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二つの宇宙(せかい)  作者: 三富三二
19/29

-星空達の戦いの裏で1/2-

今回は鈴視点でのストーリーです。

ここで(リン)達に視点を向ける。

星空達第三中隊が戦闘に入ったなか鈴たちは作戦空域に到達しようとしていた。


統一歴176年7月3日 アイランドストーム作戦当日 太平洋上空 高度34,000ftに3つの大きな影。3機の空挺用大型輸送機An-1991 ржанка(ルジァーンカ)だ。この千鳥の意味を関する輸送機はBB部隊2個小隊を搭載することの出来る大型機である。そして特筆すべきは機体下面に光学迷彩と共にレーダー波を吸収する塗料が塗られているためステルス性能は高水準であるということだ。この機体を用いて、アドリアン率いる2個中隊が目標である大型艦への強行着艦を実行するのだ。今回は2個中隊分を輸送するために3機を投入した大作戦だ。


「星空の奴らが引き連れてる別働隊が囮になってるうちにさっさと仕事終わらせて丘で休暇の続きと行こうぜ」

アドリアンのその言葉に2個中隊の全員が歓喜する。ある意味いつもの光景だ。

「残り2000で作戦予定地点、ハッチ解放投下用意!」

そのアナウンスとともに目の前にあるハッチが左右に開放される。それと共に鈴のクノイチ改乙型が海の反射の光で映し出される。鈴のコクピットディスプレイに海面に乱反射された太陽光がチラチラと光っている。鈴は「綺麗だと」感じていた。

後ろで声が聞こえる。

「降下開始5秒前...、3、2、1、降下開始!!!」

その声と同時に機体を固定している拘束具が解除され自由落下を始める。

それと同時に周囲を編隊飛行していたジェイコブ、県準(ヒョジョン)達第254空間戦闘機隊も長距離侵攻用の追加ブースターと増槽をパージし戦闘状態へ移行する。

高度計が少しずつ確実に数字を刻んで行く。高度が15,000をきる、それと同時に専用の追加装備を滑空状態へ変更する。

その時だ、星空達の別働隊のいる方向で爆発光が見えた。鈴は嫌な予感がしたが、この時はそれを考えるときではないと判断し考えるのを放棄した。

だが、別働隊の方で爆発光が見えたということは囮が失敗した可能性が出てくる。その後少し滑空を続けているとレーダーが大型の船を捉えた。見るからにこの世のものとは思えないほどのサイズだ。

「別働隊から通信だ。囮は失敗したみたいだ、反撃が来るぞ、(やっこ)さん出てくるだろうがこのまま突っ込む!!!」

「「了解!!!」」

アドリアンが先頭に立ち全機がそれに続き突撃をする。

防御(タンカー)部隊はそれに続いて行く。

鈴達 狙撃(スナイパー)部隊はそれらの援護を行う。

「めんどくさいのは嫌だなぁ...」

しかし、戦場はそう楽なものでは無い。

まず最初に県準率いる第254空間戦闘機隊によってミサイルを用いた飽和攻撃を行う。1個中隊、計12機に搭載されているいくつものミサイルが発射される。ミサイルは白い線を引きながら敵艦へと直進する。しかし、敵も抵抗を開始する。船体に各所に搭載された対空機銃が火を噴く、瞬時に外皮付きタングステン弾による光の線が形成される。ミサイル群はこれによりものの数秒で全てが迎撃された。

こちらも負けじと艦対空ミサイルが発射される。全10本程の光がこちらへ向かい飛翔する。

「各機、散開(ブレイク)!!!」

県準のそれに従い第254空間戦闘機隊の9機が一斉に編隊を崩し、2機の1組のチームに別れる。ミサイルはそれでもなお追尾をやめない、それをフレアで回避する。

次は本体であるBB(バトルボット)部隊が強撃に入る。タンク部隊の対艦ミサイルが次々に発射される。しかし、そのミサイル群も例のごとく対空砲火の光の線に迎撃され命中したものは「ぐしゃり」形を変形させ次々と爆発光を空中に出現させる。しかし、その中に数発だけ特殊なミサイルが入っていた。件のミサイルに弾が命中する。それと同時に起こったのは爆発光ではなく、白い煙だった。煙幕だ、しかもジャミング能力のあるものだ、タンク部隊はすぐにその場を離脱し次の部隊、アタッカー部隊へとバトンを渡す。

