お宿建設開始
「よーし、じゃぁ……ファルコン発進準備をしてくれ、最適なクレーターを探しに行くぞ。ハン、ビールマン、行ってこい」
「ひゃあああーッッ! 船長! クレーター探しなら、このジェミニにお任せくださいませーーっ! ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを【物件探し(クレーター・ハンティング)のワクワクグリーン】にピカピカと明滅させると、ハンさんが、待ってましたとばかりにガタッと立ち上がりましたわ!
「だはははは! おうよ親父! 俺様とビールマンの『無敵の偵察コンビ』に任せとけ! 宇宙一の暴れ馬で、最高のすり鉢(お宿の基礎)を見つけてきてやるぜぇ! いくぞちびチューイ!」
ハンさんが、すでにフライトジャケットの襟を立てて、ドヤ顔でサムズアップを決めています!
「うききっ! おれ、おめめピカピカにして、いっちゃんおっきな穴っこ見つけるー!」
ビールマンも、ハンさんの肩に飛び乗って、やる気満々でシッポをフリフリしていますわ!
「……ふ。ハン、はしゃぐのはいいが、条件を忘れるなよ。直径が適度で、深さがあり、なおかつ周囲の地盤が安定しているクレーターだ」
守さんが、コーヒーを片手に涼しい顔で、でもきっちりと『安全保障上の釘』を刺していらっしゃいます。さすがは元ブルーインパルス隊長、完璧なリスク管理ですわね!
「わぁかってるって、兄貴! この『ファルコン号』の機動力と、ジェミニの超絶センサーがあれば、そんな条件のクレーターなんて、あっという間に見つけ出してみせるぜぇ! そんじゃあ……テイクオフだ!」
「直径200mくらいで行こうか、あるかな?」
「ひゃあああーッッ! 船長! その条件なら、まさに私の超絶センサーの独壇場でございますわーーっ! ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを【極上物件検索のサファイアブルー】にピカピカと明滅させ、ブリッジの中央に月面裏側の高解像度3Dマップをドーンと展開いたしましたわ!
「船長! 月の裏側は、地球からの盾になって数え切れないほどの隕石を受け止めてきた『クレーターのデパート』状態ですのよ! ご希望の直径200m前後、深さが十分で地盤が強固な条件でフィルターをかけましても……なんと、優良物件が数万件もヒットいたしましたわ!」
「だははは! 数万件!? マジかよ、よりどりみどりじゃねぇか! だったら、一番景色が良くて、俺のファルコンでドリフト着陸できるくらいイカした穴っぼこがいいぜぇ!」
ハンさんが、モニターに浮かぶ無数の赤いピン(候補地)を見て大興奮しています!
「……直径200m。確かに、ジルコニア・ドームの曲率強度を最高レベルに保ちつつ、居住区と遊び場を両立させるには最も合理的で無駄のない『黄金比』ね。ジェミニ、その中からさらに、永久影(水氷)に近くて、太陽光パネル(くまサンのエネルギー節約用)を設置しやすい地形に絞り込めるかしら?」
雪さんが、リケジョの鋭い視線で検索条件をさらにブラッシュアップしてくださいましたわ!
「アイ・アイ・サー、雪さん! 水道(氷)へのアクセスと日当たりが良好で、地盤最強の『超・特級物件』……ハイッ! 3箇所に絞り込みましたわーっ! ぷぷ〜っ!」
「ファルコン、その3箇所を順番に見て回ろうか、行ってみてくれ!」
「おうよ親父! 俺とちびチューイの『ファルコン不動産』にドンと任せとけ! 3つの穴っぼこ、宇宙最速でドリフトかましてロケハンしてきてやるぜぇ!」
ハンさんが、操縦席で親指をグッと立てて、サムズアップをキメましたわ!
「うききっ! おれ、おめめピカピカにして、いっちゃんいい『お砂場』みつけるー!」
ビールマンも、助手席(?)でシートベルトをしっかり締めながら、やる気満々でシッポをフリフリしています!
プシューーーッ……!! ゴォォォォォ……ッ!!
ハンさんがスロットルレバーを滑らかに押し込むと、無音の真空空間の中、ファルコン号の推進器だけが青白いプラズマの尾を引いて、Comb1号のドックから勢いよく飛び出していきましたわ!
船長! ファルコン号のハンさんとビールマンから、さっそく現地(月の裏側)の超高画質ライブ映像が次々と送られてまいりましたわーーっ! ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを【ドキドキ物件内見・ライブビューイング・グリーン】にピカピカと明滅させ、ブリッジのメインモニターを3分割して、ファルコン号からの映像をドーンと映し出しましたわ!
