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探索者協会物語  作者: 最近


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『モラン探索者広報 vol.1』


 発行:モラン探索者協会本部・広報係


■【探索者の皆さまへ】

 世界槍の各階層は、大神院と第八騎士修道会が管理する教会管区です。

 戦時下につき、階層を管理する『掌握者』となった修道騎士には特任司教権限が与えられ、階層の治安・探索許可・緊急対応を統括します。


 探索者協会は、特任司教と連携しながらその権限を一部委譲され、

 探索者の登録・安全指導・入域申請・戦果報告を担当します。


 地獄軍襲撃時には、探索者は後方義勇軍(民間非常備軍)として扱われ、

・避難誘導

・負傷者搬送

・信徒保護

・『門』及び『階段』等の拠点防衛

・魔獣掃討

・はぐれ異獣の掃討もしくは捕獲・宣教活動

 などの後方支援を行います。

 また、階層内にいる探索者は特任司教の指示に従う義務があります。


 探索者各位の信仰心および国土回復の理念に基づく愛国的探索に期待します。

 槍神の名において、世界槍全域の制圧・奪還を目指しましょう。




・『階層注意報』

◆ピックアップ:第一階層『初心者向け区画と危険なパレルノ山』

 協会が発足したことに伴い、まずは全ての探索者が最初に足を踏み入れる地、

 『第一階層』の最新情報をお届けします!


・第一階層図

【第一階層:中央拠点】

 松明の尖塔:松明の騎士団本部

 └中央迷宮区:琥珀賢者の変動要塞(危険度★★)

 

【四方の門(隣接異界)】

 北門:獅子王の遺跡(危険度★)

 東門:竜骨の森(危険度★★)

 南門:湖中穴(危険度★★)

    └ 支線:側面洞穴(危険度★★★)固有種:双頭虹犬霊

 西門:パレルノ山(危険度★★★★★)固有種『蛇の王《バジリスク》』


・概要

 第一階層は松明の騎士団本部『松明の尖塔』を軸に、中央迷宮区『琥珀賢者の変動要塞』と呼ばれる入り組んだ古代遺跡が広がる区画です。

 古代ジャッフハリムの自動人形や凶悪な人造魔獣などが際限なく類感プリンタで生成され続けており、騎士修道士の皆さんが訓練用に利用しているとか。

 松明の騎士団のご厚意により、探索者の利用も許可されています。

 まずはここで力試しをするのがいいでしょう。


・隣接異界

 四方の『門』からは隣接異界と呼ばれる別次元のダンジョンに移動可能です。

 絶景が広がる『湖中穴』、特異な植生の『竜骨の森』、そして『獅子王の遺跡』。

 初心者オススメは『獅子王の遺跡』!

 日照時間が長く、地形も平地や緩やかな丘陵地が多いため、比較的安全に採取や小型魔獣の討伐が行えるエリアです。

 グラスエイプやストレイドッグなどは数が増えると厄介なので、パーティメンバーと協力して確実な各個撃破を心がけましょう。またこの二種は犬猿の仲なので、かち合わせると争い始めます。魔獣の特性を上手に利用してみましょう!


・注意すべき危険地帯『パレルノ山』

 第一階層は基本的に駆け出しパーティでも活動可能ですが、「パレルノ山エリア」だけは別です! 岩石崩落や足場の悪さ、凶暴な飛行魔獣など多数のリスク要因により事故の発生率が極めて高くなっています。

 極めつけに、ここには念動邪視を用いる『単眼巨人《サイクロプス》』や、石化邪視で不可逆な事象改竄を行う『蛇の王(バジリスク)』が出没します。入念な邪視対策がなければベテラン呪術師でも危険です。初級探索者は指定区域を超えて奥へ進まないようにしてください!


 受付窓口からのアドバイス:

「お天気や日没の時間を甘く見ないでくださいね! 夜間の第一階層は暗闇と冷気で一気に危険度が増します。早めの帰還手続きをお願いします!」(受付・エルマ)



・『輝く星々! 注目の探索者インタビュー』

◆第一回:登録第001号『伝説踏破団』

(協会よりも古くから活動してきた、堂々たる歴戦パーティ)

(メンバー:戦士クラヴィス/戦士テオドール/斥候レライエ・グラント/術士ディン・シャイアー)


 記念すべきインタビュー初回は、協会発足以前からこの街を守り、栄えある登録「第001号」を勝ち取った頼れるベテランパーティ『伝説踏破団』の四人にお話を伺いました!


――まずは自己紹介と、皆さんが探索者になったきっかけを教えてください!


