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紅翡翠  作者: 量産型ザコ
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異境軍勢

今日の本編はこれ1話です

 翡翠メンバーの者達が何故、異境軍勢の事を失念して居たか、それは既にそれが実装されて居て、更にその軍勢のキャラである、カエサルやアウグスなどのキャラ能力を持って居たからに他ならない。

 放逐少女では、異境軍勢と言うのは、ローマ帝国に実在した者をキャラとして登場させて居た。だからこそ翡翠のメンバー達は皆、異境軍勢の事を完全に失念して居た訳だ。

 

 だが忘れてはならない。異境軍勢は何もローマ帝国だけでは無い。その当時の中国と国境を接して居たのは、ヨーロッパだけでは無いのだ。

 タタール、つまりタルタリア帝国。これは日本名韃靼と言い、韃靼蕎麦の由来はここから来ている。知る者は少ないが、タルタルソースの語源元は正にこれだ。そしてこのタタール帝国が、後にモンゴル帝国となる訳で有り、このモンゴル帝国がロシアとモンゴルに分離する。

 日本の歴史では、ここいらを滅茶苦茶に教育するが、モンゴル帝国とはあの有名なアラジンの魔法のランプとかで出て来る、玉葱型の屋根を持つ建物や城などが乱立される、非常に高度な文明を持っていた帝国である。どうやらそう言う歴史を覆い隠したい連中が居る様だが、欧米では当たり前にこのタタール帝国の事は知られている。日本でも、一部の大学の図書館や、Googleなどの検閲が厳しい検索エンジンを使わなければ、誰でもタタールを検索出来る。

 実は日本もこのタタール帝国の一部であり、中心都市の一つだった。調べれば簡単にわかるし、東京駅や丸の内近辺、浅草駅、そして中央区銀座、更には日本各地に玉葱型の屋根が有るのは、明治期に造られたのではなく、元から有るからに他ならない。そもそもあの様な高度な建築物を明治期の初めにいきなり日本中に乱立する事など出来る訳がない。煉瓦がどうやって造られるか調べれば、誰でもそんな嘘を簡単に見抜ける。今まで木造建築しかやって来なかった日本に、あれだけの大量の煉瓦を数年で造れるわけが無い。元から日本は煉瓦造りの建物を作っていたからに他ならない。



 そして更に中国と国境を接して居たのは、ムガル帝国。日本ではこのムガル帝国とタルタリア帝国をゴッチャにして教育して居るが、完全に別物である。欧米では当たり前の事実だ。ムガル帝国は当時、今の中国の大半を占領して居た巨大帝国だった。その当時、中国は秦や魏などが覇権を争う、中国の右側、つまり日本海側の一部だった。ヨーロッパ側の半分はこのムガル帝国が治めており、月氏、と言えばわかり易いだろう。それがムガル帝国である。

 秦の始皇帝は中華を初めて統一した皇帝である。この始皇帝が月氏と戦い、インドまで追いやった。そして月氏はそこにムガル帝国を作り、大月氏、ムガル帝国を作ったのだ。


 この事からもわかる様に、異境軍勢と言うならば、その当時中国は、ヨーロッパのローマ帝国、北のタルタリア帝国、インドのムガル帝国に囲まれて居たのだ。日本を混ぜるならば、日本はタルタリア帝国の一部である。つまり四方を中国は囲まれて居て、何処からでも異境軍勢が攻めて来る可能性が有った。また中でもローマ帝国、タルタリア帝国は、非常に科学技術に優れており、中国としては、万里の長城を造る程に恐れて居た訳だ。


 忘れてはならない、これは完全に翡翠のメンバー達のミスであった。この世界は人が居て、その者がそう理解すれば実現されてしまう世界。想念を増幅する紅翡翠を持って居る者ならば、それを可能にしてしまうのだ。そしてこの紅翡翠を作ったのは誰か? 運営である。そして運営がこの世界の構築を目論んで、それにまんまと嵌められてしまったのが破竹サーバーの者達だった。

 つまり、運営は紅翡翠を持つ者をこの世界に入れれば、この世界の広がりを更に大きくする事が出来てしまう。更に別キャラを造り、それをこの世界で実装してしまう事も可能なのだ。