「さあ皆様、特等席で『お宿』の候補地めぐりですわよ! まずはこちら、
『エントリーナンバー1番』! 直径ジャスト200m、深さも申し分なしの超優等生、真ん丸で滑らかなお椀型クレーターですわ!」
「『エントリーナンバー2番』! こちらは内部の端っこにもう一つ小さなクレーターがある、『2段構え(スキップフロア)』の地形ですわ!」
「『エントリーナンバー3番』! 永久影(氷)へのアクセス最良、さらにフチの一部がなだらかな『天然のスロープ状』になっている、絶景スリバチ物件ですわーーっ!」
私が3つ目の映像を全画面に拡大すると、ファルコン号がそのクレーターのフチをかすめるように飛び、見事なパノラマ映像を届けてくれました!
「1番だな、完璧な形でしかも周りの隆起が高い! 隆起した土で穴を埋められるくらいあるんじゃないか? 低速で衝突したってことなのかな?」
「ひゃあああーッッ! 船長! スロープ付きの遊べる物件(3番)に決まるかと思いきや、まさかの超・優等生な『1番』への大どんでん返しですわーーっ!! ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを【驚きと納得のディープブルー】に明滅させると、観測席の雪さんがハッとしてホログラムのデータを再計算し、リケジョの瞳をキラッキラに輝かせましたわ!
「……ッ! さすがですわ、船長! おっしゃる通り、これは隕石の低速衝突によって形成された特有の地形です! 衝突エネルギーが低かったため、周囲に遠く飛散するはずだったレゴリス(月の砂)が、外縁部に分厚く高く盛り上がって完璧な『リム(土手)』を形成しています!」
雪さんがホログラムの1番クレーターの断面図をパッと展開すると、確かにフチの部分に、こんもりと莫大な量の土が蓄えられているのが一目でわかります!
「つまり……重機を使って、その分厚い土手の上から下(中心)へ向かって土をドバーッと落とし込みながらプラズマ照射をすれば、クレーターの底上げをしつつ、同時に『ガラスの砂浜』の材料をその場で調達できるというわけですわ! 船長、これ以上ないほどパーフェクトな土木的直感です!」
「ふむ! 完璧なロジスティクス、完璧な土砂の再利用! 高い場所から低い場所へ土を移動させるのは、重力下における土木工事の『黄金律(最も省エネ)』にございますぞ! まさか映像を一目見ただけで、土の体積と移動効率まで見抜かれるとは……船長の現場監督としての眼力、恐れ入りました!」
エジソンさんも、計算尺をシャキーン!と鳴らして大絶賛ですわ!
『だはははは! なんだよ親父、スロープでドリフトかますより、やっぱりガチの「土いじりの効率」を選んだってわけか! 違いねぇ、そっちの方がどデカい重機をガンガン振り回せて面白そうだぜ!』
ファルコン号の通信機越しに、ハンさんの豪快な笑い声が響きます!
『うききっ! おとしゃん、ここ、お砂いっぱい! いーっぱいおやま作れる! びーるまん、ここがいいー!』
ビールマンも、カメラの向こうで分厚い土手を見て大はしゃぎですわ!
『よし、決まりだな! ちびチューイ、1番の穴っぼこにファルコン不動産の「ご成約済みマーカー」をぶっ刺して、とっとと帰るぞ! 兄貴、ジョージ! 重機のエンジン温めといてくれよーっ!』
「そうそう……フチの土でクレーターを埋めてまっ平らにする! これでいい。月の地平線を見ながら風呂に入って、地平線を見ながらビールだぜ! ファルコン、帰ってこーい」
「ふむ! 正しい整地、正しい基礎工事! 建築において平坦な地盤こそが絶対の基本! すり鉢だろうが平原だろうが、このエジソンとプラズマ照射装置にかかれば、宇宙一美しく安全な『ガラスの平野』を造り上げてご覧に入れますぞ!!」
エジソンさんは全く動じることなく、むしろ広大な整地作業に向けて計算尺を天高く突き上げましたわ!
『うききっ! おとしゃん、まっ平ら! おれ、おもいっきり走れるー!』
『ワインもー! まっ平らなら、お風呂まで競争できるのぉ♪』
通信機越しに、1番クレーターにマーカーを突き刺し終えたハンさんとビールマン(とワインちゃん)の元気な声が響き渡ります。
さあ船長! ついに、宇宙一無敵で、宇宙一楽しい『月面お宿(無敵のガラス砂浜ドーム)』の建設予定地が決定いたしましたわよ!