クラヴィス(戦士):

「リーダーのクラヴィスだ。俺たちは元々『松明の騎士団』の外部戦力だった。民間警備会社『ドートヘイル社』の傭兵として前線で戦ってたんだ。ただ、ある程度勝ちを重ねた後、『しがらみの多い最前線じゃなくても、自由に稼げるならそっちの方が良くないか?』って思い立って、この四人でパーティを組むことになったわけだ」


テオドール(戦士):

「おいコラ。オレ様がリーダーだろ。あ? やんのか? チッ……まあ、経緯はコイツの言う通りだ。オレ様とクラヴィスは同じ武器術道場出身で高校の同級生だが、コイツの仕切りたがり屋には昔から反吐が出る。あとツラと趣味がクソゴミ。オレはシンプルな鉄槌と短剣がありゃ十分だが、コイツはガチャガチャめんどくせえ変形武器とか可変ランタンシールドなんて使っててスカしてやがる。雑魚だから小細工好きなんだろうな」


クラヴィス:

「なんだと!? 多機能変形武器のロマンが分からん脳筋が!」


レライエ(斥候):

「はいはいそのへんで。インタビュー中だぞ、困ってるじゃないか。すみませんねほんとに。私はレライエ・グラント。元々北方辺境で従軍していたのですが、呪詛が祟った挙句、邪視能力を喪失して除隊になりましてね。入院中の娘の治療費と手術代にどうしてもまとまった金が必要で、一番稼げるこの道を選んだわけです。まだ遠隔視と魔弾くらいはできますから、ここなら斥候の口が見つかるかと思ったんですよ」


ディン(術士):

「どうも、術士のディン・シャイアーです。僕は……元々は医者を目指して飛び級で医大に受かったんですが、ショックを受けた多浪中の兄が自殺を図りまして。動揺する父や兄たちを横目に、無免許で医療呪術を使って緊急オペで兄を救ったんです。結果、救命は成功しましたが医大合格は取り消し、兄からは拒絶され、父からは勘当されました。まあ、無資格での救命が『緊急避難』として特別に許されるダンジョンの中に、自分の居場所を見つけた……って感じです。だから僕は『術士』だけど治療も担当できると。ダンジョン外でやったら闇医者ですけどね」


――それぞれ深い事情と強い絆(?)をお持ちなんですね!


クラヴィス:

「いや、レライエさんはともかく動物以下のクソバカと人格破綻ナンパ野郎とは別に絆とかない。俺は俺でやるだけだ。探索者なんてまず個人ありき、実力ありきだろ」


テオドール:

「は? テメコラ普段からディンに世話になっといてその言いぐさはどういうことだオラ。第三階層で全滅しなかったのはディンの治療とレライエさんの判断がまともだったからだ。テメエにはもうリーダーの資格なんざねえって前に言ったよな? マジちょっとテメエ調子乗ってンな? 表出ろ。迷惑にならねえようにやんぞ」


クラヴィス:

「しつこいぞビビり野郎。一回や二回壁にぶつかったくらいで震えあがってんなよ。だいたい俺が仕切り直して鍛え直すって宣言した後テメエ納得してたよな? 脳みそゼロか? 上等だよ廃棄王国の前にテメエをゴミ箱に突っ込んでやるぜド腐れテオ。骨の一本二本は覚悟しろよ。大好きなディンに世話してもらえ」


――えーと! こ、今後の活躍も期待しています!



・『コラム:受付窓口でお茶を飲みながら』

◆担当:受付係エルマ(※本コーナーはエルマ、ポーレッテ、サフィーリアによる交代制でお届けします!)


「みなさん、はじめまして! 探索者協会一階窓口のエルマです!

 ついに始まりました『モラン探索者広報』! 初回ということで、ちょっと緊張しながらペンを握っています(いやキーボードか)。


 私たちが働く受付窓口は、探索者のみなさんが安全にダンジョンへ向かい、笑顔で帰ってくるための『ホーム』です。日々の手続きやクエストの発行はもちろん、ちょっとした疑問や雑談でも大歓迎ですよ!

(提出書類の文字だけは読みやすく書いていただけると助かります……!)


 次回以降は同僚のポーレッテちゃんやサフィーリアさんにも語ってもらう予定です! みんなでこの広報紙を作り上げていきますので、ぜひ応援してくださいね!」


・『スポンサー広告』

【広告1】ペリグランティア製薬

『過酷なダンジョンでの負傷・疲労に! 高純度抽出・急速回復霊薬《ペリキュア》大好評発売中。激痛を一瞬で和らげる最高峰の治療体験を、あなたの手に』


【広告2】マウザ葬儀社

『万が一の時も、大切な方との思い出を尊厳と共に。迷宮内での遺品回収、遺体捜索、遺品オークション代行、死霊術による最後のお別れまで』


【広告3】ダイベルムファクトリー

『男のロマンをその手に! 最新型多機能変形武器《ヴァリアブル・ギア》シリーズ新登場! 剣から槍、槌から弓、果ては呪石杖へと一瞬で変形! 『伝説踏破団』クラヴィスも愛用中!』



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