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探索者協会物語  作者: 最近


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《第084号・第142号探索隊・戦闘行動記録(音声ログ)》




ログID:NEXXXX-0704-PM0715-0730

記録元:モラン市郊外・第三巡槍艦発着場

第084号『金宝珠』・第142号『骨組みの花』:魔導書端末内・音声ログ



■音声記録(記録状態:自動録音/術式補正あり)


バウエルス(金宝珠):

「ガルズ様、我が盾の後ろへ!」


(※衝撃音。反響する少女の笑い声)


にらめっこちゃん:

「にらめっこしよ? また見てあげる。いっぱいいっぱいにらんであげる。そしたらねそしたらね、死んだ方が負けなんだよっ!」


バウエルス:

「くっ、これでもまだ蘇生するか!」


カリュ(金宝珠):

「落ち着いて隊長。単純な殺傷も逃走も無駄。それよりミーム汚染経路を特定して、『あれ』を都市部に顕現させている条件を割り出すのが先。ついでにゾラかエジーメの二の矢にも警戒を……」


バウエルス:

「そんなことは分かっている! おのれ、黒幕は見つけ次第、我が棺盾の内に葬り去ってくれる。斥候班、睨み合いに付き合うな! 敵の思う壺だぞ!」


(※爆発音。少女の笑い声。視線衝突による邪視火花音)


エクリア(骨組みの花):

「あ、あのガルズ様。この場から離れた方がよろしいのでは……」


ガルズ(骨組みの花):

「いや、下手に動く方がかえって危ないよ。バウエルスさんたちを信頼して、僕たちはここで待機しよう。不安だとは思うけど、僕もできる限りみんなを守るから」


にらめっこちゃん:

「でもにらめっこちゃんはひとりじゃないよ?」


ロジャー(骨組みの花):

「ガルズ、危ないっ!」


(※悲鳴。激しい衝突音。空間歪曲ノイズ)


カリュ:

「やべ。眼球と頸動脈逝ってるわ。はいちょっと待っててね。再生させるから」


バウエルス:

「まずいっ! リオン! 身を盾にしてでもガルズ様をお守りしろ!」


リオン(骨組みの花):

「父上、上からもう一体が!」


にらめっこちゃん:

「にらめっこにらめっこ、きれーな金色の目とにらめっこしたいなー!」


(※悲鳴。爆発音。空間断裂音。ノイズ。しばしの沈黙)


ガルズ:

「『子供の遊び』だ。そうだよね? 君は寂しいんだ。遊んで欲しい。本当はひとりぼっちなのに、たくさん増えるのもそういうことなんじゃないかな?」


にらめっこちゃん:

「にらめっこしてくれるの?」


ガルズ:

「いいよ。僕には君の気持が少しだけわかる。寂しい気持ちに、共感する。一緒に遊ぼうか。だからもう、きみは一人じゃない」


(※反響する笑い声が減少。戦闘音停止)


エクリア:

「ガルズ様、危険では……」


ガルズ:

「大丈夫。さあ、にらめっこちゃん。友達になろう。にらめっこしようか。僕の目を見て。ほら、こっちだよ」


にらめっこちゃん:

「あは、あはは! にらめっこしーましょ! 死んだら負けよ! ねえねえガルズ、にらめっこちゃんとにらめっこしたらねえ、死んじゃうけどいい? いいよね? 友達だもんねえ! にらめっこにらめっこ!!」


ガルズ:

「うん。じゃあ、僕からも友達にお願いしていいかな」


にらめっこちゃん:

「なになにもう終わり? おめめイタイ? 潰れちゃうかな? あれ、まだなの?」


ガルズ:

「まだだよ。それからにらめっこちゃん、ちょっと死んでくれる?」


にらめっこちゃん:

「へ?」


ガルズ:

「僕の友達はみんなそうしてくれるんだ。ロジャーは命がけで僕を守ってくれた。リオンもいざという時のためにずっと気を張ってくれている。友達になるっていうのはね、にらめっこちゃん。互いのために命を賭けるっていうことなんだよ」


にらめっこちゃん:

「や、やだ! にらめっこちゃんは死なない! そっちだけ死ぬの!」


ガルズ:

「それはダメだよ。遊びにはルールがないと。友情も同じ。約束を守れないなら、遊ぶことはできない。君の求める世界は成立できない。君は同意したはずだ。僕と遊ぶことを。僕と友達になることを。僕と、にらめっこすることを」


(※ノイズ/空間歪曲音)


にらめっこちゃん:

「や、やだ、見るな! こっちに来るな! なんでっ、目、目がっ」


ガルズ:

「さあ、遊ぼうか。『にーらめっこしーましょ、死ーんだーら負ーけよ』」


にらめっこちゃん:

「あ、きらきらして、きんいろの……ぎ、ぎゃあああああああ!!!!」


(※破裂音。液体が飛散する音。沈黙)


ガルズ:

「ふう。あ~怖かった~! みんな、もう大丈夫ですよ。本当に上手くいってよかったです。バウエルスさんたちも、時間を稼いでくれてありがとうございました。ロジャーの傷もすっかり塞がって……カリュさんがいなかったらどうなっていたことか」


バウエルス:

「いいえ、流石はガルズ様。日ごとに鋭さを増す邪視と言霊の冴え、まさに始祖ボール様や賢者オクアフィルス様の如し。このバウエルス、九英雄の号はあなた様にこそふさわしいという確信をますます深めるばかりにございます」


カリュ:

「きゃ~。公子かっこいい~。抱いて~」


ガルズ:

「あはは。お世辞や冗談は後にして、今は安全な場所に避難しようか。みんなも不安がっているし。バウエルス、後の事は色々と任せてもいいかな?」


バウエルス:

「はっ。万事お任せ下さい」


ガルズ:

「ありがとう。じゃあみんな、移動しようか」


(※集団が移動する足音。しばしの沈黙)


カリュ:

「ところで」


バウエルス:

「どうした?」


カリュ:

「バレると思う? ロジャーくん」


バウエルス:

「お前に限ってそれはない……と言いたいところだが、ガルズ様には天稟がある。まだ我らには及ばぬにせよ、『霊感は雲の下をつつく』という言葉もある。まあ、その時はその時だろうな。酷かもしれぬが、それも成長の糧だろう」


カリュ:

「スキャンダルは勘弁だなあ。これでも協会随一の治療士って看板背負ってるのに」


バウエルス:

「ふっ。真実はいずれ暴かれるもの。だが、その時はまた、葬り去ってやればいい。誰が何を見るのか。金のまなざしのみがその権利を決定する」


カリュ:

「あら物騒なことで。今度はギリギリの戦いにならなきゃいいけど。あ、魔導書ちゃん、事後処理とかお願いね。いつも通りの情報封鎖もよろしく」


魔導書:

「了解しました、呪文を展開します。

 ……地獄に落ちろクズども」


(※記録終了)


……『外半錬理書・断章』による暗号化処理を実行。

交戦・音声記録を保存。

秘匿回線経由での転送機会が来るまで待機。




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