です。