 運営では、この謎の軍勢に手を焼いていた。何故こんな者達が現れたのか? そしてその対処に翻弄されていた。


「どう言う事だ、この連中は一体何だね!?」


「わかりません、ハッキングされてしまったのは確かです。そこからこの軍が送られて来ました」


「上層部は何と言って来て居る?」


「速やかに対処せよ、だけです」


「情報は無いのかね? 他に何か」


「ペンタゴンからのハッキングだと言う以外は何も」


「川田主任を呼び出せ! この軍に対応させる!」


 

 そして川田が呼び出された。会議の末、このムール率いる自衛隊に対処する為に取られたのが、異境軍勢、。運営は一つのコンテンツとして、この異境軍勢を投入する事に決定した。この異境軍勢はモスクワ大公国、つまりタルタリア帝国だ。タルタリアと言う名前は出せないので、この名を使う事になった。

 当然この時のタルタリア皇帝は大ハーン、チンギスやフビライなどのハーンである。だからこそ、国と言うのに公国、王が居ない訳だ。

 本来ここもおかしいと思わなければいけない所なのだが、それすら誰もおかしいとは思わない。国で民主主義国家でないのなら、王がいなければいけない。何故元老院貴族が国を治めるのか? 公国の王は公爵だ。つまりこれは、公王の上に誰かが存在して居る事を指す。公王の上に立つ者と言えば、それは皇帝以外有り得ない。つまりモスクワ大公国は、タルタリアの一部だった訳だ。

 

 アニメで言うならガンダムでそれを示唆している。ジオン公国のデギンザビは、王を名乗って居ない。あくまで公王を名乗って居る。彼はシオン ズム ダイクンの意思を継ぐ、と言う形で公王の権力を握った。つまりジオン公国の国家元首はジオン ズム ダイクンだとしたのだ。だから彼は国王を名乗って居ない。


 

 さてモスクワ大公国といえば、イヴァン、ダニール、ドミトリー、ユーリーなどの公王達だ。誰もが名前くらいは聞いた事が有るだろう。アニメキャラなどの名前はこうした所から取られて居る。名前を少し変えてだ。


 例えばダニール=ダニエル。ユーリー=ユーリ、勿論だが、この公国関係者の子孫達も、この辺りから子の名前を取って居るだろう。そしてこんな話しも実は有る。

 ドナルド J トランプの妻、イヴァンカ夫人は、帝政ロシアの後見人だ、と言う話しだ。強ち嘘では無いのかもしれない。


 イヴァンカ=イヴァン


 イヴァンといえば、有名なのが、Fateに登場するイヴァン雷帝だろう。つまりイヴァン4世の事だ。運営は、このイヴァン4世を中心とした、異境軍勢を組織する事を決定した。これには幾つかの意味が有った。

 先ず一つには、アフロなどの一部様々な事に詳しい者が、各同盟には少なからず存在して居る事を運営は盗聴機などから確認して居た。つまりタータリア、又はモスクワ帝国がこの時期中国と国境を接して居た事を知っていれば、怪しまれないだろうと考えた。理由は簡単だ、何故なら殆どが異世界転移、つまり放逐少女の世界に迷い込んだと考えて居るからだ。そこで放逐少女には、異境軍勢が有る。仮想現実の説明はしたが、どれだけの者がそれを理解出来るだろうか? 普通に運営が作り出した世界に入り込んだと考えて居るだろう。またその様に誤解する様に説明もした。

 よって先ず歴史に詳しい者はこう考えるだろう。

 運営が再び異境軍勢のコンテンツを開始した。

 ここに多少なりとも特典を付けて、開始すれば、誰も疑わない。そしてもし、イヴァン雷帝が、faito grand orderに近い衣装で、少女キャラで登場するとどう思うか? 


 faitoとのコラボ!?


 と言う誤認を勝手にしてくれる。これが先ず一つ目の狙いだ。そして一番重要なのがここだった。


 Fateとのコラボを勝手に想像してくれれば、faitoキャラを登場させられる。特にFateグランドオーダーの、アルトリアペンドラゴン (アーサー王)、イシュタル (女神)、沖田総司(新撰組隊長)、この3人だけでもこの世界で実装出来れば、誰もが勝手に、無敵!、と思い込んでくれるだろう。


 そして最後にもう一つ、それは新たな実験である。通常新たなゲームを開始する前に、運営側は一部のユーザーを使って、ゲームのβ番を使用したテストを行う。そこで改善点などをそのユーザーに指摘して貰い、改善された物を一般公開する。そのテストには、一部の決められたユーザーを使う、クローズドβ、広く一般に公募してユーザーをランダムに集めるオープンβと言う2種類のテストを行う。

