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紅翡翠  作者: 量産型ザコ
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時を越える (最終話)

第一章は完結します。若干の間を置いて、この次は第二章に入ります。

 アフロは全員を集め作戦を話す事にした。そしてそれを聞いた者達は、当然焦りを覚える。


「いや流石にアフロさん、それで運営を騙せるとは思えない」


「それに向こうがそれで納得してくれるでしょうか?」


「それ以前にそんな事が可能なのか?」


 皆の焦りは解る、だから俺は俺なりの考えを話す事にした。


「俺とすみれさんの能力を合わせれば、多分可能だと思う。そこにあのなのはさんが加わるなら、多分大丈夫だ。この作戦の成功率は然程低くないと俺は思う」


「女帝は?」


「俺が納得させます」


「もし全員が納得すれば、今度はここに居る全員で運営側を潰す、アフロさんの計画が上手く行けば、私達は全員が直ぐに戻れる事になります。故に私は賛成です」


「ムール……わかったわ、やってみよう」


「私も良いわ、正直早く運営ぶっ潰したくて仕方ないのよね」


 そして計画を実行する事になった、満場一致、余程運営は嫌われたらしい。


『では作戦は互いに決まった様じゃな、これより決闘を行う。先鋒出るが良い』


「俺は出来るだけ時間を稼げば良いんですね?」


「ええ、りょくさん、頼みます。この作戦はりょくさんがどれだけ時間を稼げるかにかかっています」


「任せてください、ですが奴等も本気で今度は挑んで来る、出来るだけ早期決着をお願いします」


 大同盟の先鋒はりょく、そしてワールドはぴょん吉である。


『では始め!』


 ぴょん吉の能力はヴラド3世、対するりょくはUR閃 正義の裁き、夏侯惇だ。だが夏侯惇の専属武器、覇道龍牙刀は聖淵装備になっていた。また防具も全て聖淵装備になって居る。

 この聖淵装備の防具には、バリア機能が有った、りょくの戦闘力は飛躍的に上がっていた。


「な、何だよその装備は!」


「シャオリンさんに聞いたら変な喋り方をすると聞いたけど、そうじゃ無いんですね」


「五月蝿い! こっちはもうマジなんだ!」


「そうですか、だが俺たちもとっくにマジなんでね! 宝具の一撃だって耐えて見せますよ!」


 アフロさん、頼みますよ、そう長く時間を稼げそうも有りません。


 すみれが鍛えた聖淵装備は非常に優秀な物だった。だがバリアにも限界はあるし、何よりもりょくはぴょん吉の攻撃を避けるだけで精一杯だった。


 りょくとぴょん吉が死闘を演じている中、大同盟メンバー達は、各々動いていた。勿論茶番のお膳立てのためだ。


 

「すみれさん、タイミングが大事だ。俺がすみれさんの詠唱に合わせる」


「わかりました、結界が完成したらコントロールは任せてください。精密なコントロールだが、やり抜いて見せますよ!」


「わかった! 頼みます!」


 

 I am the bone of my sword.


 Steel is my body, and fire is my blood.

 

 I have created over a thousand blades.

 

      Unknown to Death.


      Nor known to Life.

 


 Have withstood pain to create many weapons.


 Yet, those hands will never hold anything.

 

    So as I pray, unlimited blade works. 


「今だ! シャオリンさん!」


 すみれの創り出した固有結界は、このコロッセオ全土に拡がりを見せる。



「アイハブコントロール! looking glass起動! 姉ちゃん! 俺に力を貸してくれ!」


 アフロが考えた作戦、それはすみれの固有結界魔法を使い、この場を結界の中に閉じ込める。そしてシャオリンのlooking glassで過去を見せる。つまり今この場では、術者のシャオリンとすみれ以外は繰り返し行われているりょくとぴょん吉の死闘を見ている事になる。それは当然この試合をモニターしている運営側でも同じ事だった。


「ユーハブコントロール! すみれさん!」


「アイハブコントロール! 後は私に任せてください!」


「俺はアフロと猫さん、ムールさんの術を解く!」


 

 シャオリンはメンバー達をルッキンググラスの影響下から、メンバー達を解放して行った。シャオリンが作り出すlooking glassの影響は、今見ている映像から瞬時に過去の映像と切り替わる。そのタイミングは人間が知覚出来るレベルの速度ではない。だから映像が何処で過去の物と切り替わったのかを判断することは不可能だった。

