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紅翡翠  作者: 量産型ザコ
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嵩山の戦い 2

今日の投稿!

 はるんがエリンと戦闘していた頃、分断された後方で、ガッキーとカカロットも対峙していた。付近では兵同士が激しく戦闘している中、このガッキーとカカロットの居る一部分だけは異様な空気に包まれていた。それは数合ガッキーとカカロットが打ち合った事による物だった。


「……..ガッキー…..だったか。お前のその剣筋、単に能力を得た為の物では無いな?」


「良く見抜いたな、そう言う君の剣もどうやら能力を得たからと言う単純な物では無い様だ。私はこの世界に来て、いち早くこの能力を使いこなした。その理由がなぜか何度も考えた。皆は中々能力に慣れずに居たよ。だが私だけは何故か能力を自在に使いこなせたんだ。そして一つの結論を導き出したよ」


「お前は剣術を会得していたから….そうだな? しかも侍が使う剣術だ」


「近所の叔父さんが剣術道場をやっていてね、私はそこで幼い頃から剣を学んでいたんだ。流派は新陰流、つまり私の能力である、上泉信綱が開祖の剣術だよ。だからこそ私はこの自ら得た能力、上泉信綱の剣術を誰よりも使いこなせた訳だ」


「成る程…..レベル差では圧倒的に俺の方が上だが、それが今の五角の競り合いの理由と言う訳か。では此方も答え合わせをしよう。俺は趣味でサバゲーをやっていてね、しかも俺の所属チームは限りなくリアルに近い形を追求している。つまり実際に刃を殺したバトルナイフでの戦闘も行って居るんだ。お前ほどでは無いが、俺はそう言う理由で剣道を習って居る。それにレベル差が加算されたのが今の立ち合いだろう」


「つまりこの能力はリアルでの経験も加味されると言う訳だね?」


「VR空間なんだ、当然だろう。さて、非常に面白くなって来た。やはりこうでなくてはならない。お前と相対せた事に感謝しよう、ガッキー」


「私は非常に不運に思って居るのだがね? もうちょっと楽に勝ちたい物だ」


「良いか、スキルなど使ってくれるなよ? 俺も宝具は使わない」


「スキルを使った所で君に通じるとは思えないね?」


「そう言う事だ! サバゲーとは互いの力量のみで殺り合う事に面白みが有る!」


「ここはサバゲー空間では無いんだがね!」


 果たし合い、又は一騎討ち、そう言う剣戟が2人の間に繰り広げられていた。互いに五角の戦い、だがそこには大きな違いが存在していた。ガッキーの方は能力と自ら持つ新陰流剣術のスキル、それを目一杯使っての五角の打ち合い。

 対するカカロットは自らの宝具を封印しての、つまり舐めプをしていたのだ。実際この五角の競り合いの中で、カカロットが宝具を解放すれば、勝利の女神は完全にカカロットに微笑んでいただろう。ある意味ガッキーはこのカカロットの舐めプに救われていた形になる。


 ガッキーはカカロットから少し距離を取り、間合いを開けて、剣を自らの顔の真正面で真横に構えた。実際今からガッキーがやろうとしている事で、カカロットに通用しなければ、ガッキーはここで敗北をする。それはガッキーに取って背水の陣だった。


「何をする気だ? 貴様から凄まじい闘気を感じるぞ?」


「楽しんで居る様に見えるんだがね?」


「ああ、楽しい。俺はこう言う死と隣り合わせの戦いを待ち望んでいたんだ。今俺は最高の瞬間に居る」


「まるで君の名前そのままだな、バトルジャンキーか」


「そうだ、俺はそう言う理由でこのプレイヤー名を必ず使う、さあ見せてみろ! お前の剣を」


 ガッキーはそのまま自らの間合いに飛び込んだ、だが迎え撃つ様にカカロットも一気に間合いを詰めて、剣を振り下ろした。だが…..



「おわ! これは……..素晴らしい! 素晴らしいぞガッキー! 今のは何だ!? グフ!!」


「新陰流奥義、飛燕。相手の刀を弾く勢いを回転力に変え、その力を利用して相手の利き腕を斬る。実際今のが君に通じなければ残された手段はわたしには無かった」


「何処へ行く? 止めを刺さなければまた俺はお前を狙うぞ?」


「結構、そもそも君は宝具を封じて私と戦った。そう言うハンデで勝つのは私の剣士としてのプライドが許さない。今度は宝具を解放して戦え、その時は宝具諸共君を今度こそ粉砕してくれる」


「そう言う挑発は大好きなんだ。後悔するぞ?」


「さてそれはどっちかな?」


「ふ、ガッキーよ、お前だって充分バトルジャンキーじゃねえか…..」


「確かに君との戦いは久しぶりに震えたよ」


 新陰流と言えば、誰もが真っ先に思い浮かべるのがやはり柳生新陰流だろう。

 では何故創始者の上泉信綱ではなく、この柳生がまるで新陰流の看板の様になってしまったのか? それは大きく2つの出来事による物だった。

 先ず一つは、その面影を空手に残しているが、所謂真剣白刃取り、それを公安したのが他でも無い信綱で有り、それを完成まで漕ぎ着けたのが、弟子である柳生石舟斎、(柳生宗厳(やぎゅうむねよし)) だったからだ。後の柳生新陰流柔術にこの無刀取は受け継がれ、そして神道流柔術から空手に真剣白刃取りとして受け継がれた。つまり大元の真剣白刃取りは、新陰流にそのルーツが有る。