 そこで運営は、一部の古参ユーザーへ


 この度Fate製作会社と協力して、新たなVRMMOに対応した、新放逐少女2を製作決定致しました。貴殿は見事このβテストにテストプレイヤーとして参加出来る資格を得ましたのでここにお知らせ致します。またある程度のテストは終わっており、レベルMAX状態でのテストのみ残っております。参加にはある程度の期間を要します。その間の報酬もご用意しております。是非この機会にご参加をご検討ください。


 などのメールを送るとどうなるか? 殆どのユーザーはこれに参加を申し込むだろう。そこに罠が有るなどと誰が予想するだろうか? つまり運営は、新たな強力なユーザーを取り込む事で、実験を兼ねた、ムール率いる軍の排除を行う事にしたのだ。そしてあわよくば、シャオリン達先行組と、そこでバトルさせる事も視野に入れた。


 そして運営はさっそく動いた。日本の殆どの大企業は皆上層部では繋がって居る。勿論Fate製作会社も例外では無かった。faito製作会社と運営は契約を結び、即座にキャラを作り上げ、コラボ企画は開始された。当然これは利益を目的としては居ない物で、あくまでもSDGsの実験としてである。




 その頃シャオリン達は、先日のムールと話した内容の続きに入って居た。しっかりと自分達が理解して居ないと、皆を理解させるのは難しいと言う事で、この話になった。


「時間が逆行する!?」


「それは本当!? フジさん」


「はい、量子の世界ではそれは何度も起きています。量子テレポーテーションの事は理解されましたか?」


「まあ、とりあえずその辺りは何とか」


「では先ず量子コンピューターの内容から行きましょう。先ず従来のコンピューターは、どんなスーパーコンピューターでも、0と1の二進法で計算されています。その組み合わせが全てを決めて居る訳です。これに対し、量子コンピューターは0と1そして0と1を組み合わせた、記号が使われて、3進法が使われています。これが量子もつれの、0か1がまだ決まって居ないと言う事を表す記号となっています。これにより、通常のコンピューターで何万年とかかる計算すら、量子コンピューターではたったの3分と言う時間で計算が可能となるんです」


「たったそれだけで!?」


「0と1だけで今のスーパーコンピューターが成り立つんですよ?」


「まあ…..理屈は確かにそうだけど…..」


「さてここで、エントロピー増大の法則の説明をしますが、これを理解するのに一番手っ取り早いのが、先日私が言った、熱力学第二法則です。ごく簡単にこれは説明しますが、簡単に言うと、熱は熱い物から冷たい物に流れ、その逆は有り得ない、つまり一方通行だと言う法則ですね」


「それは当然よね?」


「そうです。そしてエントロピーというのは、無秩序の状態の度合いを示す物です。簡単に言うと、秩序がどれだけ保たれていないか? と言う指標ですね。これもわかりやすく言うと、皆さんの部屋、何も片付けなければどうなるでしょう?」


「それは、散らかり放題になるな?」


「そうです、それをエントロピーが増大したと表すんです。統計力学的に説明すると、これはボルツマンの原理、S=k logw」

「フジさん!」


「何ですか? 林檎さん」


「公式はやめてください、頭がこんがらがって、理解不能になります」


「そうですか…….わかりました、何とか公式抜きで説明しましょう」


「すみません」


「では、熱を持つと言うのはどう言う事かと言う理論で行きましょう。熱を持つと言うのは、例えば水で行くと、水の分子の動きが遅いと言う状態が冷えていて固体。そこから液体、気体と変化する上で、その動きが速くなって行きます。これが所謂乱雑さの指標として考えて頂ければ良い。つまり気体になると言う事が、エントロピーが増大したと考えれば良いわけです」


「それなら何となく理解できそうだ」


「本来はもっと複雑な計算で表すんですが…..」


「理屈は理解できましたが、それと時間とどう言う関係が有るんですか?」


「良い質問ですシャオリンさん、そこです。実は一見一方通行に見えるこのエントロピー増大の法則に、突如として悪魔が現れます」


「悪魔!?」


「そう悪魔です。マクスウェルの悪魔」


 時間は逆行する、これは文字通り、タイムマシンが出来る事を示していた。人は時間を遡れるのだ。そしてそれは、物理法則として、既に解明されていた。


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