「アタッカー部隊、全機一揆入魂!!!」

アドリアンの言葉と共にアタッカー部隊が敵艦に仕掛ける。と、その時だ。

『こちらエア・スパイダー急速に接近する所属不明機を確認した注意されたし、繰り返す。こちらエア・スパイダー...』

観測機からの通信だ。信じられない情報だった。そんなはずはない、今この作戦に参加しているのは鈴達第三十四技術試験隊と、第254空間戦闘機隊のに2部隊だけである。

しかし、コックピットないに警報音が鳴り響く、これは接近警報の音だ。正面のディスプレイ、のレーダーには機体後方より高速で接近するいくつかの光が映し出されていた。見たことの無い機体だが、機体に塗られている国籍識別用のマークは鈴達、協商軍には無いマーク、そう敵なのだ。

すぐに機体を反転させ迎撃の体制に入る。護衛機である攻撃型(アタッカー)3機も敵機だと気づき反転して敵機へ向かう。

『こちら護衛機(ガーディアン)接近するunknown(アンノウン)は6機、敵は戦闘機だと思われる対処はこちらで行う、そちらは本体の援護を』

「了解、敵の形が戦闘機にしては変だ注意されたし」

『こちらも確認した、注意して迎撃する』

通信の終了後すぐに爆発光が生まれる。

戦闘機とBBでの格闘戦では戦闘機よりも繊細な起動が可能なBBの方が圧倒的に有利なのだ。だから言われた通り鈴たちは本体の支援を始める。

さっき展開されたスモークが晴れ始めてはいたが、それでも狙撃を行う環境では劣悪だ。

「狙撃手だから分かりきってはいるけど、ゴチャゴチャした戦いは好きじゃないっ!」

ファイア、味方を追いかけていた敵機を撃墜。

「ひと〜つ」

ファイア、回避運動をしていて隙を見せた敵を撃墜。

「ふた〜つ」

ファイア、撃墜された仲間に近づこうとしていた敵機を撃墜。

「み〜つ」

鈴は無心で敵機を撃墜していった。しかし、

『こちら護衛機、救援要請!救援ガッ...』

護衛機からの途中で通信が途切れる。

それが意味することは撃墜されたということだ。しかし、敵機は戦闘機のはずだBBが戦闘機に負けるそんなことが有り得るのか、鈴には考えられなかった。

すぐに敵艦とは反対側、護衛機が向かった方角へ自機を向ける。そこには戦闘機の姿はなかった、代わりに6機、さっきレーダーに映っていたのと同じ数の人の形をしたBB(バトルボット)らしき機影。

「さっきの戦闘機どこいったのよ」

すぐに反撃に出る。戦闘コンピュータはすぐに敵機の予測進路を編み出しメインディスプレイに表示する。しかし、鈴はそれを無視して2発づつ打つ。

1発目めはすぐに回避される。だが、続く2発綺麗に敵機に命中する。撃墜を確認する。

「ひとつ!」

すぐに2機目を攻撃する。例の如く2発、1発目は相手を回避させて、それによってできる無防備なタイミングに合わせ、相手の回避先を読んで2発目を当て撃墜する。

「なっ...!?」

出来なかった。

鈴の腕が悪い訳では無い。鈴の放った弾は確実に敵軌道上にあった、敵が動きを止めなければ確実に命中していた。だが、敵は鈴の予想出来ない軌道をしたのだ。いや、軌道したと言うより、変形したのだ。人型から戦闘機へ、

「コイツら変形するのか、これじゃ、さっきの戦闘は数的不利だったてことじゃない!!!」

そう、さっきの護衛機3機との戦闘では6対3完全に2倍の戦力差になる。星空程の腕でなければ全滅もする。

「あぁっ!!!だからゴチャゴチャした戦いは好きじゃないんだっ!!!」

変形によって戦闘機ほどの高速移動は出来なくなったとしても、戦闘機の回避機動とBBになったことによって行われる変則的な回避行動を挟んでくるようになった。これではまともに狙えない、鈴にとってはめんどくさいと感じる。