 そしてもう一つがやはり代々小野派一刀流と共に、徳川将軍家筆頭の師範を務めた事が、柳生新陰流を有名にした。


 ではここで、戦国武将達や、武士と言うのがどれほど強かったのか、ちょっとしたエピソードを書こう。


 時は1274年、それはかのチンギスハンが、世界最大の大帝国、モンゴル帝国(タルタリア帝国)を作り上げた時だ。元寇、つまりチンギスハンは大軍勢を日本に向けて送って来た。

 モンゴル帝国は、西はヴェネツィア、東は高麗 (今の朝鮮半島)までをその支配地域に治める巨大帝国だった。優れた技術力と精強な騎馬隊に、アジア、ヨーロッパの各国は、次々と降伏して行った。その牙が遂に日本にまで向けられた訳だ。


 モンゴル軍は、都合2度にわたって攻め寄せ、斬新な戦法で日本軍を大いに苦戦させる。だが、いずれも「神風」(暴風雨)によって撤退。日本が奇跡的な形で国土を守り抜くことができた、と信じている者も多いだろう。だがそれは後にGHQの3S政策によって創り上げられた出鱈目で有る。


 真実はこうだ。


 当時の日本側の権力者は鎌倉幕府の第8代執権・北条時宗。この年、24歳。6年前に18歳で執権職を継いでいた彼は、先代の政村の補佐も受け、強気な姿勢を崩さなかった。

 チンギスハンの後を継いだフビライが寄こした文面は日本を格下として扱う非礼なものだったことで、強気に時宗は黙殺を決めた。もし攻めてきた場合、徹底抗戦する覚悟で軍備を整え始めたのである。日本への文書の中で、フビライは「高麗とは親しくしている」と述べていたが、実際には何度も元の攻撃を受け、おびただしいほどの犠牲者を出した挙句、高麗はモンゴルの属国と化した。もし、弱気な態度を見せれば、日本は高麗と同じ運命を辿る可能性もあったのだ。時宗は7度目に来た元の使者を処刑すらしている。


 元が最初に日本を攻めた「文永の役」は、1274年11月11日に始まり、26日に終わった。蒙古・漢・高麗の連合軍約3万人を乗せた900隻の軍船が博多の早良郡さわらぐんに上陸。

日本軍は当初、初めてぶつかる元軍に苦戦したのは確かなようだ。しかし、元軍上陸後の赤坂および鳥飼潟の戦いといった会戦が始まると、日本軍は地の利も生かして奮戦し、元軍に損害を与え、敗走させている。

 当時から日本武士団は騎兵による集団戦術を用い、また馬上から射程距離のある長弓を使い、遠くの敵を射抜いたのである。当時の元や漢、ヨーロッパの弓と、日本で使われていた弓の大きな違いは、その飛距離にあった。これを和弓と言い、何が違うのかと言えば、ゲーム風で言うなら日本はロングボウ、海外はショートボウを使っていた。つまり日本の武士団が使う弓は、銃で言うなら皆がスナイパーの使う銃だったと言う事だ。これを馬上から正確に武士は敵を射抜く、どれほどこれが脅威的だったのかわかるだろう。


 元側の記録にも、「騎兵は結束す、人は則ち勇敢にして、死をみることを畏れず」と言う記録が実際に有る事からも、どれだけ武士が精強だったかわかるだろう。

 そもそも台風が11月に発生する訳がない、つまり1回目の元寇、「文永の役」では神風は起こって居ない。


 2回目の元寇でも、6年後の1281年6月6日、元軍は前回の3倍以上にも及ぶ15万人もの兵を乗せた軍船4,400艘で再度、攻め寄せてきた。2度目の蒙古襲来「弘安の役」の開始である。その艦隊の規模は、まさに世界最強の帝国にふさわしい威容で、フビライの本気を感じさせる。

 だが元軍は、この2度目の襲来では日本へまともに上陸することもできなかったのだ。時宗は博多湾に20キロにも及ぶ防壁を作っており、日本軍は度重なる夜襲を元軍に仕掛けていた。溜まらず元軍は壱岐島へ後退したのだ。

 ここで日本側は6月の終わりに壱岐島へ総攻撃を仕掛けた。ここで初めて7月末、台風が起きた。これで元軍は大きな被害を受け、沈む船や溺死する将兵が続出した。とはいっても、4,400艘の船団全体が被害を受けたわけではない。特に東路軍は軽微な損傷であったという。


 弘安の役は夏の戦いであったため、台風は確かに起きた。しかし、それは勝敗を左右するほどの決定打になったわけではなく、台風が起きる前から元軍は上陸する術を失って海上を右往左往していた状態であり、決着は時間の問題だった。よって、台風は「神風」でもなんでもなかったのである。