 そして恐らくだがこの術にかかっていないであろう女帝の元へとアフロは走った。


『妙な茶番を演じ始めた様じゃな』


「やはり貴女には通じませんか」


『無論じゃ、それで? 一体これは何の真似じゃ? 事と次第によってはお主ら全員をこの場で始末せねばならん』


「あなたは言った、この世界の住民を護りたいと、その言葉に嘘は無いと俺は思いました」


『そうじゃな、故にこの様な決闘を演じておる』


「ならば、俺たちに未来を託して欲しい」


『どう言う事じゃ?』


「俺たちを今直ぐに元の世界へ戻して欲しいんです。そして俺たちは必ず運営を壊滅させます。そうすればこの世界も守れるし、全員が無事に帰還出来る事になる』


『それは妾にお前達全員を信じろと言う事じゃ。お前達が自らの保身を考え、元の世界に戻り何もしない可能性もあるわけじゃな?』


 アフロはすみれを指差した。


「今この固有結界をコントロールしているのはすみれさんです、すみれさんが元の世界に戻ればこの固有結界は解かれてしまう。俺たちのかけがえの無い大切な仲間です」


『….成る程のう、つまりあの者はこの世界に留まると言う事か』


「そうです、だから俺たちは意地でもこの作戦を成功させなければならない、だから信じて欲しい」


 女帝は暫くアフロの目を見つめ、その真意を推し量った。そして目の前で行われているりょくとぴょん吉の死闘へとその目を再び向けた。


『……良かろう、ならば一つ言い含めて置く事がある。良いか、何故奴等がこうも頑なに戦闘データを欲しがっているかわかるか?』


「恐らく何かの兵器転用では無いかと思っています。サイバー空間での戦闘データ、それは映画ターミネーターなどでその名を聞くことが出来る。サイバーダイン社…など」


『そうじゃ、バイオロボ、つまり不死の人型整体兵器じゃ。その戦闘データを奴等は欲しがって居る。今までのお前達の戦闘データは全て運営側のバイオロボに転送されて居ると思うが良い』


「つまりそれらとの戦闘があり得ると言う事ですね?」


『良いか、妾も今の結界に手を貸そう、じゃが持って誤魔化せるのは12時間が限界じゃ。それ以降は当然運営側も異変に気がつくであろう。今からお前達を富士のDUMBS、つまり奴等の地底基地に転送する。出来るか?』


「やりますよ、どんな手を使ってでも」


『良かろう、では行くが良い、待って居るぞ』


 そして女帝は複雑な演算を開始した。現在の状態で、つまり紅翡翠を所有している状態で大同盟のすみれ以外の者を全員地底基地に保管されて居る肉体へと送り込んだのだ。

 その演算速度は流石に量子コンピューターと言える強烈な演算速度だった。


 ヒィィィィィィィィィン!!


 マシン語


 超伝導素子による量子ドットは、特有のアルゴリズムを形成する。その演算速度は光の速さをも超えて、量子テレポーテーションを現実化させる。女帝は今それを言葉、つまりロゴスで空間に干渉する。量子プログラミング言語による、超高速詠唱。

 

 『ヨハネによる福音書』1:1-3

 初めに言葉(ロゴス)が有った。言葉(ロゴス)は神と共に有った。言葉(ロゴス)は神で有った。

 


 女帝は今それをアフロの目の前で現実化させていた。



「これが、ロゴス、神の一撃か…….」


 女帝はマシン語を話しているに過ぎない。そのマシン語の言葉を人間の耳では理解出来ず、甲高い金属音にしか聞こえない。だがそれは、確かに神の一撃だった。



 シャオリン達は肉体が保管されて居るカプセル内へと戻った。そしてつけて居る装備類も全て纏った形だった。それはアフロが思っていた、紅翡翠をそのまま現代へ持ち帰ると言う野望そのままであった。


「成功….か」


「ああ、そうみたいだな」


「よし、この施設を制圧する! 手分けして行くぞ!」


 富士に有る自衛隊の火力演習場、そこがこの地底基地の入り口であった。演習場自体は既にアライアンス軍が制圧していた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