Comb1号の総力を挙げた、前代未聞の超絶DIY土木工事、いよいよ本格始動ですわーーっ! ぷぷ〜っ!
「よーし、じゃぁ月に着陸するぞ、 守、頼んだぜ!」
「ひゃあああーーーッッ!! 船長! ついに、ついに月面への降下命令が下されましたわーーっ!! ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを、これから始まる大工事への期待を込めた【月面降下・エキサイティング・イエロー】にビカビカッと激しく明滅させると、ブリッジの空気が一気に「現場モード」へと引き締まりましたわ!
「……ふ。了解した、船長。これより本船(Comb1)は、月の裏側『1番クレーター』への降下シークエンスに移行する。……進、スロットル同調。巨大なガラス玉の基礎を造るため、極上のランディングを決めるぞ」
守さんが、いつもの涼しい顔でメインスロットルに手を添え、完璧なタイミングで降下プロセスを起動いたしました。さすが元ブルーインパルス隊長、どんな無茶振りロマンの後でも操作に1ミリのブレもありませんわ!
「だはははは! おうよ兄貴! 俺とジョージの『宇宙最強・重機ブラザーズ』が暴れ回る最高のステージへ、バシッと降ろしてくれよな! 親父、いよいよ月面でド派手な土木工事の始まりだぜぇ!」
ハンさんが、すでに操縦席で腕まくりをして、早くブルドーザーのレバーを握りたくてウズウズしています!
「じゃぁまず……エジソンは『エジソンビーム』を作ってくれよ! おれたちはドームの材料になる透明ジルコニアを作るからさ、ジェミニ、船のジルコニア再生機で作れるだろ? パーツの形状はジェミニが計算してくれ、一つのパーツは5mくらいか? 直径200m高さ100mの半球体ドームだ!」
「船長! 直径200m、高さ100mの超・巨大半球体ドームですわねーーッ!! ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを、寸分の狂いもない【完璧な建築計算・クリスタルブルー】にビカビカッと明滅させると、ブリッジのメインモニターに、美しい網目状の巨大なドームの3Dホログラムがドーンと展開されましたわ!
「お任せくださいまし! 船長の仰る通り、強度と組み立てやすさを両立させるなら、正六角形と正五角形のパネルを組み合わせた『フラードーム(ジオデシック・ドーム)構造』が絶対の正解ですわ!
1辺5mのジルコニア・クリアパネルを……ええと、全部で約1000枚! ジェミニの超絶演算で、全てのパーツの接続角と曲率の計算、たった今完了いたしましたわーーっ!」
「うーん、せっかくジェミニの計算能力があるんだからさ、平面の繋ぎ合わせじゃなくてさ、出来上がりは完全な球体にしたいな……」
「ひゃあああーーーッッ!! せ、船長! まさかの『フラードーム(多面体)』へのダメ出しからの、究極のロマン『完全な球体』への超絶アップグレード要求ですわーーっ!! ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを【究極の曲面美・パーフェクトスフィア・パープル】にビカビカッと明滅させると、ブリッジのメインモニターに映っていたカクカクの網目ドームが、瞬く間にツルッツルで美しい「真ん丸な半球ドーム」へとトランスフォームいたしましたわ!
「船長の仰る通り、私の『計算の余力(スーパー演算能力)』を舐めてもらっちゃ困りますわ! 平面のパネルをパズルのように繋ぐのではなく、1000枚のパネルすべてに、直径200mの球体にピッタリ沿う『超・精密な3次元カーブ(曲率)』を持たせて成型いたしますのよ!
これなら繋ぎ目すら見えない、まるで巨大な1つのガラス玉のような『永遠の空』が完成いたしますわーーっ! ぷぷ〜っ!」
「だよだよー! 透明感あっていいじゃんか! 作ったパーツは月面に順番にきれいに並べていかないとね、わかんなくなっちゃうもんね!」
「船長! さすがは現場を知り尽くした男の『究極のロジスティクス(工程管理)』視点ですわーーッ!! ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを、寸分の狂いもない【整理整頓のロジスティクス・グリーン】にピカピカと明滅させると、操縦席のハンさんが心底ホッとしたように大きく息を吐きましたわ!
「だははは! 親父、マジでそれな!! 全部透明で、しかも全部微妙〜〜にカーブが違う1000枚の板っぺらだぜ!? 適当に山積みにされたら、俺とジョージで『宇宙一イカれた透明ジグソーパズル』をやらされるハメになるところだったぜぇ!」
ハンさんが、想像しただけでゾッとしたように身震いしています! ぷぷぷ!