 つまり当時の世界最強の軍にも充分に勝利出来る程の戦力が武士には有った訳だ。GHQは日本のここを恐れ、日本人弱体化計画で3S制作を実施したのだ。





 ガッキーは戦場を後にして、途中はるんが撤退信号を上げた事で、はるんと合流、そしてすみれはすうざんの城に火を放ち、りょくとすうざんの城を出た。兼ねてより打ち合わせをしていた合流地点でガッキーやはるんとも合流、その後虎牢関へ向かったのだ。ここですうざん攻防戦は一応異境軍の勝利という形で幕を下ろしたが、異境軍としては手放しでは喜べない結果となった。




 



 ザコと合流したロラン達は、魯陽には当然向かわず、虎牢関へと戻ったが、そこで皆はとんでもない事実をフジから伝えられた。


「すうざんが落ちたのか!?」


「はい、すうざんだけでは有りません、モニターを見てください」


 そこには洛陽、虎牢関、汜水関、函谷関、武関以外の城全てが守備軍となっており、各同盟の城は、青屋根と金屋根以外全てが落とされて居る事を示していた。


「何て事だ!? すうざん駐屯のメンバーは!?」


「わかりません、ですが最後の戦闘を示すマーカーはガッキーさんとカカロットと言う者。何方も暗くはなって居ません。ですから予想出来る内容としては、撤退したと考えるのが妥当ですね」


「確かに俺はすうざんを落とせる様な戦力が襲って来た場合は撤退する様にとすみれさんには伝言してある。だからフジさんの言う撤退と言うのも有り得る」


「俺が見に行ってみましょうか?」


「いや、青熊さんの体力はもう限界だ。すみれさんなら大丈夫でしょう、ここは信じて待ちましょう」




「申し上げます」


「何だい?」


「今城門付近にて、一食同盟盟主からの使者と申す者が来て、アフロ様と面会したいと申しております。如何致しますか?」


「ここに案内してくれ」




 アフロ達の前に現れた使者は、何とあさぎだった。


「担当直入に言うわ、破竹鯖全共闘の誘いよ」


「では珍肉や天下にも?」


「私と同じ様に使者を出して居るわ。正直今回の敵はヤバ過ぎる」


「戦ったんですね?」


「ええ、上庸でね、見事に敗北して撤退して来たわ」


「俺達も同じです、魯陽に攻め込んだんですが、見事に返り討ちに遭いました。ザコさんが居なければ殺されて居ましたよ」


「意外ね? ザコ師匠そんなに実は強かったの?」


「ふん、俺様の後光に感動して奴等が改心しただけよ!」


「はいはいわかりました、そう言う事にしておきます」


 ザコとあさぎも実は仲が良い、何故かあさぎもザコを師匠と呼んでいた。だがあさぎが負けた、この事実は翡翠の誰もが重く受け止める内容だった。何と言っても破竹サーバー最強はあさぎだ。その最強のあさぎが負けた、これには全員が恐怖を覚えたのだ。

 だが一人だけ、そうでは無い男がいた。勿論ザコで有る。ザコは先の戦闘で、レベルだけが全てでは無い事を理解していた。そしてザコはどうすべきか迷っていた。皆あさぎが敗北した事で萎縮してしまっている、これでは勝てる物も勝てないからだ。



 ふむ、仕方ないか、しのごのは言ってられん……


「皆何をビビっておるのだ? 破竹鯖全員が手を組む、これで我等は勝てたも同然では無いか」


「いやザコさん、正直あさぎさんのレベルでも奴等に及ばない、これは破竹鯖全員が奴等に及ばない事を意味します」


「レベルがどうしたと言うのだ! くだらん、レベルが高ければ必ずしも強いとは限らんのだぞ? ゲーム上の優位性と実戦を一緒にするんじゃ無い!」


「ですがザコさん、実際に俺達はそのレベル上に手も足も出なかったんです」


「ではあさぎ君、中庭で俺と組手をしよう。あさぎ君はレベル186、俺はレベル123である。つまりその差は63も有る。放逐少女内のゲームでは当然俺は瞬殺されておる差である」


「わかりました、でもリアルだから痛いだけではすみませんよ?」


「構わん、あさぎ君も全力で攻めてくるが良い。怪我をしても文句は言わん」


 と言う事で、あさぎとザコの模擬戦が中庭で行われる事になった。


「実戦さながらの模擬戦である。武器は何でも良い、そう言う模擬戦にするが良いな?」


「レベルは段違い何です、ザコ師匠の良いように設定してください」


「では1本勝負、降参か、HPが半分切るまでにどちらかがなった時点で勝敗は決まる。武器やスキルは何でも良いし使いたい放題である」


「本気ですか? ザコ師匠の能力月英なんですよね?」


「無論そうだ。それ以外の能力は会得しておらん。だがそれでリアルの戦闘に勝てると思うのは、大間違いである」


「わかりました、痛くても嫌いにならないでくださいね?」


「その様な度量の小さい男では無いわ」


 レベル差63、普通ではザコはあさぎに瞬殺されるレベルだ。ザコはどうあさぎと戦うのか? ここにザコとあさぎの切磋が開始される。

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