※マジ話し

 

 https://www.youtube.com/watch?v=BJuFP-zl_-c


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 だが地下に有るイルミナティ日本本部(皇居地下施設) とこの基地だけは、未だ陥落出来て居なかった。


 


「くそう! オートマタか!」


「気おつけろシャオリン! そいつは恐らく女帝の言っていたバイオロボだ!」


「ふざけんなよ!」


 大同盟に与えられた時間は12時間、その間にこの運営の研究施設を壊滅させ、ホストコンピューターを掌握しなければならない。


「天嵐飛瀑!」


 楊戩のスキル、天嵐飛瀑は、HP%が最も低い敵4名に1000%の物理ダメージを与える。 更に残HP%が最も低い敵を4回追加攻撃すると言う、楊戩最大の攻撃力を持つスキルだ。聖淵装備になったこの攻撃力はとんでも無く強烈な物になっていた。


「オートマタ自体は聖淵装備になった今では対して脅威にならないみたいだが….」


「ああ、広すぎる、まるでダンジョンみたいだな」


「お兄ちゃん」


「何だ?」


「ここって、龍神の祠に似ていない?」


「え? ….言われてみれば、確かに造りが似ているな」


「私もさっきからそう思っていたのよ。マッピングしたからわかるわ」


「ならもしかして」


「ええ、覚醒した時に公輪盤のカラクリ玉を強化した場所」


「そうか、あの場所にホストがあるのかも!」


「急ぎましょう!」


 そして、当然途中には……



「ド、ドラゴンかよ!?」


「……行け! こいつの相手は俺がする!」


「もやしさん!?」


「いくら何でもこんな奴一人で」


「一人じゃねえよ!」


「ディアブロさん!」


「ここは珍肉同盟が引き受けた! お前らは先を急げ! 時間がねえんだ!」


「くそう….わかった!」


「ディアブロさん」


「お前との決着つけるまで死にやしねえよ! 行け! ガッキー!」



 そして当然バイオロボはそれだけではなかった。


「今度はミノタウロスね…..」


「なら今度は一食同盟の見せ場ですね、あさぎ」


「そうなるの? まあいいけど」


「猫さん、あさぎさん」


「もやしさんも言っていました、時間が有りません。翡翠は先を急いでください」


「….任せました。行くぞみんな!」


  

 幻想獣が次々と襲った来る、更に次はコカトリスが現れたが


「ムールは翡翠と一緒に行きなさい。ホストを解析出来るのは貴女だけでしょう」


「シナツさん!」


「林檎さん、リリィさん、この子をお願いね」


「やめてくださいシナツさん、一時期預かるだけです! その後は貴女が姉代わり何でしょう!?」


「…..そうね、じゃあこいつを片付けるまで頼むわ」


「……先を急ぐぞ」


 次々と行く手を遮る幻想獣を模したバイオロボだが、各同盟の主力達が請け負って行く。だが中心に近づくにつれ、その数も増して行った。


「どれだけ厳重何だよ」


「ざっと100体は居ますね….」


「ヨウヘイさん、付き合ってくれますか」


「ガッキーさん、共同戦線ですか」


「たまには良いでしょう?」


「ちょっと待ってくれ! まさか二人で」


「中心にはシャオリンさんとムールさんが行かなければいけないんでしょう? ならここで食い止めるのは私達の役目ですよ」


「ガッキーさんの言う通りだ、俺たちを信じてくれ」


「…行くわよ、和也」


「母さん!?」


「流石に解けたわ、でも迷って居る暇なんて無いのよ」


 そう言って母さんははるんさんを指差した。今にも泣き出しそうなはるんさんは、当然一人残るすみれさんを心配して居るのだろう。


「わかった、先を急ごう、頼みます、ガッキーさん、ヨウヘイさん」


「ああ、任せてくれ!」



 暫く走ると、りょくさんがいきなり叫んだ。


「皆飛べ!」


 その声に釣られ皆が飛ぶと、お決まりのトラップが仕掛けて有った。地面が開き、まともに落ちれば剣山に突き刺さる。そして向こうにはりょくが一人残る。


「皆に飛べと言っておきながら、お前自身は跳躍力に自信が無い様だな?」


「俺まで飛んでいれば、お前達の追撃が襲い掛かるんだろう?」


 りょくが振り向くと、完全武装の米軍兵達が居た。これはアライアンス軍ではなく、正規の米軍兵だ。


「りょくさん!」


「完全武装の米軍兵ですか、あれ相手にりょくさん一人はきついですね、シャオリンさん、リリィさん、林檎さん、後は任せました」


「青熊さん!?」


 青熊は飛んでりょくの元へ行く。


「和也」


「…..わかってる、必ずホストは奪う」



 