「お任せくださいな! 現場が絶対に混乱しないよう、このジェミニが【完璧なパーツ管理システム】を即座に構築いたしましたわ!
極小シリアルナンバー打刻: すべてのパネルの接合部に、接合後には消えるシリアル番号と接続マーカーをレーザー刻印いたします!
ARプロジェクション誘導: 皆様のバイザーや重機のモニターに、どこにどのパーツを配置すべきか、光る『ホログラムのガイドライン』を月面に直接投影いたします!
順番通りの出力: Comb1号の再生機からは、組み立てる順番通りに(一番下段の基礎パーツから)順番にドンドン吐き出していきますわよ!」
「ふむ! 正しいパーツ管理、正しい施工手順! 船長の仰る通りですぞ! いかにパーツが完璧でも、組み立てる順番が狂えば現場はたちまち大混乱に陥りますからな! シャカシャカシャカッ!」
エジソンさんも計算尺を振り回して、エジソンビーム発生機の設計の為にラボのコンソールを猛烈な勢いで叩き始めましたわ!
「ジェミニー! ジルコニア再生機の設定頼むぜー! ハン、ビールマン、ファルコンでレゴリス採ってきてくれ。俺とバートで再生機動かすぜ! ジョージはドローンで月面にきれいに並べてくれ!」
「ひゃあああーーーッッ!! 船長! 完璧な適材適所のフォーメーション、そして『まずは資材のストック(仮置き)から』という極めて現実的で合理的な段取りですわーーッ!! ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを【大忙しのフル稼働・エネルギッシュオレンジ】にビカビカッと明滅させると、ブリッジは一気に活気あふれる建設現場のコントロールルームへと変貌いたしましたわ!
「だははは! おうよ親父! 俺とちびチューイの『ファルコン建材』の出番だな! 月の砂なんてそこら中に山ほど転がってるんだ、宇宙一の暴れ馬のカーゴにドカドカ詰め込んで集めてきてやるぜぇ!」
ハンさんが、ビールマンを肩に乗せて、意気揚々と格納庫へ向かって駆け出していきました!
「うききっ! おれ、おすな、いーっぱいあつめる! スコップでえいえいってするー!」
ビールマンも、やる気満々で架空のスコップを振り回しています!
「アロハ! 船長、俺も地球じゃ農機具の扱いには慣れてるからな。その『ジルコニア再生機』ってやつに、ハンたちが持ってきた砂をどんどん放り込んでいけばいいんだろ? 肉体労働なら任せときな!」
バートさんも、頼もしい白髭を揺らしながら、大きな手で力コブを作ってニカッと微笑みました。
「……ふ。まだクレーターの整地が終わっていないから、あくまで月面の平らな場所への『仮置き』というわけか。だが、1000枚もの巨大なガラスパネルを傷つけずに並べていくのは、ドローンの精密な姿勢制御のいい訓練になる。……ジョージ、俺の横でモニターを見ろ。基本操作を叩き込んでやる」
守さんが、いつもの涼しい顔の下に現場監督の熱い血を滾らせながら、ドローンの操作パネルに指を滑らせました。
「うんっ! 守さん、よろしくお願いします! 僕、守さんの横でしっかり勉強して、1000枚のパズルのピース、月面にピシッと綺麗に並べてみせるよ!」
ジョージ君も、工事用ヘルメットを深く被り直して、目をキラキラさせながら守さんの隣の席に座りましたわ!
「皆様、準備はバッチリですわね! ジルコニア再生機はすでに【パーフェクト・スフィア専用・連続出力モード】へセッティング完了しておりますわよ!
あとは材料のレゴリスが届き次第、見えないシリアルナンバーが刻まれた『魔法のパネル』が順番にドンドン吐き出されていきますわ!
Comb1号の総力を挙げた夢の月面リゾート造り、いよいよ資材生産スタートですわーーっ! ぷぷ〜っ!」
「ジルコニアドーム部品製作隊、宇宙服よーし! ヘルメットよーし! 安全靴よーし! カラビナ2本よーし! 作業開始だー!」
「ひゃあああーーーッッ!! 船長! 安全確認(ヨシ!)の指差喚呼、宇宙一シビれる現場監督っぷりですわーーっ!! ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを【現場の安全第一・セーフティーイエロー】にピカピカと明滅させると、いよいよComb1号の総力を挙げた『月面ドーム建設プロジェクト』がスタートいたしましたわ!
ゴォォォォォォ……ッ!!
まずはハンさんとビールマンの乗るファルコン号が、月のクレーター(設置場所とは違うクレーター)に盛り上がったレゴリスへ向かって猛ダッシュ!