「落ちろ、羽虫が!」

命中。

鈴の弾は敵機を正面から貫通し爆散させる。

だが、数はまだ4機残っている。ほかの狙撃(スナイパー)タイプの機体も応戦してはいる、だが滑空状態では射角が制限されて狙撃が難しいのだ。

ひとつ、またひとつとトリガーを引き弾を放つ。

しかし、そのほとんどが悲しく虚無の空間を通っていく。

トリガーを引く、が銃口からは何も発射されなかった。

「あっ、」

弾切れだ、焦っていたせいで残弾管理を抜かしていた。初歩的なミスだ。急いでリロードをしなければならない、しかし、敵はそんな時間は与えてはくれない。

敵の1機が鈴の弾切れに気づいたのか急速に接近してきた。

97式対BB狙撃銃には銃剣が着いている。それを鈴は狙撃銃ごと投槍を投げるように咄嗟に投げつける。

投げられた銃は敵機の蹴り1発で叩き落とされる。鈴はすぐにバックパック側面にマウントされている61式機関短銃を手に取り、3点バーストの軽快な音を響かせながら弾をばらまく。しかし、中~近距離戦用の武装で対物理装甲が施されている敵機には全くダメージが通らない。大きな金属音とともに弾く。

「ちっ、」

舌打ちをしなが人間で言うふくらはぎにあたる場所から粒子刀を抜き出す。それと同時に滑空用の装備をパージ完全な自由落下状態だ。

伸縮式の刃が展開され、粒子をまとい赤熱化する。それに対峙するように敵も腰にマウントされたロッドから粒子の集合体を発生させて粒子の刃を形成させる。両方が刃をまじえる度にその都度粒子同士の反発で大きく跳ね返される。

『こちら、3番機大至急救援求む。救援求む。2機に背後を取られた。うわっ、母さガッガッッ...』

味方の最後の言葉を聴きながらこの不利な状況を打開する方法を考える。

しかし、近接戦をほとんどしない鈴にいい方法など思いつかない教本通り戦おうにも相手が早すぎてまともに反撃に出れない、防戦一方だ。

その時、敵が妙な動きを見せたことにより大きな隙を見せた。それに気づき鈴はすぐに斬撃を入れる。

「これはさっき落とされたやつの仇だ受け取れぇっ!!!」

大きく振りかぶって縦に振り下ろす。

しかし、振り下ろし着る瞬間本来ならば斬撃が敵に当たるはずだが、当てっていない。

逆に粒子刀を持っていた碗部に蹴りを入れられ鈴の機体は大きくバランスを崩していた。敵もこれを逃すほど馬鹿では無い。すぐに鈴の足を奪うため、脚部をサーベルで切断する。対粒子コーティングをしていてもさすがに粒子の塊の熱を逃がしきる事が出来ず、容易に切断されほぼ身動きが取れない状況になった。鈴は覚悟を決め、自爆プロセス用のコードを用意する。

「せめて私の命に変えてでも、あんたらを落とす」

今度こそトドメだと言わんばかりに敵はサーベルを構えて突進してくる。それに合わせて鈴も自爆スイッチに指を這わす。

あと少しでサーベルはコックピットへ刺さる。鈴は目を閉じ自爆スイッチを押した。


どうもどうも最近梅雨やらなんやらで頭が痛くて体調不良な三富三二です。


今回は鈴の視点でのストーリーですが、完成度ははっきりいっていいものでは無いですと思われます。

さぁ、一体鈴はこの後どうなるのか?

次回もお楽しみに( ˙꒳˙ )。


先月投稿が行われなかったのは学校内での作文発表があり、それの原稿をやっておりました。

結果最優秀賞を受賞し、四国大会への出場だそうです。

正直いっていいですか?いや、言います。


「だる(迫真)」


完成度の壊滅的な小説(もどき)を長い間書いてきた事がここで実ったのかもしれません。そう言って自分の中で強引に完結させています。


本日はここまで少し長めになってしまいました事申し訳ないです。

では、また次の投稿日まで


制作時BGM アニメ86 OP ヒトリエ「3分29秒」

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