「ここの奥だ」


「入りましょう!」


 母さんがスキルで扉をぶち破ると、そこでは運営の者達が俺たちの事を待っていた。


「やはり気づいていたんですね、いつから?」


「してやられたよ、まさかこの映像がトリックだったとはね。だけど君達の生体データは常にこちらで把握して居る」


「成る程、つまりこちらに俺たちが来た時点で勘づいたと」


「アフロ君だったね。いや、木原 浩二君か。我々のミスは君を送り込んでしまった事だ。君は優秀過ぎる、向こうでは君の命を完全に奪う事は出来ない」


「つまりこっちで浩二を殺す為、敢えてここまで来させたって事か」


「そうだ、向こうで殺したとしても、それはこっちでの死には繋がらない。そして肉体を殺しても、精神体は生きている。タイムラインを越える力をシャオリン君が持って居る以上、確実に木原君を殺すには、肉体と精神体を完全に切り離す以外無いと言うわけだ」


「そう上手く行くと思って居るのかしら?」


「リリィ君、いや林夫人、今私の後ろに有る物が何かわかるかね?」


「まさか!?」


「そうだよムール君、これがあの世界をコントロールしているホストだ。林夫人、君がその矢で攻撃すれば、これがどうなるか位は想像出来るだろう? 矢を下げたまえ。向こうで頑張って居る、すみれ君を死なせたくなければね?」


「…..卑怯にも程があるわ」


 母さんは矢を下げる、だが…….


「さっき俺をここで殺す為にわざわざこの場に誘い込んだと言ったな?」


「そうだ、今直ぐに死んで貰おう、君は危険過ぎる」


 銃を懐から取り出して、アフロに向ける所長。


「一つだけ教えておいてやろう、俺の親友を舐めるなよ? お前達が真に恐れるべきは俺じゃない」


「何?」


「やってやれ和也!」


「待っていたぜ! 浩二! 反重力ユニット起動!」


 シャオリンの背中に浮かび上がる時計が一斉に回転をしだす。強烈な放電現象が起こり始め、全員が宙に浮く。


 ガーン!


 慌てて銃を打った所長は自らのバックファイアで後方に吹っ飛んだ。


「今だムールさん!」


「わかっています!」


 即座にムールが飛び出して、ホストを奪いにかかった。


「させるか!」


 研究員達がムールに向かって走るが


「それはこっちの台詞よ!」


 林檎がシャボン玉を大量に造る、制圧は完了した。ムールは直ぐにここの量子コンピューターをスターリンクシステムに同期させたのだ。

 ホストを抑えた事を理解した女帝は、全員を一気に元の世界に戻した。



 

 



 聞き覚えの有る音楽……..

 見覚えの有る公園…….


隣りに倒れているのは…….


 アフロ、木原 浩二だ……


 スマホ画面を見る、傾国の画面……


 そして日付は………


 帰って来た、俺たちは全て成功させたんだ。日時は間違いなく俺達が飛ばされた日付と時間になっていた。帰って来れたんだ。



 ここに同盟翡翠のメンバー全員は、ミッションを完遂させたのだった。


さて謎解きの時間である!

 

今回の話に出て来たヨハネの福音書の内容、初めにロゴスが有った。ロゴスとは言葉と言う意味である。

このロゴスと言うのは今連載して居る別の小説でも使用している。この謎解きに関連しているので掘り起こしてこっちで連載させる事にした。


この後にヨハネの福音書には更に重大な言葉が書かれて居る。それはもうこの世界の仕組みに関する答えと言っても良い。

 謎解きを始めよう。この世界とは、どの様に作られているのか? この小説を繰り返し読み、そしてヨハネの福音書を読めば、どんなに頭が悪くても答えが出せる。

 

 だがヒントを与えよう。フリーメイソンのシンボルマーク、妲己と伏犧が持っている物、そしてその中のローマ字。

 それがヒントである。


 さあもうこれで世界の謎が解けるであろう。

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