表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅蓮荘奇譚 弐  作者: 天城なぎさ
第弐拾玖話 異界転移
92/95

第弐拾玖話 結

「私たちが知っているのは、音築という名前と土地神だということだけです」

「マスターもご存知なんですか?  音築を。僕たち普通とは少し違って、妖怪を見ることが出来るんです」

「おやおや。妖眼というものですか。これはまた珍しい」

「妖眼を知っているんですか!?」


 飲んでいたミルクセーキを、危うく吹き出しそうだった。

 妖眼という言葉を知っているのは、妖と近い人や私たちのように、能力として持っている人のみ。


 ということは。


「マスターも妖眼なんですか? 私たちのように」

「妖眼ではありませんよ。ただ、半妖なんです。音築様をお守りする、社守(やしろもり)をしています」

「音築に会いたいのですが、会うことは出来ますか? 結界のことで、話せたら良いなと。無理にとは言いません。俺たちで何か力になれるなら、手伝いたいなと思っています」


 そうですか。と、マスターは笑顔で答えてくれた。しかし、その後の言葉はまだ分からない。


「音築様は、お出掛けになられています。お社に向かわれても、音築様はいませんよ」

「そうですか。分かりました。すみません、お手数お掛けしました」

「いえいえ。ごゆっくりどうぞ」


 マスターがカウンターに戻った後、私たちは再び話し合う。


「この後キュアライフに行くわけだけど、気をつけよう。僕たちは妖が見えるから、対応出来るけど、桃麻氏や吾妻さん、高坂先輩は見えないから」

「はぁ。俺たちも華鈴たちみたいに、ようかん? とかいうやつだったら良かったのに」

「桃麻、ようかんじゃなくて妖眼。ようかんだと、和菓子になっちゃう」

「紛らわしいな。でも妖怪に会ってみたい!」

「桃麻氏。そう言えるの、今だけだぞ」

「あたしは、三人に守って貰おうかな」

「私も! 響希君に助けて貰う!」

「任せて、美穂さん!」


 あれ? さっきからずっと喋っていない人がいるような?

 私たちだけで盛り上がって、気づくのが遅れたけれど。


「須崎さん?」

「そういや、舜氏喋ってないね」

「舜氏、大丈夫か?」

「大丈夫。大丈夫だけど、まだ何と言うか。心の準備が出来てない」

「そんなのゆっくりで良い。俺たちだって、見えるからこその苦労はあった」

「そうだよ。僕たちだって、すぐに理解したわけじゃないよ。ね、りんちゃん」

「そうですよ、須崎さん。ゆっくり慣れていきましょう。私たちも相談に乗れますし」


 私たちの言葉で強張っていた表情を和らげ、少し明るい表情に変わった。


「良いよな~。級長はさ、俺から見れば羨ましい悩みだからな? 妖怪見れるんだぞ!? 俺なんてな、シキさんだっけか。妖力の強い妖怪が運良く見れるくらいだぞ!」

「あたしは、てまりちゃんだったね。あたしを庇って、亡くなっちゃったけど」

「いいな~。皆は妖怪と関われて。私なんて、何もないからね?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