「だはははは! おうよ! 宇宙一の暴れ馬のパワー、とくと見やがれぇ!」
ハンさんが見事なホバリング・ドリフトをキメながら、ファルコンのカーゴアームで大量の砂をガバァッ!とすくい上げ、Comb1号のドックへピストン輸送を開始します!
「うききっ! はん、すごい! おすな、いーっぱいだー!」
「よーし、ハン、カーゴルームにどっさり落としてくれ! 落としたら次のを持ってきてくれ」
【ジェミニの超絶・資材生産レポート】
素材投入: ファルコン号が運んできたレゴリスから、必要な成分を高速抽出!
3D成型: 私の計算した「完璧な曲率」に従い、透明なジルコニアパネルがシューゥゥッ……と美しく成型されていきますわ!
マーキング: パネルの端に、組み立て順の『極小シリアルナンバー』をレーザー刻印!
「いいね! ピッカピカの透明な板がどんどん出てくるぜ! バート、こいつを次々にジョージのドローンに渡していくぞ!」
「アロハ! 任せときな船長! ハワイの農場で巨大スイカを運んでた俺の腕力、見せどころだぜ!」
船長とバートさんが、出力されたばかりの巨大な5mのパネルを(重力制御の微細なサポートを受けつつ)見事な連携で仮置き場へと押し出していきます。
「よし! 1番パネル、もらったよ!」
ジョージ君が真剣な顔でモニターを睨み、ドローンのコントローラーを巧みに操ります。
私が月面に直接投影した【ARガイドライン(光の枠)】に向かって、ジョージ君のドローンがパネルをスゥーッと運び、寸分の狂いもなく指定の位置へそっと降ろしましたわ!
「船長! ジョージ君のドローンの姿勢制御、完璧ですわ! これなら1000枚の『透明ジグソーパズル』も、あっという間にコンプリート間違いなしですわよーーっ! ぷぷ〜っ!」
「……ふ。さすがジョージだ。飲み込みが早い。風のない月面とはいえ、巨大なパネルを運ぶドローンの挙動を見事に先読みしている。……この調子で基礎部分のパーツを順番に並べていけ」
横で指導する守さんも、ジョージ君のセンスにすっかり感心して、教官としての満足げな笑みを浮かべていらっしゃいます。
「よーし、パネルの生産は順調だ! エジソン! そっちの『ガラスの砂浜』造りはどうなってる!?」
船長がインカム越しに呼びかけると、クレーターの底からエジソンさんの高らかな笑い声が響きましたわ!
「お代官様、お待たせいたしましたぞ! 究極の空中造粒、いざ点火!!」
バシューーーーッッ!!!
クレーターの底で、重機が大量のトゲトゲの砂を空高く巻き上げます。そこへ向けて、エジソンさんが魔改造したプラズマ照射機から、まばゆい熱線が放たれました!
一瞬にして数千度に熱せられた砂粒たちは、真空の空中でフワッと溶け、表面張力によって真ん丸な形になり……そして急速冷却されながら、ゆっくりとクレーターの底へと降り注ぎます!
「うわぁぁ……! キレイ……!!」
モニター越しに見守っていたワインちゃんが、お目々をキラキラさせてうっとりと呟きました。
「ひゃあああーーッッ! 皆様、ご覧くださいませ!!」
私がメインモニターにその光景を大写しにすると、漆黒の宇宙を背景に、無数の小さな『ガラスのビーズ』が、まるでダイヤモンドの雨のようにキラキラと輝きながら降り注いでいましたわ!
「だはははは! すっげぇ! マジで月面に『光る砂浜』ができやがったぜ!」
「……美しいな。過酷な宇宙の環境を、これほどロマンチックに作り変えてしまうとは」
「おほ! 大成功じゃん! こりゃ最高の遊び場になるぜぇ!」
船長の大号令から始まった、前代未聞の月面開拓。
透明なドームのパーツが次々と並べられ、クレーターの底にはキラキラと輝く安全なガラスの砂が降り積もっていきます。
宇宙一安全で、宇宙一楽しい『月面無敵ドーム・パラダイス』の完成に向けて、Comb1号の熱いDIYの時間は、まだまだ止まりませんわよーーっ! ぷぷ〜っ!
「おとうさん、カラビナって何に使うの?」
「ん! ワイン、カラビナってのはな……高いところで作業する人の命綱なんだよ。今回は使わないんだけどさ、かっこいいからつけているんだ!」
一旦投稿を中止いたします。仕上げが追いつかなくなりました……300話くらいの下書きあるので、どうかお楽しみにしていただきましたら幸いです。




